N-ONE▲丸目のヘッドライトはレトロでポップなイメージがある。車をユルく楽しみたい人にオススメだ(写真はホンダ N-ONE)

先進的なデザインへのアンチテーゼ? 今、クラシカルな雰囲気の車が人気だ!

ここ数年、旧車がブームになっている。

空力性能を高めた流線型デザインと、押し出し感を強くした現代の車とは異なる温かみのある雰囲気が今の時代の空気とマッチしているのが、旧車が流行している大きな要因だろう。

ミニ ▲代表的なモデルのローバーミニ。丸目のヘッドライトにクラシカルなボディラインが特徴的だ

だが、生産から数十年が経過した旧車を維持するというのはそれなりに覚悟も必要だ。そこで注目なのが、当時の雰囲気を現代の車に盛り込んだレトロデザインの車たち。

丸目のヘッドライトや流線型とは異なるボディラインでクラシカルな雰囲気を強調。でも中身は新しいから、普段使いでも安心できる。

そんな気軽にビンテージ感を味わえる現行型5モデルを紹介しよう。
 

 

ホンダ N-ONE(現行型)
N360のイメージを踏襲したレトロモダンな軽自動車

N-ONE ▲先代のイメージを踏襲した、レトロさと新しさが共存するエクステリア

1967年に登場した、ホンダ初の軽乗用車『N360』をモチーフにした初代N-ONEが登場したのは2012年11月。2020年11月に登場した2代目は、ドアやルーフ部などのパネルを初代と同じものを使って初代のイメージを継承しながら、丸・四角・台形といったN-ONEを構成する要素をより際立たせて、初代と同じデザインの方向性ながら新しさを感じさせるデザインを採用した。

一方、インテリアは無駄なものを削ぎ落とすことで、ミニマルで落ち着きのあるデザインに変更。運転席前の異型2眼メーターや最適に配置したステアリングスイッチにより、見やすさと使いやすさが高められている。

N-ONE ▲RSには6MTも設定。オレンジと赤のアクセントがレーシーなイメージ

搭載エンジンはNAとターボを用意。ターボモデルのRSには軽自動車初となる「FFターボ+6MT」も設定。このモデルをベースにした車両でワンメイクレースも行われるほど、走りのスポーティさには定評がある。

先進安全装備パッケージであるHonda SENSINGは全グレードに標準装備。MT車にもアダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムが設定されるなど、先進性が高められたのも特徴だ。

2022年8月のマイナーチェンジでは、レトロさの中にシックなイメージをプラスした「スタイルプラスアーバン」が特別仕様車として登場している。

N-ONE ▲シンプルさを追求した2代目N-ONEのインテリア

そんな2代目N-ONEの中古車は380台ほど流通していて、価格帯は総額120万~250万円となっている。低価格帯だとベーシックな「オリジナル」が中心で、「プレミアム」は総額170万円くらいから見つかるようになる。プレミアムツアラーもプレミアムと同程度の価格帯で探すことが可能だ。

スポーティなRSの中古車は70台ほど流通していて、190万円くらいから見つかるように。70台中、MT車は50台ほど。MT人気はかなり高く、中古車を探すなら最低でも総額200万円の予算を用意したい。
 

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フィアット 500(現行型)
2代目のデザインを現代風にアレンジした3ドアハッチバック

500 ▲『ルパン三世カリオストロの城』で有名な2代目フィアット 500のイメージを現代に蘇らせた現行型フィアット500

2008年3月に日本導入されたフィアット 500(チンクエチェント)は1959年に登場した2代目(ヌオーバ500をオマージュしたハッチバックで、世界中で大ヒットした。ボディタイプは3ドアハッチバックとオープントップモデルの500Cが用意される。

丸いライト、グリルレスのフロントフェイス、ずんぐりとしたボディラインなど、随所に2代目500のエッセンスが取り入れられており、街をトコトコと走る姿を見てホッコリしたことがある人も多いはず。

500 ▲マイナーチェンジでタッチスクリーンオーディオが標準装備に

デビュー時は1.2Lと1.4Lの2タイプが用意され、2011年3月には875cc 2気筒のツインエアエンジン搭載車が追加された。2016年1月のマイナーチェンジでは、LEDデイライトの追加、リアコンビネーションランプのデザイン変更、タッチスクリーン式のオーディオ追加などが施された。

