【シティーハンター】主人公 冴羽リョウの愛車「ローバーミニ」のモデル概要&オススメの買い方を徹底解説!
2025/10/29
▲漫画『シティーハンター』の原作ファンだけでなく、カーセンサーコラボテレビCMを見て「赤いミニクーパー」のことが気になった人もいるのでは? この機会に、「往年のミニクーパー」の買い方について解説いたします!冴羽リョウの愛車「ミニクーパー」は今でも買えるのか?
現在、ともに40年間にわたり愛され続けてきた「車探しに応えるカーセンサー」と「依頼に応えるシティーハンター」の“同世代コラボ”が実施されています。
シティーハンターの主人公「冴羽リョウ*」の愛車であるローバー ミニについては、本作のファンだけでなく、コラボCMを見た方も「どんな車なのか?」と気になっているかもしれません。(※リョウの漢字は、けものへんに「僚」のつくり)
厳密に言うのであれば、作中で冴羽リョウが愛用している赤いミニは1960年代の「モーリス ミニ クーパー1275S MK-I」というモデルで、現在流通している「ローバー ミニ」とは細部などが異なります。
とはいえ、今やモーリス ミニ クーパー1275S MK-Iはほぼ流通していませんし、ミニという車は、デザインの基本的な部分はまったく変えないまま2000年まで製造販売された長寿モデルであるため、モーリス ミニ クーパー1275S MK-Iであることにさえこだわらなければ、「冴羽リョウ」の愛車とほぼ同じカタチ、同じ色の物件を手にいれることができるのです。
ということで、この記事ではローバー ミニのモデル概要を振り返るとともに、直近の中古車状況とオススメの狙い方を解説してまいります!
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ローバー ミニ(初代) × 全国モデル概要①:冴羽リョウが乗っているミニクーパーの歴史は?
まずはミニという車の概要を簡単におさらいしておきましょう。
ミニは1959年、当時英国最大の自動車メーカーだったBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が発売した傑作小型車。
当時はまだ珍しかったFF方式(フロントにエンジンを置き、フロントタイヤを駆動させる方式)をいち早く採用しするとともに、機械類のスペースは最小になるように工夫したことで、小さなボディであるにもかかわらず、居住空間は見た目から想像する以上に広大です。
▲こちらが「ミニクーパー」という呼ばれ方をする場合が多いローバー ミニ
▲機械類を車両前方にコンパクトにまとめているため、かなり小さな車ではあるが、車内はけっこう広いそして一般的な金属バネの代わりに円すい型のゴムを使ったラバーコーンサスペンションを採用したことによって実現したゴーカートのような操縦感覚も、今なお世界中のファンや「冴羽リョウ」をトリコにしている要素のひとつだといえます。
▲カーブを曲がる際は車体が左右にあまり傾かず、まるでゴーカートかミズスマシのような(?)動きをするのがミニの特徴。その感覚は「ゴーカートフィーリング」として、現代のBMW製ミニにも受け継がれている1959年に発売された当初は「オースチン」および「モーリス」というブランド名を名乗っていたミニですが、BMCが合併したり破産寸前になるなどいろいろあって、最終的には1989年以降、英国ローバー社の「ローバー ミニ」として販売されるようになりました。
そしてシティーハンターの作中で「冴羽リョウ」が乗っている赤いミニは、1960年代の初期型モーリス ミニを基に作画されているわけですが、「モーリス ミニ」や「オースチン ミニ」は今やかなり高額なマニア御用達クラシックカーとなっていて、一般的にはほぼ流通していません。
▲こちらが1960年代のモーリス ミニ。今やその中古車はごく一部でしか流通しない「希少クラシックカー」的な存在で、中古車価格もかなり高額モデル概要②:今でも普通に買える「ローバー ミニ」とは?
2025年の今、実際に中古車として狙えるのは「ローバー ミニ」と名乗るようになった1989年以降のモデルです。
▲英国のローバーブランドとなった1990年代のローバー ミニローバー ミニが搭載するエンジンの排気量は1.3Lで、方式的には直列4気筒の「OHV」というちょっと古典的なもの。当初は「キャブレター」という古い世代の燃料供給装置を使っていましたが、1992年6月からは「インジェクション」という、現代の車とほぼ同じ燃料供給装置に変わっています。
1997年にはマイナーチェンジが行われ、各部のデザインを微妙に変更するとともに、エアバッグとクーラーも採用。そしてエンジンのイグニッションコイル(点火コイル)などもいろいろ変更されました。この1997年から2000年に終売になるまでのミニが俗に「最終型」と呼ばれる世代で、一般的には最も人気が高く、また最もオススメできる世代です。
▲1997年以降の最終型ローバー ミニ。写真のグレードは「クーパー」グレードは、最終型に限って言えばベーシックな「メイフェア」とスポーティな「クーパー」、そしてラグジュアリーな「ケンジントン」に分かれます。またその他、様々な限定車も発売されました。
ミニが開発された当初は「クーパーが高出力エンジンを積み、それ以外は比較的低出力なエンジンを積む」という差別化がされていましたが、97年式以降の最終型はいずれのエンジンも出力は同じで、4速MT車は最高出力62ps、4速AT車は53psのタイプが搭載されています。
中古車状況:直近の平均支払総額が微増。価格安定の今が買い時か
ローバー ミニの中古車支払総額は直近は「おおむね横ばい」といえる動きで推移していました。
しかし、中古車平均支払総額は232.5万円と前月比で14.1万円とわずかに上昇。一瞬テレビCMの効果を疑ってしまいましたが、中古車市場においてこの程度の上昇は一般的です。
▲2024年10月から2025年9月までの中古車平均支払総額そして中古車の流通量は、昨年および一昨年からさほど大きな増減はなくおおむね横ばい。しかし、長期的な目で見ると「少しずつ減少気味」といったトレンドで推移しています。
