海外では「ロケット」と呼ばれたマツダ サバンナGT
2014/01/27
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2014年1月21日に発見したのは「マツダ サバンナGT」です。1971年にデビューしたサバンナの後期モデルで、サバンナという名がつくように「サバンナRX-7」の前身にあたるモデルです。
ハコスカの連勝を止めた名車の市販モデル!
コスモ、ファミリア、ルーチェ、カペラに続く、ロータリーエンジン搭載車として誕生したサバンナですが、一躍その名を知らしめたのは1972年のことです。当時の日本グランプリにおいて、日産スカイラインGT-R(ハコスカ)の50連勝を食い止めたんです。その後、1976年までに通算100勝という大活躍。ハコスカに対する勝利で、ファンから市販化を求める声が強まったためか、サバンナGTが投入されたんです。
サバンナは10A型ロータリーエンジン(982㏄、最高出力105ps)を搭載していましたが、サバンナGTには12A型ロータリーエンジン(1146㏄、最高出力130ps)が採用されました。ただ、1973年式ですから排ガス規制対応のための二次空気導入装置付きで、最高出力は125psになっています。
ボディ重量は900㎏を切る軽さですから、当時の国産車のなかではかなりの瞬足を誇っていました。海外へは「RX-3」という名称で輸出され、「ロケット」と呼ばれていたそうです。最近の日産スカイラインGT-RやGT-Rが「ゴジラ」と呼ばれているように、国産車にはよくあだ名がつけられます(笑)。余談ですが、この「ロケット」、後のサバンナRX-7のカタログにも引き継がれています。
当該車両は車両価格で350万円となっています。新車時価格が100万円台前半だったことを踏まえると、ベラボーに高く感じる方もいらっしゃると思います。でも41年前の車ですから「普通」の中古車の感覚では語れません。そもそも現存台数が少ないからこそ当企画で取り扱われているワケですし、写真で見るかぎり保管状態はかなり良好な様子。歴代オーナーはオリジナルの雰囲気を崩すことなく、チューニングを施してきたようです。
ああ、それにしてもコックピットのアナログ感。たまりません。「運転している」という気にさせてくれるでしょうし、“街道レーサー”のような雰囲気も良いと思います。写真を眺めているだけでも色んな妄想が楽しめます(笑)。
Text/古賀貴司(自動車王国)
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