▲年式や走行距離にこだわりすぎないことも、おいしい中古車を探すコツのひとつ ▲年式や走行距離にこだわりすぎないことも、おいしい中古車を探すコツのひとつ

中古車をオトクに買うための「年式」活用法

■ポイント1:なるべく低年式車を選ぶ
基本的に、年式の低い車ほど安くなるのが中古車だ。しかし、なぜ低年式が避けられがちなのか、今一度よく考えてみてほしい。

きっと多くの人が低年式ほど走行距離やキズ・汚れが多いと思っているだろう。しかし、これらは前オーナーの使い方で決まるもの。年間1000kmしか走らない人もいれば、2万km走る人もいる。いつも車内をキレイにする人もいれば、一切気にしない人もいる。だから年式だけで走行距離やキズの多さなどは見極められないのだ。

ただし注意したいのは、マイナーチェンジ時期とその内容だ。例えば日産 スカイライン(2006年登場のセダン)は2008年12月のマイナーチェンジで3.5Lが3.7Lエンジンへと変わり、ミッションも5速から7速ATへと進化した。 一方、トヨタ アルファード(2002年登場モデル)の2.4L車は2005年4月のマイナーチェンジで内外装が多少変わったが、基本的にはそのままだ。

そのためマイナーチェンジや一部改良などで、何がどう変わったかを調べた方がいい(カーセンサーnetの「カタログ」で知りたい車の改良遍歴を調べられる)。

■ポイント2:FMC情報をしっかりとチェック
新型が登場すると、それまで乗っていた旧型を手放して新型に乗り換える人が多い。そのため、中古車市場に旧型が増加する傾向にある。 中古車の価格は需要と供給のバランスで決まるのだから、供給が増えれば、必然的にモデル全体の車両価格が下がる。

だから、そろそろ車を買おうと思っているなら、その車のフルモデルチェンジ(FMC)がいつなのかも確認しよう。もしFMC直前のタイミングなのであれば、よほど条件に合う車が見つからない限り、価格が下がる可能性があるだけに待つのが正解だ。

ただし、例外もある。新型車の人気が思ったほど振るわないと、なかなか買い替えが進まない。それどころか「旧型の方がよかった」などと、旧型の中古車価格が高騰した例すらある。

もちろん、それは極端な例だが、少なくともFMC直前なら、しばらく待って中古車相場の動向を見た方がいいだろう。

■ポイント3:デビュー3年後モデルに注目
FMCだけでなく、その車がデビューして3年後、5年後、7年後という時期は、デビューした時に新車を買った人々が、ちょうど車検を前に次の車を購入しようかと検討するタイミング。多くの人が車を買い替えるなら車検を取ってからではなく、車検前に検討するからだ。

しかも、たいていの車はデビュー時期に最も売れる。つまり、他の年より中古車台数が増える可能性が高くなる。そのため中古車価格の下落が期待できるのだ。 だからこそ、欲しい車がいつデビューして何年目なのか把握しておきたい。
 

走行距離5万km以上がお買い得?

基本的に、走行距離が多い車ほど人気が低くなり、中古車価格は安くなる。ただし、キレイに右肩下がりというわけではない。

消費者の心理は不思議なもので、4万2000kmと4万7000kmなら後者で我慢できる人でも、4万7000kmと5万2000kmだと前者を選びたくない人が多いだろう。どちらも同じ5000kmの違いなのにだ。 実際、買取店では5万kmを超えるかどうかで買取額に差が出やすい。当然、それが後の中古車の販売価格に反映されるというわけだ。

しかし、4万2000km、4万7000km、5万2000kmという走行距離だけを見て、いったい誰が、「程度」はどれくらい違うと答えられるだろう。

定期的な点検整備が行われた5万2000kmの車と、一度もエンジンオイルが替えられていない4万2000kmの車とでは、5万2000kmの方が調子が良いかもしれない。一度もエンジンオイルを替えていないオーナーなら、扱い方も乱暴だったかもしれないし、そうであれば内装も汚れているかもしれない。

つまり、走行距離で「程度」を推し量るのは難しいのだ。 だとすれば、5万kmを超えると安くなるのだから、これはお買い得だと思える人も多いはず。

同様に、10万kmでまた一段階、下がり方が変わる。21世紀に入ってもう随分たった。車は著しく進歩している。10万kmを超えたからというだけで故障する車はほとんどないと言えるだろう。

それよりも、どんな扱いを受けてきたのかで、車のその後の寿命が変わる。走行距離より、安さより、まずは整備点検記録簿などでメンテナンス状況を、さらには実車を見て内外装の傷み具合を確認するようにしよう。

そのうえで、5万kmや10万kmを超えたというだけで安いのであれば、お買い得だ。
 

text/カーセンサー編集部