カーナビにおける最も重要な地図データ、これらを動作用のプログラムなどと一緒にインストールしているのが、いわゆる“記録メディア”と呼ばれるものだ。CD-ROMやメモリーカードからスタートしたカーナビのメディアはその後DVDへ進化、データ容量がCD-ROMに比べ最大で約13倍の容量を持つDVDは、市街地の詳細地図などを広範囲にわたって収録することができる。またCD-ROMよりアクセススピードが速いことから、ルート探索などもスムーズに行えるのが特徴だ。
DVDがCD-ROMに代わる主力メディアとなった後、さらにその上をいくHDD(ハードディスク)を搭載するカーナビが登場した。HDDというとパソコンをイメージする人も多いが、カーナビは立派なコンピュータである。ではHDDはDVDよりどの部分が勝っているのだろうか。
HDDの最大のメリットはメディアの書き込みができるという点だ。カーナビにおけるCD-ROMやDVDはデータをディスクに記録すると、その後は消去や変更といった作業はできない。カーナビの多くは最新版の地図ディスクへの変更が最短でも1年。つまりこの間に新しくできた道路、また「平成の大合併」に代表される市町村名の統合による各種検索データの変更などは反映されないまま利用しなければならない。これがHDDなら、地図更新のためのインフラさえ整えばDVDより短い周期で最新の地図データ等を入手することができるのだ。
またHDDはDVDよりさらに動作スピードが速いのが特徴だ。例としてあげると、DVDが東京→大阪までのルート探索に約5秒かかっていたのに対し、HDDなら1秒弱で終了する。この速さは設定されたルートから外れてしまい、新ルートを探索するリルート機能など実際の走行時こそメリットを発生する。瞬時に新しいルートを探索できることは安全にもつながるというわけだ。
HDDは現在最大で40GBのものまで出てきている。しかし、地図データに使用する領域はDVDとそれほど大差はない。HDDの場合、空きスペースには音楽や動画データといったエンタテインメント機能を収録し楽しむことができるのだ。
さて、気になるメディアの価格だが、約1年に1度更新されるDVD地図ディスク、HDD共約2万円〜2万5000円位と大きな差はない。しかしDVDはパッケージを購入し、ディスクを挿入すればプログラムの書き換えも含めてすぐに使えるようになるのに対し、HDDは本体から取り外しの作業や、メーカーへ書き換えのための郵送などいくつかの手間が発生する。最近はネット接続で地図の書き換えができるようになってきているが、ブロードバンド環境も含め、普及にはまだ少し時間がかかりそうだ。
つまり、地図の書き換え時も含め、手軽に使いたいならDVDを、高性能にこだわり、エンタテイメントなどを積極的に楽しみたい人にはHDDという選び方がいいだろう。
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