当然ながらローバー ミニはもう二度と(よほどのことがない限り)新車として再生産されることはない車であるため、中古車の流通量は今後、基本的には減少傾向をたどると考えられます。そしてミニというのは、いくら年月がたっても世界中に多数の固定ファンがい続ける車種であるため、流通量が今以上に減少してしまった場合、中古車の平均価格は世界的に急騰してしまう可能性もあります。
そのため、決して無理に急かすわけではないのですが、もしもローバー ミニを買うのであれば「価格がある程度安定している今のうちに探し始めた方が断然いい」と言うことはできるでしょう。
中古車のオススメ:普通に乗るなら1997年以降の最終型が一番ラク
かなりディープなカーマニアであれば、それこそ「冴羽リョウ」が作中で乗っているような古い世代のミニを探してみるのも一興ですが、1992年以前の「キャブレター方式」を採用していたミニはあまりオススメはできません。
古い車に慣れている人はさておき、不慣れな人がキャブ車に乗ると、様々な調整作業を「めんどくさい」と感じたり、点火プラグをガソリンで湿らせてしまう「プラグかぶり」という現象を起こし、エンジンがかからなくなってしまう事態が発生するかもしれないのです。
そのため一般的には、やはり1992年6月以降のインジェクション車に的を絞り、その中でも特に1997年4月以降の最終型、つまりクーラーとエアバッグが装着され、その他にも様々な改善が施された世代に絞って探すのが、基本的には得策となるでしょう。
▲こちらが1997年以降の最終型。1999年9月に「クーパー 40th アニバーサリー リミテッド」が輸入され、2000年10月には生産ラインが閉鎖された最終型であっても、さすがに現代の車と違ってそれなりに気を使わなければならない部分はありますが、それでも、ある程度はフツーに維持することが可能です。
そして2025年10月上旬現在、1997年式以降の最終型は総額100万~540万円付近の価格帯で180台ほどが流通しています。そんな約180台の中から「これぞ!」という1台を見つけるための具体的なチェックポイントを次章、ご紹介いたします。
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ローバー ミニ(初代) × 1997年以降購入チェックポイント:ヒストリー(整備履歴)を重視しながら複数台の細部を見比べる
ローバー ミニは、日本だけでなく世界中で愛され続けている車であるため、今でも様々なサードパーティから、様々な部品が供給され続けています。そのため「部品がないから直せない」みたいな事態は起きにくい車です。そして構造的にも比較的シンプルであるため、「整備しやすい車である」とも言えます。
しかし、さすがに古い車であることは確かであるため、購入時は主に以下の各点をチェックし、問題ないかどうかを確認する必要があります。
ローバー ミニは、最終型であっても往年のミニと同じ「センターメーター」に交換されている物件が多く、その場合は正確な走行距離を把握しにくい。そのため購入時は検討対象を「過去の整備記録が追える車両」に絞り、毎年の点検や車検の記録簿に記載された走行距離と、現在のメーターが表示している距離との整合性を確認するようにする。
▲比較的高年式な物件でも「往年風のメーター」に交換されている場合が多いのがミニの特徴。そのためメーター上の数字だけでは実際の走行距離が把握できない場合も多い必ずサビが発生するわけではないが、ルーフの溝や前後バンパーの取り付け部、左右ドアの最下部あたりに水がたまってボディにサビが生じている物件は、その内部の方も腐食が進んでいる可能性が高い。
これを判別しやすいのは「ドア部分」。抜けていくはずの雨水が詰まってしまい、ドアの最下部あたりにサビが発生している物件は、ステップの内部も腐っている可能性が高いと考えられる。
▲雨水の通り道となる「ルーフの溝」にサビは出ていないか?
▲ドアの最下部付近も水がたまりやすいポイントであるため、サビが発生している場合がある純正シートの場合は、座面と背面のヘタり具合と表面の劣化具合を確認する。また車内全体のにおいも確認し、特にカビくさい場合は、どこかから雨漏れが発生し、長い年月で車内にカビを発生させている可能性があると考える。
▲写真の物件は何ら問題なかったが、「車内のカビくささ」や「シートの過剰なヘタリ」の有無はしっかり確認したい走行距離の多寡やボディ(外板)の見た目だけで判断するのではなく、ヒストリー(整備履歴)がしっかりしている個体を選ぶことが重要。きちんと整備されてきたミニと、まったく整備されずにきたミニでは、その後のランニングコストは何倍も変わってくる。
そして前述したとおりパーツは今でも豊富に流通しているが、古い車ゆえに、部品交換を行う際には「全体のバランス調整や味付け」といったノウハウも必要になる。そのため、まずは「スキルとノウハウの蓄積がある専門店を見つけること」が、ローバー ミニを手に入れるうえでは最も重要なポイントとなる。
▲「餅は餅屋」というニュアンスで、ミニに関する十分な経験とノウハウを有している専門店に頼るのが、結局は近道であるといえる……とまあ、古い車ゆえに多少難しい部分もあるのは確かですが、しっかりした専門店でしっかりとした最終型を入手しさえすれば 、そこまでややこしいことにはならないのがローバー ミニという車です。
ぜひとも、シティーハンターの冴羽リョウと同じ「赤いミニクーパー」にするかどうかはさておき、いい感じのボディカラーをまとったローバー ミニを探し出してみてください!
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ローバー ミニ(初代)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
【関連リンク】
この記事で紹介している物件
ローバー
ミニ クーパー1.3 6Jオーバーフェンダー 10インチウルトラライトホイール フロントスポイラー ビルシュタインショック HILOキット ワンオーナー ステンレスセンター出しマフラー CD メッキミラー
本体価格235.5万円
支払総額249.3万円
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