フィアット 500は、年に数回限定車が発売されているのも大きな特徴。特別感のあるボディカラーや個性的なインテリアが与えられたモデルを中古車で探すのも楽しい。

500 ▲2021年3月に500と500Cで計250台限定販売されたミモザ2。内外装の鮮やかなイエローが特徴

500の中古車は1050台ほど流通していて、価格帯は総額30万~330万円。デビューから15年近く経っていることもあり、低年式車はかなり買いやすくなっている。

今どきの装備が備わったものを探すなら、タッチスクリーンオーディオが装備された後期型の中でも、スマートフォンとの連携機能が装備された2018年9月以降のモデルがオススメだ。

この年式だと中古車は200台ほど流通していて、総額170万円から探すことができる。走行距離もまだ3万km以下のものが多いので、長く乗るつもりでも安心できるはずだ。
 

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ミニ ミニ(現行型)
クラシックミニのデザインをブランド化したプレミアムコンパクト

ミニ ▲3代目ミニは、これまでの3ドアハッチバック、コンバーチブルに加え、5ドアハッチバックがラインナップに加わった

2014年4月に登場した現行型ミニ。ミニといえば1959年に登場したクラシックミニをオマージュしたデザインでハッチバックは3ドアだったが、2014年10月には5ドアモデルをラインナップに追加。後席の居住性が高められ、より実用的なモデルとなった。

ボディサイズは初代と2代目が5ナンバーサイズだったのに対し、3代目は全幅が1725mmになり3ナンバーとなった。

ミニ ▲クラシックミニで流行したセンターメーターをオマージュしたディスプレイ

デビュー時のエンジンは1.5L直3ターボと2L直4ターボ、2016年4月には1.5L直3ディーゼルと2L直4ディーゼルがラインナップに加わった。また、トランスミッションは6ATの他に6MTも用意された。2017年12月にはダブルクラッチトランスミッション(DCT)搭載車も設定されている。

2018年5月と2021年5月のマイナーチェンジでエクステリアデザインが変更されている。

ミニ ▲2018年5月のマイナーチェンジで、リアコンビランプにユニオンジャックのモチーフが施された

3代目ミニの中古車は2150台ほど流通していて、価格帯は総額90万~670万円。高価格帯は特別なチューニングが施されたジョン・クーパー・ワークスになる。3ドアと5ドアの比率は半々といったところ。ミニらしいかわいいデザインを楽しみたいなら3ドア、利便性も欲しいなら5ドアがオススメだ。

また、ミニの世界観を存分に楽しみたいならリアコンビランプにユニオンジャックのモチーフが入った2018年5月以降のものに注目。この年式だと中古車は1110台ほど流通していて、総額180万円から探せる。総額220万円までの中古車を見てみても、ベーシックなワンの5ドア、ディーゼルエンジン搭載のクーパー5ドア、ガソリンエンジンのクーパー3ドアなど、様々なグレードが見つかる。いずれも走行距離は5万km以内のものが中心になる。
 

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スズキ アルトラパンLC(現行型)
愛らしさが人気のラパンにクラシカルなイメージをプラス

アルトラパン ▲2022年6月のマイナーチェンジで追加されたアルトラパンLC

高さ制限のある立体駐車場にも入庫可能な全高1550mm未満の軽セダンに、愛らしさをプラスしたアルトラパン。2015年6月に登場した3代目は、女性ユーザーを徹底的に意識し、企画段階から細部にわたり女性視点のかわいらしさ、使いやすさが盛り込まれたモデルになっている。

2022年6月のマイナーチェンジで新設定されたアルトラパンLCは、フロントフェイスを通常のアルトラパンとは異なるデザインにして、クラシカルな雰囲気を盛り込んだモデルだ。

アルトラパン ▲ステアリング中央にあるラパンのロゴはワインレッドにカラーリングされ、インテリアのアクセントになっている

自分の部屋のようにゆったりくつろげる空間がデザインコンセプトとなっているインテリアは、テーブルをモチーフにしたインパネやステアリングに落ち着いた雰囲気のミディアムブランを配色した。

レザー調&ファブリックシートはトラディショナルなイメージのカラーリングになる。

アルトラパン ▲インパネテーブル同様、ブラウンでまとめられたシート。トラディショナルな柄が大人っぽいイメージ

アルトラパンLCはまだデビューして日が浅いが、100台ほどの届出済未使用車が流通している。価格帯は総額150万~220万円。新車価格とほぼ変わらない予算で中古車を探すことができるものの、上級グレードのLC Xで2トーンルーフのものはややプレミア相場になっている印象だ。

ちなみに、アルトラパンLCの新車は納車までにやや時間を要する模様。それを考えれば、同程度の価格帯で狙える届出済未使用車はかなりおいしい存在になるはずだ!
 

