▲カリーナEDは同時期のセリカのプラットホームを流用した4ドアクーペです ▲カリーナEDは同時期のセリカのプラットホームを流用した4ドアクーペです

ワイド&ロースタイルのスポーティデザインで大ヒット

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2014年8月6日に発見したのは「トヨタ カリーナED」です。EDは、Exciting(エキサイティング)とDressy(ドレッシィ)の頭文字です。

カリーナEDは同時期のセリカのプラットホームを流用。Bピラーが屋根につながっていない、4ドアハードトップボディで登場しました。なお、4ドアハードトップはトヨタ初の試みでした。

スポーツカーで頻繁に採用される、全幅を広く車高を低くする「ワイド&ロー」というデザインの“方程式”が採用されていて、当時はとにかく斬新な存在でした。最近でこそ欧州の高級車ブランドがこぞって「4ドアクーペ」なるものを投入していますが、カリーナEDは約30年前に時代を先取りしていたわけです。

カリーナセダンより55mm背が低く、セリカより15mm背が高かったんです。4ドアセダンと比較しグッと全高が抑えられていて、そこそこのボディ幅でもワイド感たっぷり。路面を這っているような印象を与えてくれます。

▲リアウインドウはすべてが下がるわけではありませんが、Bピラーレスのおかげでかなりの開放感を味わえます ▲リアウインドウはすべてが下がるわけではありませんが、Bピラーレスのおかげでかなりの開放感を味わえます

カリーナEDの成功を受けて、他の国産メーカーもこぞって4ドアハードトップの新型車を投入しました。しかし、最も早かったものでもカリーナED誕生から2年という歳月を要したので、カリーナEDはイメージリーダー的地位を不動なものにしましたし、絶好調なペースで売れました。

当該中古車、新車時登録から29年が経過していますが、写真を見る限り、綺麗な状態で保管されてきたようです。インテリアはノスタルジックな雰囲気が漂っていますが、今でも十分にスポーティと呼べるのではないでしょうか?

シートはバケットシートのような形状になっており、リアシート座面のくぼみには驚かされます。全高を低めた分、リアシートの快適性を維持するために座面を下げたんでしょう。当時、流行っていたオーディオコンポ(もう死語?)のようなエアコンスイッチなんて、今見てもカッコいいです。

▲オーディオコンポを彷彿とさせるエアコンのスイッチ類。搭載オーディオのスイッチ類とデザインを共有しています ▲オーディオコンポを彷彿とさせるエアコンのスイッチ類。搭載オーディオのスイッチ類とデザインを共有しています

総額63万7000円が高いか安いかは論じるまでもありません。もはや、ネオクラシックカーとしての価格になってしまっているので「思い出の車」、「懐かしい車」、「かつて憧れた車」に幾ら出せるか、という話になってくるでしょう。

個人的にはこんな車で当時のように繁華街で、ブイブイ言わせてみたいです(笑)。

■本体価格(税込):58.8万円 ■支払総額(税込):67.3万円
■走行距離:7.3万km ■年式:1986(S61)
■車検:無 ■整備:付 ■保証:無
■地域:愛知

text/古賀貴司(自動車王国)