バッテリーあがりの対処方法 ▲さ~て、たくさん買い物したし、そろそろ帰ろうかな~……って、アレッ? 私の車、ヘッドライトがついたまま!? エ、エンジンがかからなーい!! ……こんなふうに不意に起こってしまう車の「バッテリー上がり」について対処法をまとめました

バッテリー上がりの対処法は4つ!

車のトラブル堂々の第1位は…バッテリー上がり!(※2018年4月1日~2019年3月31日 JAFロードサービス救援データより)

バッテリーが上がってしまうと、セルモーター(エンジンを始動させるモーター)が回らず、車が動かなくなってしまいます。

そんな緊急時に、ドライバーはどうすればいいのか? 対処法をまとめました。

【その1】ロードサービスを呼ぶ

必要条件
・JAFや自動車保険やクレジットカードに付帯したロードサービスに加入している
・JAF会員証を不携帯またはJAF会員に加入していない場合でも、一般道路だと約10,000~15,000円・高速道路だと約10,000~30,000円の料金をカードか現金で払えば可

注意点
・サービスに加入していないと有料になってしまうこと
・待ち時間がかかること

JAFや自動車保険付帯のロードサービスに加入しているなら、一番確実な方法ですね。なにせプロですから、バッテリーの状態を見ながら確実な方法でエンジン始動を試みてくれます。最近はプロもジャンプスターターを使うのが主流みたい。難点としてはサービスに加入していないと有料になってしまうこと&待ち時間がかかること。時間に余裕があるなら、どんどん利用しましょう。

【その2】ジャンプスターターを使う(手順は後述)

必要条件
・ジャンプスターターを持っているまたは準備できる

注意点
・手順に注意が必要

持ち運べるタイプのジャンプスターターも一般的になってきました。これなら他車に助けを求めなくてもOK。難点はジャンプスターターの購入費用と、常に充電しておかなければ持っていても意味がないことでしょう。

【その3】ブースターケーブルで他車に救援を求める(手順は後述)

必要条件
・ブースターケーブルを持っている、または準備できる
・救援者を見つけることができる

注意点
・ハイブリッドやPHEV、電気自動車は救援車にできない(理由は後述)
・手順に注意が必要


友達の車と一緒のときや、他の車がたくさんある駐車場などでは有効な方法。ブースターケーブルを持っていて、正しい手順さえ知っていれば手っ取り早い方法です。難点はブースターケーブルが必要なこと、そしてリスクを伴うこと。

【その4】バッテリーを新品に交換する

必要条件
・原因がバッテリーの寿命である

注意点
・オルタネーターが故障している場合には、新品に交換してもすぐにバッテリーがダメになってしまう

前回のバッテリー購入から数年たっていて、寿命を迎えていることが明らかなときは新品に交換しちゃうのも手です。ただ、オルタネーター(発電機)がダメになっているときはバッテリーを交換してもエンジンがかかりません。もしかかっても、またすぐに上がってしまい、バッテリーの寿命を縮めてしまいます。購入するかどうかの判断は慎重に。

他にMT車の場合は「押しがけ」という手段もありますが、条件が限定されるので、あまりオススメできません。この記事では、

【その2】ジャンプスターターを使う
【その3】ブースターケーブルで他車に救援を求める

の方法について、手順を解説します。

対処方法【その2】ジャンプスターターを使う

昔は「予備の鉛バッテリーを荷室に積んでいる」なんて強者もいたけど、最近は便利な時代になりました。いざというときにジャンプ(バッテリーからバッテリーに電力を供給して救援する方法)でエンジン始動できる、モバイル型バッテリーがあるのです。

これならブースターケーブルで他車に救援してもらわなくても、自力で問題解決できちゃいます。車のバッテリーだけじゃなく、スマホなどにも充電できたりして便利。

手順は説明書に記載があるので、しっかり確認して利用してください。

※自車のバッテリーサイズに見合った最大電流値のものを選びましょう!

