カーセンサー編集部・神崎が全くの独断と偏見で選んだ「若者たちに乗ってほしい車」について、ただただ勝手に体当たり取材してくる企画。第一弾はA80スープラです! カーセンサー編集部・神崎が全くの独断と偏見で選んだ「若者たちに乗ってほしい車」について、ただただ勝手に体当たり取材してくる企画。第一弾はA80スープラです!

若きスポーツカー好きを応援したい!

こんにちは! カーセンサー編集部の神崎と申します。

突然ですが、私は常々「若い車好きの人を増やしたい!」と思ってこの仕事をしています。

しかし、ただ単に「車って超いいから買って!」とか「乗ったらわかるからとにかく乗っとけ!」と言っても、なかなか人の心を動かすことはできません。

そこで、まずは私が心から魅力的だと思うモデルについて、どんなところが魅力的なのかお伝えすること。そして、実際に買うとどうなのか、リアルな「今」もしっかりお見せしたうえで、「この車に乗ってみたい!」「見に行ってみたい!」「頑張って買うぞ!」と思ってもらうこと。

そんなことで1人でも多くの若者が車を好きになっている、そんな未来を目指す企画をスタートします!

第1弾となる今回は、新型の登場でさらに注目が集まっている「トヨタ スープラ(80型)」を徹底取材してきました。

【トヨタ スープラ(80型)】数々のライバルとともに一世を風靡したトヨタ スープラ。今でもファンの多い1台です 【トヨタ スープラ(80型)】数々のライバルとともに一世を風靡したトヨタ スープラ。今でもファンの多い1台です

2019年5月に、多くのファンの注目が集まる中で発売となった新型スープラ。歴代モデル伝統の直6エンジン+FRレイアウトのパッケージを採用したことで、多くの人が歓喜の声を上げました。

かくいう私もスポーツカーが大好きで、大変うれしく思いました。今から10数年前……当時19歳で免許取り立てだった頃、いろんなスポーツカーに目を輝かせていたことを思い出します。

お話をお伺いしたのは、スポーツカーを多く取り扱う、GTNET横浜店 店長の石川さん。

A80スープラのような平成初期のスポーツカーから、86などの最新のスポーツカーを取り扱うGTNET横浜店にお邪魔してきました! A80スープラのような平成初期のスポーツカーから、86などの最新のスポーツカーを取り扱うGTNET横浜店にお邪魔してきました!
編集部 神崎
編集部 神崎

石川さん、今日はよろしくお願いします! 展示場にたくさん80スープラが展示されていて、すでにテンションが上がっています!!

GTNET横浜 石川さん
石川さん

よろしくお願いします。来店されるお客さまも、神崎さんのように興奮気味の方が多いですよ(笑)

編集部 神崎
編集部 神崎

やっぱりそうですよね。スープラ目当てで来店される方はどんな人が多いんですか?

石川さん
石川さん

子育てがひと段落した車好きのお父さんや、昔スープラに乗っていた方、そして免許取り立ての若い方もたくさんいらっしゃいますよ。

編集部 神崎
編集部 神崎

若い方も!? 若者の車離れなんていわれていますが、それはうれしいですね! 登場から26年経った今でもたくさんファンがいるのは、それだけ魅力的なモデルだという証しだと思います。

石川さん
石川さん

そうですね。もちろん新型スープラも素晴らしい車だと思いますが、やっぱり80がイイっておっしゃる方、多いですよ。

今も色あせない80スープラの魅力

1993年5月に登場した2代目スープラ(A80型)ですが、先代のA70型のイメージを残しつつも、3ナンバーサイズをフルに生かして、張り詰めた筋肉と骨格を思わせるようなマッチョスタイルが特徴です。

長いフロントノーズには、今は少なくなった大排気量の3L 直6エンジンが収められており、特にターボモデルは当時の自主規制枠いっぱいの280psを発揮、心地よいエグゾーストノートとともに驚異的な加速を見せてくれます。

また、最もスポーティなRZには、ドイツ・ゲトラグ社と共同開発した6速MTが搭載され話題になりました。このミッションは高性能スポーツカーには欠かせない存在で、軽量ながら非常に耐久性が高いことが魅力です。

もちろんこのようにメカ的な部分にも、たくさんの魅力があります。

しかし、スープラの一番の魅力は、なんといっても当時のライバル国産スポーツカーたちと性能を競い合い、ともに世界中に日本車の実力を知らしめたことではないでしょうか。

編集部 神崎
編集部 神崎

でも80スープラって、数年前に比べてだいぶ高くなって若い人の手が届きにくくなっているんじゃないですか?

