▲ボリュームゾーンはまだ100万円超ですが、一部の物件は70万円あたりから探せるようになってきたプジョー 208。お手頃価格の208を探す際のポイントを考えてみます ▲ボリュームゾーンはまだ100万円超ですが、一部の物件は70万円あたりから探せるようになってきたプジョー 208。お手頃価格の208を探す際のポイントを考えてみます

「輸入車入門」にはとりあえず最適な1台

ちょいと小じゃれたフレンチコンパクトであるプジョー 208がかなりお買い得になっています。新車価格は売れ筋グレードがおおむね220万~250万円といったところですが、その中古車は今、「車両価格100万円以下」でも余裕で探せる状況になっているのです。

「国産のコンパクトカーや軽自動車も悪くないけど、できればそろそろヨーロピアンコンパクトってやつに乗り替えたいかも」と考えている人にとって、ここ最近のプジョー 208は「入門用」としてまさにうってつけかもしれません。

ということで以下、「プジョー 208とはそもそもどんな車なのか?」ということと、「その中でもどんな年式、グレードを狙うべきか?」という問題について考えてみたいと思います。

▲そもそもどんなグレードがあって、どのあたりのグレードがお手頃になっているのか、調べてみましょう! ▲そもそもどんなグレードがあって、どのあたりのグレードがお手頃になっているのか、調べてみましょう!

主要グレードのエンジンと変速器は結構移り変わってます

プジョー 208は、12年11月からフランスのプジョー・シトロエンが製造販売しているBセグメント(ホンダ フィットとかフォルクスワーゲン ポロぐらいのクラス)に属するコンパクトカー。様々なグレードがありますが、初期の主要どころは以下のとおりでした。

●プレミアム:4気筒1.6L+4AT(5ドア)
●シエロ:4気筒1.6L+4AT(5ドア)※こちらの方がプレミアムより装備がやや豪華
●アリュール:3気筒1.2L+5MT(3ドア)
●GT:4気筒1.6Lターボ+6MT(3ドア)
●GTi:4気筒1.6Lターボ+6MT(3ドア)

14年1月からはプレミアムとシエロおよびアリュールのパワートレインが3気筒1.2L+5速セミAT(ETG5)に変更されています。そして15年5月には比較的安価な「スタイル」が208台限定で登場。こちらも3気筒1.2L+5速セミATです(※後期型のスタイルはこれとはまたちょっと異なります)。

しかしながら15年10月には再度の変更が行われ、5速セミATの「ETG5」は廃止。代わりに6速タイプの通常のATが採用されました。そして1.2Lの3気筒エンジンも、自然吸気からターボチャージャー付きのものに変更されています。

このあたりの変遷はちょっとややこしいのですが、まぁとにかくプジョー 208のモデルヒストリーは(かなりざっくりですが)このような感じだと思ってください。

▲プジョー 208の3ドアボディ。グレードで言うと「アリュール」「GT」「GTi」が3ドアとなります ▲プジョー 208の3ドアボディ。グレードで言うと「アリュール」「GT」「GTi」が3ドアとなります
▲こちらは5ドアボディ。「プレミアム」「シエロ」「スタイル」がこれに該当します ▲こちらは5ドアボディ。「プレミアム」「シエロ」「スタイル」がこれに該当します
▲プジョー 208のインパネまわりはおおむねこのような感じ。メーター類がステアリングホイールの内側ではなく上部外側にあるので、走行中は視線移動が少なくて済みます。写真は左ハンドルの本国仕様 ▲プジョー 208のインパネまわりはおおむねこのような感じ。メーター類がステアリングホイールの内側ではなく上部外側にあるので、走行中は視線移動が少なくて済みます。写真は左ハンドルの本国仕様

前期4ATモデルは状態次第で普通に選べばOK

前章にてざっくり紹介した主要グレードの中で、現在のところ車両価格100万円以下で狙えるのはおおむね以下のグレードとなります。

●4気筒+4ATの前期プレミアム(5ドア)
●4気筒+4ATの前期シエロ(5ドア)
●3気筒+5MTの前期アリュール(3ドア)
●3気筒+セミATのスタイル(5ドア)
●3気筒+セミATの中期プレミアム(5ドア)
●3気筒+セミATの中期シエロ(5ドア)

車両価格100万円以下に限った場合は、流通の中心を占めるのは前期プレミアム。5ドアの、ちょっとだけ簡素な装備のグレードで、パワートレインはごく普通の4気筒エンジン+オートマです。革新的なメカニズムは特に採用されていませんが、その分だけオーソドックスな良さがあります。これのコンディションの良い物件がもしも見つかれば、そのまま買ってしまっていいと思います。

ATではなくMTを選びたい人は、この価格帯では高出力なGTやGTiはほぼ流通していませんので「前期アリュール」の一択になります。5ドアではなく3ドアである点が特に問題ではなく、なおかつ条件の良い物件が見つかったなら、これも素直に買えばいいでしょう。

▲100万円以下に限らない全価格帯のプジョー 208のうち、5ドア車は全流通量の約83%を占めています ▲100万円以下に限らない全価格帯のプジョー 208のうち、5ドア車は全流通量の約83%を占めています
▲3ドア版の流通量はやや少なめで、特に「GT」や「GTi」は車両価格100万円以下で探すのはまだ難しい状況です。しかしシンプルな5MTが魅力となる前期アリュールをあえて探してみるのも悪くないでしょう ▲3ドア版の流通量はやや少なめで、特に「GT」や「GTi」は車両価格100万円以下で探すのはまだ難しい状況です。しかしシンプルな5MTが魅力となる前期アリュールをあえて探してみるのも悪くないでしょう

中期セミAT搭載車は可能なら一度試乗を

問題は「でも、もうちょっと新しい年式の208が欲しいなぁ」と思った場合です。

そうなると、数は多くありませんが14年式以降の中期プレミアムやシエロ、限定車のスタイルもぼちぼちは流通していますので、それらを選びたくなるかもしれません。やはり中古車を買うなら年式は少しでも新しい方がいい……という考え方はありますからね。

ただしその場合は、契約前に「試乗」してみることをオススメします。中期型に採用されたETG5という5速セミATは、決して悪いものではないのですが、人によってはギクシャク感のようなものを強く感じるかもしれないからです。

このセミATは賛否両論で、人によっては「ギクシャクしてて嫌い!」と言いますし、「そう? ぜんぜん気にならないけど?」という人もいます。どうやら感じ方に個人差があるようなので、必ず試乗して「あなたなりの感じ方」を確認してみてくださいね。試乗したうえで問題ないと思えたなら、問題なしです。

▲中古車というのは販売店にとっては「商品」ですので、ディーラー試乗車のようになんでもかんでも試乗できるわけではありません。しかし可能であれば、販売店と協議のうえちょいと試乗したいところです ▲中古車というのは販売店にとっては「商品」ですので、ディーラー試乗車のようになんでもかんでも試乗できるわけではありません。しかし可能であれば、販売店と協議のうえちょいと試乗したいところです

あとはごく一般的な中古車の選び方を意識するだけで大丈夫です。つまり内外装が極力荒れてなくて、エンジンやエアコン、足回りなどから妙な音や振動が発生していない。そしてそれまでの点検整備内容が記録簿でしっかり確認できるものを選ぶ……というだけのこと。そうすれば、特に壊れやすい類の車ではありませんので、なかなか素敵な毎日が始まることはほぼ間違いありません。

ということで車両価格100万円以下のプジョー 208、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

 

▼検索条件

プジョー 208(現行型)×車両価格100万円以下×修復歴なし
text/編集部
photo/プジョー・シトロエン