ホンダ ヴェゼル |ニューモデル試乗

クーペのような流麗なフォルムを取り入れたエクステリア。アイポイントを一般のセダンより100mm高く設定

スポーツSUVの名に恥じないソリッドな乗り味

ハイブリッドの4WDのバランスの良さは秀逸

試乗したのは17インチホイールが装着されたHYBRID Zとガソリン仕様のX(共にFF)、4WDはHYBRID X Lパッケージの3タイプ。

全てに共通しているのは、シャシーが非常にソリッドでスポーツSUVの名に恥じない性能を持っている点だ。サスペンションはストロークが抑えられ、車体が軽やかに動く設定となっている。

だが、HYBRID Zの17インチ仕様(FF)の乗り味は、しなやかさに乏しく突き上げ感がある。テールゲート周辺に発生する耳障りなバイブレーションも気になった。

本来なら、バッテリーを搭載したハイブリッド車は重量が増え、その分乗り味はしなやかになるはずである。そこがFF仕様のリアに採用された車軸式サスペンションの限界なのかもしれない。

一方、100kgほど車重が軽いガソリン車のX(16インチ仕様)は、サスペンションセッティングが決まっており、コンフォートとスポーツドライビングが両立されていた。HYBRID Xの4WD(17インチ仕様)も非常にバランスが良い。

4WDのみ採用されているド・ディオン式のリアサスペンションは、ホンダが得意としている形式で、しっかりとよく動き、乗り味もFF仕様に比べしっとりとしてバッテリーの重みによるピッチングも感じられない。

4WDの制御はFFベースだが、ツイスティーな道ではリアにも積極的に動力を配分する。4WDらしい安定感のあるハンドリングも実現されていた。

フィーリングが良く、心地良い1.5Lエンジン

ヴェゼルに搭載される1.5Lエンジンは燃費を重視した仕様だがフィーリングが良く、心地良い。特にHVに搭載されるデュアルクラッチは、シフトアップ毎に心地よさを感させてくれる。

このクラスにして唯一のハイブリッドSUVでありしかも本格的なスポーティなハンドリング。売れ筋はHYBRIDのFF仕様であるが、価格的に許されれば、4WD仕様も捨てがたい。

ガソリン車は1.5LエンジンにCVT、ハイブリッド車は1.5Lエンジン+モーターに7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)がそれぞれ組み合わされる

ガソリン車は1.5LエンジンにCVT、ハイブリッド車は1.5Lエンジン+モーターに7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)がそれぞれ組み合わされる

運転席は往年のスポーツカーのようにタイトな包まれ感を演出。電子制御パーキングブレーキなど上級装備も奢られている

運転席は往年のスポーツカーのようにタイトな包まれ感を演出。電子制御パーキングブレーキなど上級装備も奢られている

後席を倒さずにも393Lの容量を確保するラゲージ。後席背面を前倒すればフラットでさらに広い荷室空間が生まれる

後席を倒さずにも393Lの容量を確保するラゲージ。後席背面を前倒すればフラットでさらに広い荷室空間が生まれる

SPECIFICATIONS

グレード G G HYBRID HYBRID X Lパッケージ
駆動方式 FF 4WD FF 4WD
トランスミッション CVT 7AT
全長×全幅×全高(mm) 4295×1770×1605
ホイールベース(mm) 2610
車両重量(kg) 1190 1270 1380
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC 直4DOHC+モーター
総排気量(cc) 1496
最高出力[kW(ps)rpm] 96(131)/6600 97(132)/6600+22(29.5)/1313-2000
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 155(15.8)/4600 156(15.9)/4600+160(16.3)/0-1313
JC08モード燃費(km/L) 20.6 19.0 27.0 21.6
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/40
車両本体価格(万円) 187.0 208.0 219.0 268.0
Tester/松本英雄 Photo/篠原晃一