普段の買い物やちょっとしたお出かけに、燃費が良くて維持費も安い軽自動車は便利。お出かけの際に親を乗せることも多いだろう。もし親が「最近膝が痛い」というのであれば、助手席シートが回転したり昇降したりするタイプを選んではどうだろうか。三菱 ekワゴンとekクラッシィに用意されたハーティーランシリーズは、そんな足腰の弱ってきた親にも優しい1台だ。

ベースであるekワゴン(2001年10月~2006年8月)と、デザイン違いのekクラッシィ(2003年5月~2005年11月)は、スズキ ワゴンRなどをライバルに持つトールワゴン系の軽自動車。広々とした室内空間を持ちながらも都心部に多い立体駐車場にも収まるよう、全高は1550mmに抑えられている。また軽自動車としては珍しくセンターメーターが採用され、20ヵ所以上もの収納スペースが用意されているなど、「ek=いい軽」を作ろうという三菱の意気込みが感じられる。

このekワゴンとekクラッシィに追加されたのがハーティーランシリーズだ。助手席が回転する「助手席回転シート仕様車」と、助手席が回転&昇降する「助手席ムービングシート仕様車」がある。どちらも乗降性を高めるために、ベース車よりも助手席のドア開口角度が広げられている。助手席ムービングシート仕様車には、シートに専用の左右アームレストが備わるほか、ラゲージに車いすを折り畳んで収納できる車いす固定ベルトも用意されている。またどちらのシートも最大157度のリクライニングが可能だ。

原稿執筆時点(2013年1月17日)では、ekクラッシィは残念ながら見つからなかったが、ekワゴンは5台見つかった。うち1台が助手席回転シート仕様車で、4台が助手席ムービングシート仕様車。価格は大半が車両本体価格で50万円前後と、ほかのekワゴンとほとんど変わらない。助手席が回転、あるいは回転&昇降することで、きっと親にも喜ばれるはずだ。

乗車定員/4名
リフト能力/100kg(助手席ムービングシート仕様車のみ)
シート下降時最低着座面高さ/565mm(助手席回転シート仕様車)、440mm(助手席ムービングシート仕様車)
シートの車外飛び出し量/125mm(助手席回転シート仕様車)、580mm(助手席ムービングシート仕様車)
回転時足元スペース/310mm(助手席回転シート仕様車)、300mm(助手席ムービングシート仕様車)
シートスライド量/80mm(助手席回転シート仕様車のみ)

Text/籠島康弘

ekワゴンの助手席回転シート仕様車。ハーティーランは、ブラックインテリアエディションを除くekワゴンおよびekクラッシィの全グレードに用意されていた

ekワゴンの助手席回転シート仕様車。ハーティーランは、ブラックインテリアエディションを除くekワゴンおよびekクラッシィの全グレードに用意されていた

写真はekクラッシィの助手席ムービングシート仕様車。助手席のリフトアップ(回転&乗降)はスイッチで操作。オプションでリモコンスイッチの用意もあった

ekクラッシィの助手席ムービングシート仕様車。助手席のリフトアップ(回転&乗降)はスイッチで操作。オプションでリモコンスイッチの用意もあった