ホンダはモーターショーで発表したコンセプトカーを、家庭用3Dプリンターで複製できる試みをスタートした。ホンダのユニークな「ものづくり」への取り組みや思想を展開するグローバル・ブランディング・プロジェクトの一環として、1月下旬に公開された特設Webサイト「Honda 3D Design Archives」からデータをダウンロードすることができる。

データは「クリエイティブコモンズ4.0」と呼ばれる新しい著作権基準に基づき公開されている。これは著作者自らが「この条件を守れば作品を自由に使って良い」という意思表示をするためのツールで、著作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができる。

公開されている3Dデータは2013年の東京モーターショーで注目を集めた「NSXコンセプト」のほか、2007年の東京モーターショーで公開された「PUYO」、1999年の東京モーターショーで話題になった「不夜城」など5種類のコンセプトカー。ホンダは「普及が進んでいる家庭用3Dプリンターを用いて簡単に、Honda Designの結晶とも言える歴代のコンセプトモデルをレプリケーションすることができ、Hondaのものづくりを疑似体験できます」としている。

3Dプリンターの普及はものづくりの在り方を大きく変えるのは間違いない。産業に与える影響はもちろん、クリエイターが自分の作品を3Dプリンターで立体化し発表する動きも見られるようになった。ホンダの新たな試みは、今後の車業界の新たな方向性を提示するものになるはずだ。

この企画でホンダは従来の「メーカー」と「ユーザー」という枠組みを超えた新しいコミュニケーションのあり方を目指しているという

この企画でホンダは従来の「メーカー」と「ユーザー」という枠組みを超えた新しいコミュニケーションのあり方を目指しているという

スケートボードに乗る感覚で街を駆け抜けることをコンセプトに作られた不夜城。シートは浅く腰かけるセミスタンディング式

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