カーセンサーnet上には40万台以上の物件が掲載されている。物件チェックを日課とする筆者が、その中から偶然見つけた「なんだこの中古車は!!」という物件を紹介しよう!

▲今回紹介するのは、1996年式のメルセデス・ベンツ Sクラス。「S600L」という6L V12エンジンを搭載した上位グレードの物件だ ▲今回紹介するのは、1996年式のメルセデス・ベンツ Sクラス。「S600L」という6L V12エンジンを搭載した上位グレードの物件だ

トランクルームには最高級のオーディオ機器が!

あくまでも一般論ではあるが、旧型でグンと相場を下げ、旧々型で底値をつけ、旧々々型にまでなると「ネオ・クラシック」としてなぜか価値が見いだされ始める。

そんな中、筆者が密かに中古車相場上昇を感じながらも、まだ無理すれば“買える”価格帯で今のところ安定しているネオ・クラシック、旧々々型メルセデス・ベンツ Sクラス(W140型)が気になっている。

原稿執筆時点でカーセンサーnet掲載台数は40台。

ちなみに旧型モデルは321台ある。古くなれば古くなるほど廃車処分されたり、海外に輸出されたりと、台数は減っていく。

個人的には後にも先にもW140だけでしか採用されなかった、2重ガラスに萌えてしまう。

2重ガラスは静粛性と断熱効果を見越したものだったが、W140以降のSクラスでは採用されていない……。

エンジンバリエーションは豊富で、最も排気量の小さいもので3.2L 直6から(本国仕様では2.8Lも存在した)圧倒的なパワーを求めるユーザーには6L V12気筒エンジンまでラインナップされていた。

圧倒的な存在感とパワーは、いつの時代も富豪たちに求められるステータスであることに議論の余地はないだろう。

というわけで6L V12気筒エンジンを搭載した「600SEL/S600」を検索してみると、たったの5台しか掲載されていなかった。

中でも個人的に興味を惹かれたのは、後期モデルながら車両本体価格140万円という個体だった。

しかも車両のタイトルには「ナカミチオーディオ」と記されていた。

6L V12気筒モデルのW140としては“安い”部類に入るだろうが、これは恐らく正規輸入車ではなく、並行輸入されたものだからだろう。

詳細写真を見てみると新車時登録から22年落ちながら、内外装の状態はキレイに保たれているように見受けられる。

カーナビが時代を感じさせるが、ここまで古くなると一周回って実用性よりもオブジェとして純粋にカッコいい。

最近はスマホでさえカーナビの役割を担える時代、カーナビが古いことに目くじらを立てる必要もないだろう。

▲20年以上が経過している物件だが、ボディの状態は良さそうに見える ▲20年以上が経過している物件だが、ボディの状態は良さそうに見える
▲内装もきれいで、前オーナーが大切に乗ってきたのだと想像できる ▲内装もきれいで、前オーナーが大切に乗ってきたのだと想像できる
▲さすがに古さを感じるナビだが、それが逆にかっこよく見えてしまう ▲さすがに古さを感じるナビだが、それが逆にかっこよく見えてしまう

そしてトランク写真を見て驚いた。

カー・オーディオにはうとい筆者ではあるが、100台限定で販売されたナカミチ製デジタル・アナログコンバーターの写真に息を飲んだ。

車両のタイトルを見たときは、「ヘッドユニットがナカミチ製なのかなぁ?」なーんて思っていたが……うれしいサプライズではないか。

今はなきかつての国内高級オーディオブランドだけでも、個人的には価値を見いだしてしまう。

W140というだけでネオ・クラシックでありながら当時の最高級品なのに、カー・オーディオも当時の最高級品。

もういっそのこと、90年代ファッションに身を包み、90年代音楽だけ聴いていたい。

▲トランクルームには通常はないオーディオ機器が設置されている ▲トランクルームには通常はないオーディオ機器が設置されている
▲「ナカミチ」のオーディオは、日本でこそあまりメジャーにはならなかったが、海外では非常に評価が高かったという ▲「ナカミチ」のオーディオは、日本でこそあまりメジャーにはならなかったが、海外では非常に評価が高かったという

デートに使おうと、友人と乗ろうと、こだわりあるドライバーとして一目置かれる存在になれるだろう(笑)

中古車は1台として全く同じものは存在しない。今回紹介したSクラスもそうだ。

つまり、この物件を欲しいと思っても手に入れられる人はたった1人、早い者勝ちなのだ!

少しでも気になったら、すぐに在庫の有無をチェックしてみてほしい。

奥が深いぜ、中古車!

text/古賀貴司(自動車王国)
photo/カーセンサーnet