▲まるで一流アスリートの肉体のように美しすぎるフェラーリのV8ユニット。普通に考えてフェラーリを買えるのは富裕層やプロスポーツ選手などですが、庶民でも無理なく買う方法があるとかないとか? ▲まるで一流アスリートの肉体のように美しすぎるフェラーリのV8ユニット。普通に考えてフェラーリを買えるのは富裕層やプロスポーツ選手などですが、庶民でも無理なく買う方法があるとかないとか?

一流のグラウンドに立てるのは一流アスリートだけ。でも一流の車は?

過日、生まれて初めて東京ヤクルトスワローズの本拠地である神宮球場のグラウンドおよびマウンドに立った。もちろん48歳にして奇跡のNPB(プロ野球)一軍デビューを果たしたわけではなく、スワローズファンを対象とする野球教室に参加したというだけの話だ。

それにしてもアレだ、神宮のというか「NPBスペックのグラウンド」は凄まじく最高だった。

人工芝はハリウッド女優のお肌のように美しく、アンツーカ(ベースの周りの土部分)はどこぞの有名な日本庭園も顔負けなほどの手入れがされている。これと比べてしまうと、普段わたしが使っている河川敷のでこぼこグラウンドは「グラウンドとよく似た別の何か」でしかない。

だが、48歳の筆者がこれからNPB球団からドラフト指名されたり東京六大学リーグで活躍する可能性は楽観的に推測しても0%であるため、今回のように何かのイベントで踏むのとは別に、本当の意味で「神宮の土」を踏む機会は一生無いのだろう。ひたすらに無念である。

しかしまぁこれも仕方のないことだ。なぜならば、神宮に限らず各NPB球場や春夏の阪神甲子園球場の土は、あくまでも「限られた人間」のためのものであるからだ。バリアフリーを売りにしている市役所のロビーとはそもそも違うのである。

これは車に関しても同じで、NPBスペック的な車、すなわち例えばフェラーリなどは完全に「限られた富裕層のための車」だ。それについて筆者のような貧乏人がもしも「高すぎてけしからん! もっと安くしろ!」などと騒ぎ立てたとしら、まったくのお門違いでしかない。

ただし一つだけ違うのは、フェラーリには「中古車」があるということだ。

▲明治神宮野球場(通称神宮球場)のバッターボックス付近にて筆者写す。本当の意味でここに立てるのは限られた人間だけだが…… ▲明治神宮野球場(通称神宮球場)のバッターボックス付近にて筆者写す。本当の意味でここに立てるのは限られた人間だけだが……
 

フェラーリ F355は月々約5万8000円でイケる?

NPB球場の土を踏むには「並外れたアスリート」になるか、あるいは2時間枠で45万円ぐらいという法外なお金を出して借りるほかない。しかし車であれば、たとえそれがNPBスペック的な何かであっても、ある程度のお金さえ積めばその「中古品」を手に入れることができるのだ。

例えばフェラーリでいうと、新車はオプション込みで3000万円以上になるのが普通で、F355の中古極上品(超低走行車)も今や価格は応談の青天井。つまりは完全に「限られた富裕層のための車」である。だが、もしも「それなりの良質中古車」でも全然OKとするならば、車両価格900万円台、総額で見て1000万円ぴったりぐらいでなんとかなっちゃうのである。

「ふざけるな! 1000万円の車なんて買えるわけないだろ!」

そうお怒りになる庶民諸兄もいらっしゃるだろう。お怒りは一見ごもっともだが、実はこのフェラーリ F355、庶民でもなんとかしようと思えばなんとかなるのである。

こちらも庶民である筆者自身の例でシミュレートしてみよう。

まず支払総額は前述のとおり1000万円と仮定する。そして現在乗っている車のうち1台を処分すればなんだかんだで100万円ぐらいにはなるはずなので、それと地元の信用金庫に眠らせている200万円の定期預金をサクッと解約することで、合計300万円の頭金を捻出。……もうちょい頭金が欲しい気もするので、ドサクサにまぎれて普通口座から100万円を出金し、計400万円の頭金を用意する。

そして残金600万円を「男の120回」で支払う。自営業なのでボーナス月加算はなく均等払いだ。この際、金利はぜひ2.9%ぐらいに抑えたい。長期ローンの場合、高金利だとなかなか厳しい支払額になるのは目に見えているからだ。で、仮に2.9%のローンを獲得できた場合、筆者の緻密な計算によれば月々の支払額は「5万7660円」となる。

▲94年から99年にかけて販売されたフェラーリ F355。往年のフェラーリに通じる清楚な造形と、F1マシンもかくやの快音により、今なお中古車市場では絶大な人気を誇っている ▲94年から99年にかけて販売されたフェラーリ F355。往年のフェラーリに通じる清楚な造形と、F1マシンもかくやの快音により、今なお中古車市場では絶大な人気を誇っている
 

120回ローンとは「暴挙」か、それとも「漢!」なのか

……どうだろうか。毎月約5万8000円というのは決して楽勝な支払額ではないだろう。しかし、ある程度の稼ぎがある大人であれば「……なんとかならなくもない(かも……)」と思える水準なのではないか。

「でも途中で支払いがキツくなったらどうすんだ!」という疑問あるいは不安もあるだろう。

その場合も基本的にはノープロブレムだ「そもそも比較的低走行な個体を買い、購入後も距離を延ばしすぎないこと」という前提条件はあるが、フェラーリ F355のリセール価格というのは鬼のように高いため、キツいと思った時点ですみやかに売却して清算すれば、ローン残債は大したことのないレベルに落ち着くはずなのである。

「でも買えば乗りたくなるじゃん? そうすると距離が増えるでしょ? となるとリセール額が下がるじゃないか!」というツッコミもあるかもしれない。

それもまたノープロブレムである。もちろん例外はあるだろうが、たいていの人はフェラーリ F355を買うと、基本的には「手に入れて、自宅の車庫にそれがあること」だけでもう完全に満足するため、普段はあまり乗らないのだ。月に1回とか、せいぜい週に1回ぐらいしか乗らないユーザーが大半で、あなたの場合もおそらくはそうなるだろう。結果、走行距離はあまり延びない。

さて。こういった超長期ローンでフェラーリを買うことを「暴挙」と見るか「漢!」と取るかは人それぞれだろう。判断はお任せする。お伝えしたいのは「その気になりさえすればNPBスペック的な車を手に入れるのも不可能ではない!」という事実だけだ。

▲フェラーリ F355のコックピット。多量の電子制御が導入される前の設計であるため、コックピットのデザインもシンプルビューティな「男の仕事場」といった雰囲気 ▲フェラーリ F355のコックピット。多量の電子制御が導入される前の設計であるため、コックピットのデザインもシンプルビューティな「男の仕事場」といった雰囲気
▲眺めているだけでごはん3杯はイケる(?)美しきマシンだけに、人生の一大事業として一度手に入れてみるのもステキかもしれませんよ! ▲眺めているだけでごはん3杯はイケる(?)美しきマシンだけに、人生の一大事業として一度手に入れてみるのもステキかもしれませんよ!
text/伊達軍曹
photo/フェラーリ、伊達軍曹