ポルシェ 911カブリオレ ▲都心の住宅地でひときわ目立つ黒い建造物一見すると何かのショップにも見えるが実は、車が大好きな男がついに叶えた夢の住まいだった

きっかけは車好きの担当者との出会い

蔵土さんの愛車との生活は、学生の頃にバイトで貯めたお金で買った銀のスズキ カプチーノから始まった。

就職して赤いトヨタ セリカコンバーチブルを、次いで初めての輸入車となる赤のアルファロメオ 147、赤いポルシェ ボクスター(986型)、マセラティ グランスポーツ、BMW 6シリーズカブリオレというように、年齢に比例して、仕事の責任が重くなるにつれ、所有する車が変わっていった。

同時に「愛車を眺めながらお酒の飲める家を建てたい」という夢を持つようになる。約2年前、車好きの担当者がいたフリーダムアーキテクツデザインと出会ったことでスイッチが入った。

入居の1年前に6シリーズカブリオレを売り、1年間車断ちをしながら、新居に迎え入れるのにふさわしいのは何か? と探し続けた。そして選んだのが、ポルシェ 911(997型)のターボカブリオレだ。

東京・都心部の狭小地。限られた敷地の中で愛車の脇にバーカウンターを備え、LDKにはワンフロアを贅沢に使い、バーベキューが楽しめるバルコニーや大型スクリーン&7.1chオーディオシステム……。

「夢を全部叶えました」と蔵土さんが言える家ができた。「近所で知り合った飲み友達を呼んで、サッカーやラグビーのワールドカップなど、イベントのたびに大型スクリーンの前で応援しています」。

こうした新しい楽しみも増えたが、やはり「ガレージに入れたばかりの、エンジンの熱や排気ガスの残り香を酒のアテに、グラスを傾けるのが極上の幸せ」。夢は叶えるだけでなく、楽しむことでさらに輝くようだ。
 

施主の希望:
女子より男子ウケを狙った内外装がお気に入り

写真:尾形和美 ▲知人のデザイナーにデザインしてもらった“表札(KURADO)”が、ショップらしさを演出している。黒いシャッターはメーカーで建築時廃番だったが、全国の販売店に問い合わせ、倉庫に一つだけ眠っていた在庫を取り寄せることができた。塗装した物と違い、巻き上げによる色ハゲがない

仕事が忙しいので、土地探しから手伝ってもらえるフリーダムさんには大変助かりました。

都心は高さ制限など規制が多く、それをよく理解しないまま買ってしまうと、後で理想の家が建てられない、なんてことがありますから。

ガレージハウスを建てるにあたり、たくさんその手の雑誌は読みましたね。ガレージ内にガラスを張るアイデアはそこからいただきました。全体的に女子より男子ウケを狙った外観と内装です。

建築家のこだわり:
数値以上に広さを感じられるような工夫を施した

写真:尾形和美 ▲広さのポイントとなる階段。光が2階のLDKまで降り注ぐように、階段上にはトップライトが設けられた

都心の狭小地ですが、蔵土さんはガレージはもちろん、バーベキューもできるスペースが欲しいというご要望でした。

そうなると居住部のスペースが限られるので、数値以上に広さを感じられるよう腐心しました。その一例が壁で仕切らない階段です。

鉄骨で吹き抜けにすることで軽快感を出しました。高さ制限も厳しかったのですが、1階フロアをガレージの床に合わせて下げ、室内高も抑えたことで3階建てにできました。
 

ポルシェ 911カブリオレ ▲ガレージとエントランスの仕切りは大きなガラス戸に。ガレージの反対側にガラスを張り、愛車が幾重にも映り込む姿がまた酒の最高のつまみだそう
写真:尾形和美 ▲2階はワンフロアまるごとLDK。コンクリート壁に見えるが実は壁紙だ
写真:尾形和美 ▲バーベキューができるバルコニー。テーブルはDIYで製作した
写真:尾形和美 ▲リビングの壁にあるパタパタ時計は「空港にある大きめのパタパタ時計が欲しい」とDIYで作った物。他にも自作のWiFiマークがあるなど、リビングはどこまでも男のカフェ風に

■主要用途:専用住宅
■構造:木造軸組構法
■敷地面積:62.68㎡
■建築面積:36.43㎡
■延床面積:97.73㎡
■設計・監理:フリーダムアーキテクツデザイン
■TEL:0120-489-175

※カーセンサーEDGE 2020年4月号(2020年2月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています
 

文/籠島康弘、写真/尾形和美