石川さん
石川さん

スープラは左ハンドル仕様があったので当時のライバルだったR32スカイラインGT-Rほど海外流出せず、急激な値上がりは見られませんでした。ですが、国産のスポーツカーが注目されるとともに、スープラの相場にも影響が出始めました。それがちょうど3年くらい前。徐々に相場が上がり、現在は高値の状態が維持されています。

編集部 神崎
編集部 神崎

たしかに、新車時の価格を超えている物件もザラですよよね……。

石川さん
石川さん

まさに。ですので、今、僕からアドバイスできることはひとつ。「とにかく早く購入する」ということです!

とにかく購入を急いだ方が良い理由

「とにかく早く購入する」べし、と言う石川さん。これはシンプルに「買っていきなさい」と営業をかけられているだけなのかと少々焦ったのですが、そうではありませんでした。

3年くらい前までは、ターボエンジンを搭載したRZかRZ-SのMTの人気が最も高く、ユーザーさんからのニーズが多かったため価格も高かったそうです。

しかし、2019年現在はグレードやミッション関係なく、流通台数も減っており、それが価格にも反映。年式的に古く、カスタムのベースとしても人気があったモデルのため、まともな状態で残り続けている個体は本当に少ない状況とのこと。

今後コンディションが悪い物件の割合は増えても、相場が下がるということはまずないと考えた方が良さそうです。

つまり、「お金を貯めてから……」とか、「良い個体が出てくるまで待つ」といったことを考えている間にも、どんどん良い個体は減っていきます。

そういった背景を踏まえると、ローンを組んででもとにかく早く購入することをオススメしたい! そういったお話でした。

こちらは直近3ヵ月の中古車平均価格と流通量を表したグラフ。台数は減り価格は上がっていることが一目でわかります こちらは直近3ヵ月の中古車平均価格と流通量を表したグラフ。台数は減り価格は上がっていることが一目でわかります
石川さん
石川さん

最大の敵は時間なのです! 買い時はまさに今日! 多くの販売店では、お客さまに合わせてローンについても相談に乗ってくれるはずですので、まずは相談してみてください。

編集部 神崎
編集部 神崎

早く買った方が良いということはわかりました。でも、古めのスポーツカーだと、故障が多くてメンテナンスも大変そうですよね……。買ってからの維持が大変ということはないんですか?

石川さん
石川さん

よく聞かれる質問ですね。私も多くの80スープラを見てきましたが、車自体はすごく丈夫で大きなトラブルはほとんどないですね。しかも、日常のメンテナンスも特別なことは必要なく、普通の車と同じレベルで行えば問題ありません。

ただし、自動車保険! これだけはめちゃくちゃ高い! 私も興味があって、22歳の免許取り立ての人で試算したら、補償内容が手厚いプランですが年間の保険料が50万円を超える見積もりが出て驚きました。

編集部 神崎
編集部 神崎

うぉ!! 中古でもう1台買えそうな金額ですね。

石川さん
石川さん

あくまでもこれは一例で、プランによっては当然もっと安くすることもできますが、他の車に比べて高いということだけは覚えておいた方が良さそうです。

最大のネックは任意自動車保険か……!?

これは盲点だったという人もいるかもしれません。

恐らく、ほとんどの方が加入するであろう任意自動車保険。特に車両保険は、同じ人が契約しても車種によって等級が設定されているため、掛け金が大きく異なります。

スープラは等級が高く、保険料はほぼ最高レベル。車両保険を付与する場合は、あらかじめ覚悟はしておいた方が良さそうです。

一方で日常のメンテナンスは、特別なことは必要なく普通の車と同じレベルで行えば問題ないとのこと。

具体的には各種油脂類や、ベルトをはじめとした消耗品の定期的な交換など。交換用の消耗部品もまだまだ流通しているため、今のところ心配はなさそうです。

車両代はもちろん、メンテナンス費や部品代をイメージして貯める「車貯金」ですが、80スープラの場合は保険料も意識した方がいいかも。

補償内容だけではなくモデルによっても保険料は異なります。スープラは等級が非常に高い部類に入るため、それなりの保険料は覚悟した方が良さそうです 補償内容だけではなくモデルによっても保険料は異なります。スープラは等級が非常に高い部類に入るため、それなりの保険料は覚悟した方が良さそうです
編集部 神崎
編集部 神崎

ところで、こちらのお店には80スープラがたくさん並んでいますね。どれも状態が良さそうで、ファンからしたらヨダレが出てしまいそうです(笑) 。実車確認するときに注意して見た方がよいところってありますか?

石川さん
石川さん

先ほども少しお話ししましたが、スープラはもともと頑丈で、しかもシンプルなつくりの車なので、これといったウイークポイントはないんですよ。ただ、最終型でも約17年経過しているため、あえて言うなら経年劣化が目立つ個体がありますね。

編集部 神崎
編集部 神崎

ウイークポイントがないというのは意外ですね! ずいぶん昔の車でも、しっかりとつくりこまれていた車だということがわかります。経年劣化しやすいのは、具体的にはどんなとこでしょうか?

