▲トヨタが「ハイラックス」を13年ぶりに日本市場へ導入。9月12日から発売を開始した ▲トヨタが「ハイラックス」を13年ぶりに日本市場へ導入。9月12日から発売を開始した

ピックアップトラックが国内市場に復活!

トヨタ ハイラックスといえば、世界に名の知れたピックアップトラック。テールゲートに書かれた“TOYOTA”の文字を、海外の映像で目にすることも多い。ピックアップトラックの中ではコンパクトで信頼性も高く、世界各地で多くのオーナーに愛用されてきたモデルだが、日本では、2004年の6代目を最後に導入が打ち切られていた。

そのハイラックスが、13年ぶりに日本に導入されたのだ。

13年の間に、7代目モデルは海外で11年間活躍。そして今回、8代目モデルが、生産国をタイに移し日本へ輸入されることとなったのである。日本では現在でも商用を目的とした旧型オーナーが約9000名いるそうだ。そういった人たちの復活を待ち望む声を聞き、このたびの導入に至ったという。

▲1968年の発売開始以来、約180の国および地域で販売されているハイラックス。累計世界販売台数は約1730万台(2017年7月末時点・トヨタ調べ) ▲1968年の発売開始以来、約180の国および地域で販売されているハイラックス。累計世界販売台数は約1730万台(2017年7月末時点・トヨタ調べ)
▲“TOYOTA”の文字は新型でも健在だ! ▲“TOYOTA”の文字は新型でも健在だ!


私が新車のハイラックスに乗ったのは、実に15年ぶりだった。

当時と大きく違うのは、ATの4WDパートタイム仕様である。パートタイムは国内の4WD市場ではとても貴重な存在だ。

試乗会ではまず、丸太を組んで作られた“山”を走った。走破性の確認だ。登るとタイヤが浮いて片輪が空転するのだが、そのときは、アクセルを必要以上に開けず、ステアリングをしっかりと握って車を信じていれば、確実に進む。アクティブトラクションコントロールでゆっくり、そしてずっしりと前に進んでいく。

対角線の一輪が浮くと、車体はかなりねじれるはずだが、ハイラックスはミシリともしなかった。ラダーフレームとボディの統合性は抜群で、剛性の高いフレームとキャビンを体感できる。急激なトルク変動もない。悪路でもフラットなコントロール性能だ。これは、2.4Lのターボディーゼルエンジンが粘り強い証しだろう。

▲これが丸太の試乗コース。見てのとおり、タイヤが片輪浮いている ▲これが丸太の試乗コース。見てのとおり、タイヤが片輪浮いている


次に、公道試乗へ出た。富士五湖の西湖周辺は湖に沿ったタイトなコーナーから、森林の中のワインディングとストレートが交じった独特なコースだ。

コモンレール式とターボチャージャーの制御は良好で、走行中、過給圧が急に高まってトルクの山が発生するようなことはない。ATのマナーが助けになっていることも付け加えておこう。常にフラットな心地良いフィールだ。

できる限りサスペンションを動かすセッティングは、コーナリング時に程よくロールするが、不安はない。段差での急激な突き上げもなく、アメリカのピックアップらしいソフトな乗り心地だ。

初代ハイラックスから変わらない、乗用車のようなドライビングポジションもとても良かった。5.3mを超える大きなボディではあるが、見切りは良く運転しやすい。視界性が良いのも性能の一つである。

ダッシュパネルは、最近のトヨタデザインを踏襲しつつも程よく隙があり、ピックアップトラックの雰囲気を壊さない。また、エンジン始動時から実感できたが、静粛性も思った以上に良かった。昔のガラガラガラというような音はない。

このハイラックス、森林や作業場で生きるのはもちろんだが、普段使いとしても悪くないだろう。街で乗れば、新鮮なイメージで目を引くことは間違いない。

▲シンプルだが質素すぎず、近年のトヨタらしさも感じるインテリア。ピックアップトラックとしては、かなり上質な域だ。交通事故防止対策の一環として普及啓発している「セーフティ・サポートカー(サポカー)」でもあり、自動ブレーキなどの安全支援装置も充実している ▲シンプルだが質素すぎず、近年のトヨタらしさも感じるインテリア。ピックアップトラックとしては、かなり上質な域だ。交通事故防止対策の一環として普及啓発している「セーフティ・サポートカー(サポカー)」でもあり、自動ブレーキなどの安全支援装置も充実している
▲十分にゆとりのある前席 ▲十分にゆとりのある前席
▲後席シートは6:4分割式。簡単な操作でチップアップでき、乗車人数や荷物に合わせたシートアレンジが可能 ▲後席シートは6:4分割式。簡単な操作でチップアップでき、乗車人数や荷物に合わせたシートアレンジが可能
▲エクステリアは、「タフ&エモーショナル」をコンセプトに、迫力と躍動感を表現。ボディカラーは全5色(写真はネビュラブルーメタリック) ▲エクステリアは、「タフ&エモーショナル」をコンセプトに、迫力と躍動感を表現。ボディカラーは全5色(写真はネビュラブルーメタリック)
▲最大500kgまで積めるデッキスペース。ボディには防錆鋼板を採用し、特に荷台部分にはサビや腐食に強い亜鉛メッキ鋼板を採用するなど、高い防錆性能を確保している ▲最大500kgまで積めるデッキスペース。ボディには防錆鋼板を採用し、特に荷台部分にはサビや腐食に強い亜鉛メッキ鋼板を採用するなど、高い防錆性能を確保している


【SPECIFICATIONS】
■グレード:Z ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4 DOHC ■総排気量:2393cc
■最高出力:110(150)/3400 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:400(40.8)/1600~2000 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:パートタイム 4WD ■トランスミッション:6AT
■全長×全幅×全高:5335 × 1855 × 1800(mm) ■ホイールベース:3085mm
■車両重量:2080kg
■ガソリン種類/容量:軽油/80(L)
■車両価格:374.22万円(税込)

text/松本英雄
photo/篠原晃一