車の中は、音を楽しむ空間としては実は最悪の環境だ。様々な曲面があり、突起物があり、音を跳ね返すものや逆に吸収するものまで、悪条件が揃っている。車内での音はスピーカーから乗員の耳までの距離や周波数帯域によっての到達スピードが異なり(高域になれば早く、低域なほど遅い)、細かい周波数の調整が必要になってくる。
そんな最悪の空間で、音響効果を向上させるシステムが、グラフィックイコライザーやDSPといったシステムである。グラフィックイコライザーは、音の帯域ごとに任意に強くしたり弱くする装置で、低音を強めたり、高音を弱めたりと、気に入った音にできるシステムである。イコライザーを調整することによって音色や音域を変えたり、走行中のロードノイズで消されるある一定の周波数を増幅するような事も可能になる。しかしながら、若干だが音に濁りがでてしまうというデメリットもある。
対して、DSPはデジタル・シグナル・プロセッサの略で、その名の通り、CDやMDからのデジタル音声をデジタルで処理するもの。デジタル処理により、特定の音域にディレイをかけるなどの処理が可能になり、音楽のジャンルに合わせた効果的な音場および音質を再現できるというものだ。濁りもないうえ、設定によっては、スタジアムやディスコ、ホールなどの音場を車内で再現することができる。
現在、市販廉価ユニットでも、DSPやグラフィックイコライザーを搭載するモデルが多くリリースされており、通常のアンプ内蔵ラジオ+CDもしくはMD、カセットの1DIN ユニットに追加する形で装着できる、1DIN型のものもあれば、2DINのマルチコンポに内蔵されているものまで様々。手軽に臨場感あるサウンドを楽しみたいユーザーは、挑戦するだけの価値があるといえるだろう。 |