石川さん
石川さん

ヘッドライトのメッキ部分の剥がれ、内装ダッシュ部分のめくれなどです。特に内装部品はリペア部品の流通量が減っているので、ある程度妥協も必要でしょう。

編集部 神崎
編集部 神崎

これも意外と普通の車と変わらないんですね! なんだか、良い意味でスープラが普通の車に見えてきて、手が届きそうに思えてきました!

ハイパフォーマンスグレードの方が状態が良い可能性大

経年劣化による個体差はあるようですが、グレードによっても少し個体差があるみたいです。

一見ハードに使われていそうな上位グレード(RZやRZ-S)の方が、実は程度が良いものが多いといいます。

なぜならエントリーグレードなどは、新車時の価格も当然安かったため、いろいろな人が手に入れやすく、カスタムベースとして使われることも多かったためだといいます。

逆に上位グレードはそもそも高価で、価格の高騰する時期が早かったため、コレクターの方や投資の対象として所有していたオーナーも多く、程度の良い物件が多く残っているとのこと。

また、スポーツカーゆえにサーキットでバリバリ使われていたという個体は意外と少ないようです。一時期はサーキットでバリバリ走っていた物件も存在しましたが、もしかしたらそういった物件はすでに寿命を迎え廃車になってしまっているのかもしれません……。

ヘッドライトの中のメッキが剥がれることがあります。黄ばみなどは磨けば落ちることもありますが、剥がれの場合には丸ごと交換が必要になってしまうことも ヘッドライトの中のメッキが剥がれることがあります。黄ばみなどは磨けば落ちることもありますが、剥がれの場合には丸ごと交換が必要になってしまうことも
ダッシュボードも経年劣化で剥がれることが多い部分です。リペア用の内装部品も減っていることから、しっかり確認しておきましょう ダッシュボードも経年劣化で剥がれることが多い部分です。リペア用の内装部品も減っていることから、しっかり確認しておきましょう
編集部 神崎
編集部 神崎

最後になりますが、その他80スープラの購入を考えている人にアドバイスはありますか?

石川さん
石川さん

ひとつ大事なことがあります。それは、セキュリティーシステムを装着してほしいということです。入庫した段階ですでに装着されている個体も多いようですが、年々手口が巧妙になっていることや、誤作動したときのキャンセル方法がわからなくなることがあるため、購入時に新調することをオススメします。

編集部 神崎
編集部 神崎

残念ながらスープラをはじめとした国産スポーツカーは、盗難の被害も多いみたいですね。大切な愛車は自分で守らなければ!

すでにセキュリティーシステムが入っている物件もありますが、購入と同時に新たなものを装着した方が良いです すでにセキュリティーシステムが入っている物件もありますが、購入と同時に新たなものを装着した方が良いです
石川さん
石川さん

あとは、80スープラについていろいろと調べてこられる方も多いのですが、どうしても気になることやわからないことがあると思います。そんなときこそ気軽に販売店に足を運んでほしいですね。スープラは名車ゆえに、詳しい人がたくさんいますから。不安を払拭して、ぜひ最高の1台を手に入れてください!

まとめ

◆一番大事なのは決断力! 買い時は今日! 貯金するスピードを相場の上昇が超えます

◆車両保険はなかなかの金額なので覚悟が必要

◆経年劣化は避けられないが、日常メンテナンスは意外と普通

◆購入後のセキュリティは万全に!


今回販売店の方にリアルな話を聞いてきましたが、まさかここまでスープラの購入は急を要するものだとは思っていませんでした。

もしかしたら、一生懸命お金を貯めてから買おうとしている人もいるかもしれませんが、お話しをお伺いした石川さんのように、保険料と合わせて詳しい人に相談してみることをオススメしたいです。

また、古い車なのに意外と普通のメンテナンスでOKというのは意外でした。故障が心配という声は多いですが、これはうれしい誤算ではないでしょうか。

決して無理だと思っていた若い人にも、「スープラ買えそうじゃん!」って思っていただければ幸いです。

文・インタビュー/編集部 神崎洋平、写真/稲葉 真、編集部
店長 石川哲也さん

取材協力

GTNET横浜 店長 石川哲也さん

「GTNET横浜」
楽々120回ローンもご用意しております! 下取り高価査定中!!
住所: 神奈川県横浜市都筑区池辺町1231-1
電話:045-941-8800

神崎洋平

カーセンサー編集部

神崎洋平

小さい頃から車が好きで、中学生のころからカーセンサーを愛読。若者の車離れに一矢報いたいという動機で、2017年にカーセンサー編集部にやってきた。好きな車はセダンとスポーツカーで、現在の愛車はE90型BMW 3シリーズ。趣味はダム観賞で、休日には全国各地のダムへ足を運んでいる。

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