YABER ジャンプスターター 12V車用12000mAh▲あらかじめ充電しておけば、バッテリーにつなぐだけでセルモーターを駆動できるジャンプスターター。(今回はYABER ジャンプスターター 12V車用12000mAhを使用)
ジャンプスターター▲いざというときのために、ジャンプスターターは常に満充電にしておこう。バッテリーレベルはインジケーターで確認できる

【使い方】
①ジャンプスターター本体にワニ口クリップの付いたケーブルを接続(プラスとマイナスを差し込み間違えないよう、端子の形状が工夫されています)
②赤いクリップをバッテリーのプラス端子に、黒いクリップをマイナス端子につなぎ、セルモーターを回してエンジンを始動する

ジャンプスターター①ジャンプスターター本体にケーブルを接続
ジャンプスターター②赤いクリップ=プラス端子、黒いクリップ=マイナス端子。つなぐ手順は、後述する【他車に救援を求める】際も同様

対処方法【その3】ブースターケーブルで他車に救援を求める

ロードサービスが到着するまで待ってられなかったり、保険付帯サービスの場合だと無料での利用回数制限があったり……そんなとき、ブースターケーブルを持っていると安心なものです。

ブースターケーブルとは、故障車と救援車のバッテリーをつなぐためのもの。

自力でセルモーターを回せないときに救援車の助けを借りてひとまずエンジンをかけ、発電機を駆動して故障車のバッテリーを充電するために使います。

バッテリー同士をジャンプ(バッテリーからバッテリーに電力を供給して救援する方法)させることから、「ジャンプコード」と呼んだりもします。

ブースターケーブル▲ブースターケーブルはバッテリーのサイズに見合ったものを選びましょう。乗用車なら許容電流値100A程度のものを選んでおけばOK

【使い方】
※接続方法を間違えると、スパークや感電の危険もある行為。間違えないように細心の注意を!

①三角表示板を出す

▲路上でバッテリーが上がってしまった場合は、三角表示板を出すのを忘れずに▲路上でバッテリーが上がってしまった場合は、三角表示板を出すのを忘れずに

②救援車に助けを求める!

バッテリージャンプするのに最も高いハードルがコレ! だって見ず知らずの人に声かけなきゃならないんだもの。友達の車が近くにあったりしたらラッキーです。

ここで注意すべきポイント!

救援車は自分の車と同じ電圧のものじゃないといけません。一般的な乗用車はほとんどが12Vだから問題ないけど、トラックや古いタイプの四駆では24Vもあったりします。

それとハイブリッド車、EV車に救援を求めるのはNG!(理由は後述)。

自車よりバッテリーサイズが小さい軽自動車なども、相手のバッテリーに負担を掛けちゃうから避けましょう。

▲故障していることが一目で分かるように、ボンネットを開けておくのがポイント。怪しい人じゃありませんアピールが大切?▲故障していることが一目で分かるように、ボンネットを開けておくのがポイント。怪しい人じゃありませんアピールが大切?

③バッテリーの位置を確かめ、車を止める

自車と救援車のバッテリー搭載位置を確認し、ブースターケーブルが届く場所に救援車を誘導して、止めてもらう。これも大事なポイントね。

ちょうど良い位置に車を停止させたら、いったんエンジンを止めましょう。

▲今回の場合は自車も救援車もバッテリー搭載位置は向かって右側
▲今回の場合は自車も救援車もバッテリー搭載位置は向かって右側
▲2台を並行に停めちゃうとケーブルが届かないので、スレ違う感じで停める▲2台を並行に停車させちゃうとケーブルが届かないので、スレ違う感じで止める

④ケーブルをつなぐ

いよいよブースターケーブルをつなぎます。バッテリージャンプはつなぐ順番が何より大切!

1.ケーブルの先にある赤いワニ口クリップを自車のバッテリー・プラス端子に留める
2.ケーブルの反対側の赤いクリップを救援車のプラス端子に留める
3.黒いワニ口クリップを救援車のマイナス端子に留める
4.自車のエンジンルーム内金属部分、もしくはバッテリーのマイナス端子に反対側の黒いクリップをつなぐ


※赤いクリップをプラス(自車)→プラス(救援車)→黒いクリップをマイナス(救援車)→マイナス(自車)が正しい順番です。

赤プラプラ、黒マイマイと覚えましょう。

▲赤いケーブルはプラス、黒いケーブルはマイナスにつなぐのがセオリー▲赤いケーブルはプラス、黒いケーブルはマイナスにつなぐのがセオリー
▲バッテリーのプラス端子にはカバーが付いていることが多いので、開けてから端子の金属部分に直接ワニ口クリップを挟む▲バッテリーのプラス端子にはカバーが付いていることが多いので、開けてから端子の金属部分に直接ワニ口クリップを挟む
▲救援車のバッテリー・マイナス端子に黒いクリップを挟む▲救援車のバッテリー・マイナス端子に黒いクリップを挟む
▲最後に自車のバッテリー・マイナス端子に黒いクリップをつなぐ▲最後に自車のバッテリー・マイナス端子に黒いクリップをつなぐ

最後につなぐ黒いクリップは本来、バッテリーから放出されるガスへの引火やクリップ同士がショートするのを防ぐため、エンジンハンガーなどボディアース部分につなぐのがセオリーとされています。

だけど最近の車は金属露出部分が少ないから、ボディアース部分を見つけるのが困難。その場合はバッテリー・マイナス端子に直接つないでも特に問題ありません。

ジャンプはバッテリー同士を並列につないでいるということになります。

この順番はショートする危険を防ぐためで、もしプラスとマイナスを間違えて直列につないじゃうと……大電流が流れて盛大にスパークし、ケーブルが溶けちゃうこともあるので十分に注意しましょう。

※ケーブルをつないでいる途中でクリップがバッテリー端子やボディに触れただけでもショートしてしまうので、クリップの取り扱いは注意!

⑤エンジンをかける

エンジンをかける順番は、まず救援車から。

このとき、アクセルペダルを少しだけ踏んで、エンジン回転数を高めに保っておくと良いでしょう。

次に自車のセルモーターをスタート。これでエンジンがかかれば、ひとまず安心です。

▲まず救援車のエンジンをかけ、回転を少し上げてからバッテリーが上がっている車のイグニッションを回す。数回チャレンジして始動できなければ他のトラブルが考えられるので潔く諦めよう▲まず救援車のエンジンをかけ、回転を少し上げてからバッテリーが上がっている車のイグニッションを回す。数回チャレンジして始動できなければ他のトラブルが考えられるので潔く諦めよう

⑥ケーブルを外して終了

エンジンが無事かかったら、つないだときと逆の順番でケーブルを外します。

バッテリーには充電されていないから、まだエンジンを止めちゃダメよ。そのまま数十分はかけたままにしておきましょう。

以上がバッテリージャンプの手順です。以下、JAFの動画も参考に。

▲もしもの時は・・・JAFが教えるバッテリーのつなぎ方(jafchannelより〉

大抵はこれでエンジンがかかりますが、いったん弱ってしまったバッテリーは復活するのに時間がかかるもの。できればジャンプの後、1時間くらいドライブして充電しておきたいところです。

この方法でかからなければ、バッテリー自体が完全に使えなくなった、あるいはオルタネーター(発電機)が故障している可能性があります。観念してレッカーを呼ぶしかありません。

エンジンがかかった場合もバッテリーが弱っている可能性があるので、念のため整備工場などで点検してもらうと安心です。

ハイブリッドやPHEV、電気自動車は救援車にできない?

▲トヨタ アクア▲ハイブリッド車は他車から電気をもらってもOKだけど、救援してあげるのは厳禁

プリウスやアクアなどのコンパクトカーだけでなく、セダン、ミニバンにもハイブリッド車が増えましたね。ハイブリッド車もEVも、駆動用バッテリーとは別に12Vの補機用バッテリーを持っています。

でも、これら駆動用電気モーターを持つ車では、バッテリーの上がった車を救援できない……って知ってました?

これは電気系統の仕組みがガソリン車・ディーゼル車とハイブリッド車では異なるためで、ジャンプ時に一瞬発生する大電流によって故障してしまう可能性があるからだそう。

自車がバッテリー上がりを起こしても、ハイブリッド車やEVには助けを求めないよう気をつけましょう。

※「ハイブリッド車でガソリン車を救援する」のはNGだけど、「ガソリン車がハイブリッド車を救援する」のはOK!

正しい知識でトラブルをスマートに解決

バッテリー上がりは車に乗っている人なら誰しも経験しそうなトラブル。備えておいてソンはありません。

何度も言いますが、ジャンプスタートは手順を間違えてしまうと感電などの危険もある行為です。くれぐれも注意して行ってください。

自信のない人は、JAFやロードサービスにあらかじめ加入しておくこと。未加入の場合も、無理はせず、速やかに救援をお願いしましょう。

文/田端邦彦、写真/photo AC、田端邦彦、トヨタ

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。