ポルシェ 911カレラ2|伊達セレクション
写真上は筆者がスイングトレード的に保有していた「修復歴あり」な空冷ポルシェ 911の同型車。エンジンがあるリアではなくフロント部分の軽微な修復歴であったためか、油温や油圧、超高速域での安定性なども特に問題はなかった。だたもちろん、購入時に何かと慎重な見極めは必要となるが。写真下は筆者が修復歴車の判別に関するAISの講習を受けた際の光景。
AIS検定3級研修|伊達セレクション
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その車の「保有予定時間」によって重視するポイントは変わる

「株式や為替のトレード」とひと口に言っても投資スタイルは様々で、1日単位で売買を済ませる「デイトレード」もあれば、数日単位で売買を繰り返す「スイングトレード」、より長期的視点でトレードする「ポジショントレード」もある。そのなかで、「短期トレーダーの常識」と「中長期トレーダーの常識」は激しく異なる。いや基本的な行為はもちろん同じなのだが、トレードする時間軸により「重視する部分」がずいぶん異なるのだ。

これと似たことは輸入中古車についてもいえる。「その車を所有する(予定の)時間」により、購入時に重視すべきポイントは変わってしかるべきなのだ。

例えば長期の「ポジショントレード」に相当するのは、次回車検までの2年間かそれ以上保有することを見越した中古車購入で、その場合は「仮に多少値が張ったとしても、車としてしっかりとした1台を狙う」というのが得策だろう。中期の「スイングトレード」に相当するのは「とりあえず1年ぐらいは乗りたい」という感じか。この場合は、長期投資よりは若干甘い判断基準でも大勢に影響はないはずだ。

問題は短期の「デイトレード」だ。デイといっても1日単位で中古車を乗り替えるという人はいないはずなので、実際には「数ヵ月から半年ぐらい楽しんで、その後はまた別の銘柄に乗り換える」というケースだろう。

この中古車的デイトレードを行う際に、長期トレード並みの厳格な選び方を適用しても、もちろん構わない。しかし、ある意味開き直って「どうせ数ヵ月の付き合いなんだから、長期投資であれば狙わないはずの条件や車種で、その時の気分や流行に乗ってみる」というのも、この場合はOKといえばOKなのである。

たとえば「修復歴あり」の物件だ。

「デイトレード」のつもりなら修復歴車も怖くない?

車の修復歴というのは1台ごとに事情が違うので、一概にそれが良いとも悪いとも言えない。しかし少なくとも「長期投資」の場合は心理的に二の足を踏んでしまう人は多いだろう。筆者も、そうだ。

だが「デイトレード」であるならば、心理的な負担は少ない。多少のリスクより、その瞬間の乗りたい気分を優先してみても問題ないだろう。修復歴車だからといって別に何事も起こらないかもしれないし、仮に何か問題があったとしても、しょせんは約半年の付き合いである。総合評価R点(修復歴あり)の車はリセール価格が安いが、購入価格も安いので、収支的にトントンといえばトントンでもある。実際、筆者は過去に修復歴ありなポルシェ911の「スイングトレード」を行ったことがあるが、保有期間中、特に気になった点は何もなかった。

下記物件リンクは、カーセンサーEDGEnetに掲載されている100万~300万円の輸入車のなかで「カーセンサー認定」が付いているものを、とりあえずざっくりさらったものである。修復歴なし車も修復歴あり車も含んでいる。

で、リンク先の上のほうに「○○○台ヒット 1~30台を表示」と書いてある部分のすぐ下にある水色のバー。そのバーのなかの右のほう、「修復歴 有|無」と書いてある部分の「有」をポチっとしてみてほしい。するとアラ不思議、前半はすべて修復歴あり物件で固められるのが見て取れるはずだ。

当たり前だが、修復歴車を無理に勧めはしない。ただ、上記の方法で物件リンクを見ていただき、ご自身なりに考えてみていただきたいだけだ。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
「中古車的デイトレード」なら修復歴車も悪くないかも?


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE