▲都市部には軽自動車同士でもすれ違うのが大変、なんて道が結構ある。でも都市部だからこそ(!?)SUVスタイルのおしゃれな車が欲しいという人も多いのでは? ▲都市部には軽自動車同士でもすれ違うのが大変、なんて道が結構ある。でも都市部だからこそ(!?)SUVスタイルのおしゃれな車が欲しいという人も多いのでは?

トヨタ C-HRよりコンパクトだから街乗りにピッタリ

今やランボルギーニやロールスロースまでが手がけるほど、SUVがトレンドだ。その人気に火が付いたのは、約20年前の北米市場。世界で最も大きなマーケットだけに、各社がこぞってSUVを開発するようになったというわけ。

ところが、広大な土地を走るのが当たり前の北米が主要マーケットだったこともあり、当初は日本車でいえばトヨタ ハリアー、輸入車ならBMW X5のサイズからスタート。

以降そのクラスかそれ以上の大きさが先に作られ、特に日本車ではコンパクトなSUVは後回しになってしまった。

もちろん日本ではそれ以前からコンパクトSUV(クロカン四駆と呼んでいた)はあったのだが、たいていは本格的な4WDシステムをもつタイプで「街乗り中心だから燃費の悪い4WDはちょっとね」という感じだった。

しかし、2010年に2WDが中心の日産 ジュークが登場すると、日本のコンパクトSUVマーケットも一気に活況を呈し、現在ではトヨタ C-HRやホンダ ヴェゼルが絶好調という状況だ。

そう、街乗り派に4WDは不要、それより『トレンドのSUV』という見栄えが大切なのだ。それも道の狭い日本の都市部で暮らすのだから、できるだけコンパクトなサイズがいい。

そんな『見栄えがよく』て『コンパクト』な輸入SUVが、いよいよ新車の軽自動車なみか、それ以下となる総額150万円から選べるようになってきた。

その中から今回はトヨタ C-HRよりもコンパクト(全長4300mm以下)な3台紹介しよう。
 

コベースの208よりも使い勝手がいい
プジョー 2008

▲デビュー時のサイズは全長4160mm×全幅1740mm×全高1550mm。全高が1550mmのため、ほとんどの日本の立体式駐車場にも収められるのもうれしい▲デビュー時のサイズは全長4160mm×全幅1740mm×全高1550mm。全高が1550mmのため、ほとんどの日本の立体式駐車場にも収められるのもうれしい
▲一部グレードに標準、またはオプションで備わる大きなパノラミックガラスルーフ装備車を選べば、コンパクトサイズでも広々とした開放感がある▲一部グレードに標準、またはオプションで備わる大きなパノラミックガラスルーフ装備車を選べば、コンパクトサイズでも広々とした開放感がある

先代にあたる207から若干サイズダウンしたのがプジョー 208。そのSUV版が2008だ。ハッチバックの208より地上高を30mm高い150mmとし(※)、ルーフレールを標準装備するなど、SUVテイストもバッチリ入れている。

※2016年のマイナーチェンジで208の地上高が高くなった(120mmから140mmに)のに伴い、2008も地上高が165mmとなったが、全高は1556mmと6mmアップに収められた。

せっかくサイズダウンした208に対して、わざわざボディの後端を少し延ばしてラゲージ容量を拡大しているのも2008の特徴だ。

またラゲージ床には荷物を滑らして出し入れしやすいようステンレス製レールも装備するなど、ハッチバックよりも遊びに出かけた際の使い勝手が追加されている。

2014年登場時のパワートレインは3気筒1.2Lエンジンに、AT免許で運転できる2ペダルMTの組みあわせ。

ギアが変わる際に少しアクセルを抜いてあげるとスムーズに加速するという、ちょっとクセのあるミッションなので、それが嫌であれば普通の(日本のアイシン製の)6速ATを載せた2016年のマイナーチェンジ以降モデルを選んだ方がいい。

マイナーチェンジ前なら総額150万円以内で、マイナーチェンジ後も総額200万円で十分狙える。

▼検索条件

プジョー 2008(初代)×全国

クラス最大級のラゲージ容量が魅力
ルノー キャプチャー

▲デビュー時のサイズは全長4135mm×全幅1780mm×全高1585mm。特別色やカラーリングにこだわった限定車のルシヨン、カンヌ、ファーストアニバーサリーエディションなどもある▲デビュー時のサイズは全長4135mm×全幅1780mm×全高1585mm。特別色やカラーリングにこだわった限定車のルシヨン、カンヌ、ファーストアニバーサリーエディションなどもある
▲2018年のマイナーチェンジ前までは、上級グレードのインテンスや一部限定車のシート表皮がジッパーで取り外せる。汚れたら外して家の洗濯機で洗えるので便利だ▲2018年のマイナーチェンジ前までは、上級グレードのインテンスや一部限定車のシート表皮がジッパーで取り外せる。汚れたら外して家の洗濯機で洗えるので便利だ

同社のルーテシアをベースにしたSUVがキャプチャーだ。地上高は115mmから185mmと70mmも高くなり、4WDではないもののこれなら悪路を走っても腹を打ちにくい。ちなみに今回の3車の中で最も高い地上高だ。

リアシートは160mmのスライドが可能で、リアシートを一番前まで出せば、ラゲージ容量は455L、一番後ろにしても377Lとクラス最大級の収納力を誇る。

また、上級グレードのインテンスはツートーンルーフやツートーンカラーのシート、さらに特別色が施された限定車がいくつか登場しているので、デザインにこだわるならチェックしておきたい。

パワートレインは、1.2Lターボエンジンに6速AT(デュアルクラッチMT)の組みあわせのみとなる。

プジョー2008と同じ2014年に登場したが、ルノーの知名度が今ひとつのせいか中古車の値落ちが早く、総額150万円でも2017年式・走行距離2万km台が十分狙えるなど割安感があり、狙い目のモデルだ。

▼検索条件

ルノー キャプチャー(初代)×全国

コンパクトSUVのトレンドを作った代表格
フォルクスワーゲン クロスポロ

▲デビュー時のサイズは全長4000mm×全幅1710mm×全高1490mm。ルーフレースは標準装備。最初回転半径は4.9mとこの3台の中で最も小回りが利く▲デビュー時のサイズは全長4000mm×全幅1710mm×全高1490mm。ルーフレースは標準装備。最初回転半径は4.9mとこの3台の中で最も小回りが利く
▲シートは黒と、ボディ色に合わせたカラーのツートーン。本革巻ステアリングやシフトノブなど、ポロの中でも上級グレードの位置付けだ▲シートは黒と、ボディ色に合わせたカラーのツートーン。本革巻ステアリングやシフトノブなど、ポロの中でも上級グレードの位置付けだ

4代目ポロをベースにした、クロスポロが日本デビューしたのは2006年。当時SUVといえば4WDもあるのが当たり前の中で、2WDのみの設定だったが「別に山に登らなくたって、パタゴニアのジャケットはカッコいいからいいじゃん」的なノリで、受け入れられた。

その2代目(5代目ポロがベース)が今回紹介する車だ。先代がベースに対して地上高を20mm高めたのに対し、この車は10mmしか上げていないが、先代よりも乗り心地はしっとりとした。

一方見た目はベース車同様シャープなデザインとなり、シルバーのアンダープロテクター風(プレスリリースでも「風」と書かれているとおり、本気のアンダープロテクターではない)が取り入れられるなど、先代に対して見た目が徹底的に磨かれた。

パワートレインは1.2Lターボエンジンに7速AT(ダブルクラッチMT)を搭載。2015年モデルから30km/h未満で緊急ブレーキが作動する機能も備わった。

ベース車のポロが2018年から6代目となったことに伴い販売が終了したが、いまだに人気が高いため値落ちが進まず、総額150万円で買えるのはマイナーチェンジ前のモデルとなる。

軽自動車の新車なみとなる総額150万円の予算でも、街乗りにピッタリな輸入SUVが手に入る。このクラスはボディカラーも豊富なので、こだわって探してみよう。

▼検索条件

フォルクスワーゲン クロスポロ(5代目ポロベース)×全国
文/ぴえいる、写真/プジョー、ルノー、フォルクスワーゲン、ぴえいる

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。