パンダ | フィアット初の外部委託車
限られたスペースを最大限に活用し、真の実用車を作り出す。この強い意志のもと1979(S54)年に登場したパンダはそのデザインのみならず、企画や開発を巨匠G・ジウジアーロ率いるイタルデザインが全面的に担当したモデルだ。フィアット初の外部委託開発車であった。プロジェクトネーム“ゼロ”としてスタートし、パンダとして世に出たベーシックカーは、ジウジアーロの最高傑作として、イタリア人の最良のアシとして、大成功を収めた。直線のみで構成されたボディパネルやシンプルで機能性の高いインテリアにはいまだにファンが多い。初期モデルは空冷直2 OHVと水冷直4 OHVというエンジンラインナップで、グリルの片側にスリットの入ったオリジナルデザインをまとっていた。1983(S58)年には横置きFF乗用車ベースとしては世界初の4WDモデルとなる4×4が登場。4WDシステムはオーストリアのシュタイア・プフ社と共同開発したパートタイム方式であった。1986(S61)年には新世代直4 SOHCファイアエンジンを搭載。その後もCVTモデルを加えるなど進化を続けた。(1990.2)