日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は15日、同社とクラリオン株式会社(本社:埼玉県さいたま市中央区 社長 川本 英利)が共同で開発した、移動物検知機能(Moving Object Detection:以下MOD) 付きアラウンドビューモニターの技術ライセンスを、日立建機株式会社(本社:東京都文京区 社長 辻本雄一)に供与すると発表しました。これら革新的な技術は、日産自動車が2020年までに実用化を目指している自動運転につながる要素技術でもあります。

アラウンドビューモニターは、クルマの真上から見ているかのような映像によって周囲の状況を知ることで、駐車を容易に行うための運転支援技術です。また、MODは、アラウンドビューモニターの4つのカメラ映像から画像を認識することにより、クルマが止まっている時及び発進する時にカメラが周辺の移動物を検知すると、画面表示と音声でドライバーに知らせる機能です。日産は、2007年にアラウンドビューモニターを、2011年にMOD付アラウンドビューモニターを世界で初めて市販化しました。その後も日産は安全技術の開発を推進しており、現在の自動運転技術の開発にもつながっております。

日立建機は、今回の技術供与を受ける事により、MOD付きアラウンドビューモニター技術を大規模な鉱山採掘現場等で使用される超大型ダンプトラック等の建設機械に搭載し、販売することが可能となります。同技術により、オペレーターは、自車の周囲で動く作業車両等をリアルタイムで把握することが可能となり、運転中の視認性や安全性を飛躍的に向上させることができます。

日産は、自社で開発した技術やノウハウなどを自社での利用のみに留まらず、多くの分野で利用促進する取り組みにより、技術発展に寄与していきたいと考えています。更に、これらの無形資産の有効活用によって得られる収入を、新たな技術開発に投資することで、自社の技術開発力を高めていきます。

自動運転技術は、ドライバーがサポートすることで交通事故の低減を目指す目的に開発が進められております。今回の技術ライセンスの供与もこの活動の一環であり、MOD付きアラウンドビューモニターの技術が、自動車業界のみならず様々な業界の移動機器に搭載されることで、更なる安全性向上に寄与し、社会に貢献をしていきたいと考えています。