サーブ 900カブリオレ|オンリーワンを探せ

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2014年1月28日に発見したのは「サーブ 900カブリオレ」です。写真をご覧になって「9-3カブリオレでは?」と思った方、鋭いです(笑)。1998年のマイナーチェンジの際に、2代目900シリーズは9-3と改名。だから、ほぼ同じ車。ルックスもほとんど変わりません。

4座オープンという珍しさ、サーブ900というレアさ、そして安い!

900カブリオレは、2代目サーブ900のオープンモデル。初代900のイメージを色濃く反映させた車でした。サーブが1990年にGM傘下に収まったことで、2代目900シリーズのプラットホームはオペル・ベクトラと共有。縦置きだったエンジンはベクトラ同様、横置きエンジンになりました。

初代900はアップデートされ続けたとはいえ、実に15年も生産された長寿モデルです。Aピラーの傾斜がキツい戦闘機を模したフロントウインドウは、多くの人の度肝を抜きました。それに比べると2代目のAピラーは傾斜が緩くなっています。これにより“新しい”印象が与えられましたが、900よりもインパクトは減りました。

しかし、サーブの独特なインパネ周りや、センターコンソールのエンジンスタートキー差し込み、メーターパネルの夜間ブラックアウト機能(戦闘機の名残だとか)などは健在。要は、サーブの“味わい”を引き継いでいるわけです。

もう19年も前の車だと考えると、立派なネオクラシックと言えるでしょう。しかもサーブは、何度も経営危機に見舞われ結局、破綻。今となっては、ブランド展開はイマイチはっきりしません。「中国の自動車メーカーと日本の投資会社が乗用車部門を買収し、電気自動車専用メーカーになるのでは」とか「9-5は引き続き生産される」とか、噂ばかりが流れてきます。

つまり、何が言いたいかというと、「サーブ 900カブリオレはレアだ」ということ。もちろん、原稿執筆時点で1台しかないから当然なんですが、要は“歴史の1ページ”に乗るようなものです。

大人4名が快適、安全に移動できるネオクラシックカーとして楽しめば、相当な差別化となるでしょう。総額72.6万円という価格も魅力的です。4座オープンで、これほどレアな車が、こんな価格で手に入るんです。気軽に楽しんでしまえばいいと思います。実際、4座オープンの非日常感は、たまりませんよ!

Text/古賀貴司(自動車王国)

サーブ独自の安全思想から、センターコンソールのATシフトレバー後方にキーの差し込み口が用意されています

サーブ独自の安全思想から、センターコンソールのATシフトレバー後方にキーの差し込み口が用意されています

本体価格(税込)59.8万円
支払総額(税込)72.6万円
走行距離8.5万km
年式1996(H8)年式
車検
整備
保証
地域愛知