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近年のボルボの中では、日本を含め世界的に大ヒット作となったのがこの850シリーズだ。一番の特徴は、スウェーデン製ボルボとしては、初めてFFの駆動方式を採用したことにある(ちなみにスウェーデン製以外では、オランダ製ボルボにFF車が存在した)。FFを採用したのは、FFでもFRに負けない十分な運動性能が得られるようになってきたので、それならスペース効率の点では有利なFFに、と考えたからである。こうして850は、フラッグシップモデルであった960よりも、全長は短いのに室内寸法は劣らないという良好なスペースユーティリティを得たのだ。
またこの850には、2.5L DOHC直列5気筒エンジン初の横置き搭載や、新開発のデルタリンク・リアサスペンションの採用、側面からの衝撃吸収システム「SIPS」の採用など、様々な新しい技術が取り入れられた。これらの技術は、その後さらに進化し、現在のV70、S60、S80、C70といったモデルたちにも受け継がれている。このことからも850がまさしく新時代のボルボのエポックメイキングなクルマであったことがわかるはずだ。
昔から高い安全性で定評のあるボルボだが、この850ではボディ構造から徹底的に見直し、さらなる安全性の向上を図っている。居住スペースや快適性を損なわないように、ボディ構造全体で衝撃を吸収することに着目した側面からの新しい衝撃分散・吸収システム「SIPS(Side Impact Protection System)」の採用をはじめ、様々な方向からの衝突について十分な対策が施された。この850の安全面のレベルの高さは、それだけでこのクルマを選ぶ価値をもたらしている。
また走行性能向上のために、リアには、独自の「デルタリンク・リアサスペンション」を採用。優れた乗り心地を確保しながら運動性も向上させている。
↑側面衝突時にボディ構造全体で衝撃を吸収する「SIPS」を新採用した。安全性はより一層向上
↑トレーリングアームとトランスバースアームで構成された独自のリアサス。走行性能も向上している
850のエンジンは、新開発のオールアルミ製DOHC直列5気筒エンジンとなる。これをベースにパワーを追求指向の2.3Lターボ、オールマイティの2.5Lライトプレッシャーターボか20バルブ、さらに燃費などの経済重視のユーザー向けに10バルブエンジンというように4種類のエンジンを用意した。
↑パワーと自然なレスポンスを実現した20バルブエンジンはまさに万能選手と言える優れたユニット
↑2種類のターボエンジンと10バルブエンジンもそれぞれ魅力がある。使用目的によってセレクト可能
乗る人すべてが快適であることを重視したのが850の室内空間。広くゆったりとしたヘッドクリアランスやレッグスペース、医学の専門家のアドバイスが生かされたシートなどが、人間工学に基づいたドライビング環境をもたらしている。
↑ドライバーに向けてレイアウトしたコックピットは、操作・視認性も抜群
↑前席シートヒーターを標準装備。寒い北欧のクルマならではの装備だ
↑エステートの荷室は非常に広い。フラットになるフロアも使い勝手良し
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ボルボ850 / 1992〜97年
(2003.05.01)
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