▲欧州車的な乗り味でファンの多いプリメーラの3代目モデル▲欧州車的な乗り味でファンの多いプリメーラの3代目モデル

ありそうでない、ミドルクラスのマニュアル車

運転を楽しむためにマニュアル車に乗りたい! と考える人は少なくないハズ。もはや変速スピードやサーキットのラップタイムでは2ペダル車の方が速い、なんて意見もありますが、速さを求めているわけではなく、自らクラッチペダルを踏んで変速したいだけなのです。

しかし、そこで問題になるのが車種の少なさ。スポーツカーやコンパクトカーなどにはある程度マニュアルの設定もありますが、人も荷物も載せられるミドルクラスのセダンやワゴンにはほとんどマニュアルの設定がないのです。

これではなかなか車種選びで個性を打ち出すことが難しい……と思っていたら、ありましたよ、ちょうどいい車種が!
 

日産 プリメーラ/プリメーラワゴン(3代目)

▲日産デザインヨーロッパが手がけたデザインは今でも斬新▲日産デザインヨーロッパが手がけたデザインは今でも斬新

それがこのプリメーラです! 初代からヨーロッパで特に人気が高かったプリメーラは日本国内でも欧州車的な味付けでコアなファンを獲得していました。

2001年1月に登場した3代目は、イギリス・ロンドンにある日産デザインヨーロッパでデザインされた個性的なエクステリアを持っており、現在でも古さを感じさせません。

デビュー当初はATとCVTのみのラインナップでしたが、2001年8月に可変バルブリフト&タイミング機構である「NEO VVL」を備えたSR20VE型エンジンに6速マニュアルを組み合わせたグレード(20VおよびW20V)を追加設定。

先代のプリメーラなどにも搭載されていたSR20VE型エンジンですが、マニュアルとの組み合わせは3代目プリメーラが初で、そのマニュアルも新開発されたものだったのです。

▲リッター100馬力オーバーの高回転型NAエンジンは今や希少▲リッター100馬力オーバーの高回転型NAエンジンは今や希少

エンジンスペックも旧型よりも引き上げられており、最大出力が150kW(204ps)/7200rpm、最大トルクが206N・m(21.0kg-m)/5200rpmと高回転型。クロスレシオの6速マニュアルを駆使して操るには十分刺激的なスペックとなっていました。

もちろん専用サスペンションの採用やフロントブレーキおよびマスターシリンダーのサイズアップなどにより、制動力を向上させるとともに、しっかりとしたブレーキフィーリングを実現。スポーツグレードとして抑えるべきポイントはキッチリ手が入っているのも好印象ですね。

▲もちろんミドルクラスのセダン/ワゴンとしては必要十分な室内空間▲もちろんミドルクラスのセダン/ワゴンとしては必要十分な室内空間

ボディはプリメーラ初の3ナンバーサイズとなり、ホイールベースも先代よりも80mm延長されているため、ミドルクラスの車種としては常識的な室内空間スペースを備えています。

ワゴンはリアゲートの傾斜が強めのデザインとなっており、ややスペース的には不利ですが、それでも440Lのラゲージ容量を確保しています。

このように今見るとかなり魅力的なパッケージの3代目プリメーラですが、残念ながら初代や2代目ほどのセールスを記録することができず、20VとW20Vは登場から2年もたたない2003年7月に販売が終了。

プリメーラ自体も2005年いっぱいで姿を消してしまいました。そのため、市場ではかなりレアモデルとなっているため、良い個体が見つかったら迷わず購入するのが吉と言えそうです。

text/小鮒康一
photo/カーセンサーnet