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光岡 ビュート(現行型)
ブリティッシュテイストを盛り込んだパイクカー

ビュート ▲ベースとなる4代目マーチの全長が3825mmなのに対し、トランクスペースをもつビュートの全長は4515mmになる

イギリスの高級車メーカー、ジャガーが1956年から1967年まで販売したMk2をモチーフにしたパイクカーで、1993年にデビューした初代は2代目日産 マーチ、2005年に登場した2代目は3代目マーチをベースにしている。

現行型となる2012年登場の3代目は4代目マーチをベースに製作されている。マーチはハッチバックだが、ビュートはリアにトランクスペースを追加しているのが特徴だ。

ビュート ▲クラシカルなイメージを打ち出したインテリア

外観だけでなくインテリアもクラシカルなデザインになっているので、ビンテージ感を楽しみたい人は要注目。パネルカラーは3色用意されたので、中古車選びでは好みの配色を探す楽しみもある。ちなみに、ボディカラーは15色用意される。

搭載エンジンはマーチと同じ1.2L 3気筒。4代目マーチの生産が終了したため、ビュートの新車も在庫のみの販売となり、今後は中古車でしか買えなくなる。

ビュート ▲シートやドアトリムのカラーも外観に合わせたシックなものが選べた

3代目ビュートの中古車は30台ほど流通していて、価格帯は総額210万~380万円。希少性が高いモデルということもあり、中古車相場は高めで推移している。今後は新車が手に入らなくなるため、さらに相場が上昇するかもしれない。「これが欲しい!」という人は早めに購入した方がいいだろう。

ちなみにビュートには、ハッチバックタイプのビュートなでしこというモデルもある。こちらは10台ほどの中古車が流通していて、価格帯は総額150万~250万円だった。
 

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光岡 ビュート/ビュートなでしこ(現行型)× 全国
 

【番外編】ホンダ Honda e(現行型)
ペットのようなかわいらしさがある電気自動車

Honda e ▲シンプルで飽きのこないデザインを採用した

電気自動車は先進的なイメージのデザインのものが多いが、ホンダが2020年10月に発売したHonda eは、先進性の中に懐かしさを感じさせるデザインを採用した。

イグニッションをオンにすると丸いフロントライトが黒いガーニッシュの中に浮かび上がるスタイルは、まるでかわいいペットのよう。リアスタイルも丸をモチーフにしてフロントとの統一感をもたせている。

Honda e ▲5つのスクリーンが並ぶ先進的なインテリア。木目調パネルなども配置され、ぬくもりも感じられるデザインになっている

一方、インテリアは先進性を全面に打ち出したデザインに。それを象徴するのが5つのスクリーンを全面に配置したインパネだ。左右のスクリーンにはサイドミラーの代わりに接地されるカメラが映し出す映像を表示。中央の3つのスクリーンにはメーターやナビの他、様々なアプリを表示できる。配置もドライバーと助手席の人の好みで変えることが可能になっている。

一充電走行距離はWLTCモードで259km。30分の急速充電で約80%まで充電できる。バッテリーには水加熱ヒーターを搭載し、冬場の性能低下が抑えられている。

Honda e ▲充電はボンネットの黒い部分のふたを開けて行う

Honda eの中古車は10台ほど流通。価格帯は総額390万~470万円となっている。

航続距離が短めのシティコミューター的な電気自動車であること、価格も高めであることを考えると購入のハードルは高いが、最新の車をクラシカルな雰囲気で楽しみたいという人なら、こういう選択肢もあるのを覚えておいてほしい。
 

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※記事内の情報は2022年11月7日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/ホンダ、フィアット、ミニ、スズキ、光岡

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL