中古車では、1.5Lクラスのハッチバックやセダンはハイブリッドカーなどと比べるとずいぶんお手頃。コンパクトボディのため取り回しがよい割に、リッターカークラスの車よりは広いという絶妙なサイズ感や、排気量に余裕がある分、走りにもゆとりがあるところが魅力的です。

今回取り上げる日産 ティーダおよびティーダラティオはそんな1.5Lクラスを代表する1台で、かつ助手席に乗り降りしやすい機能が備わった車です。

ベースの日産 ティーダ(2004年9月~2012年8月)およびティーダラティオ(2004年9月~2012年10月)は1.5Lと1.8Lエンジンを搭載。ティーダはハッチバックで、ティーダラティオはセダンスタイルです。

いずれも大人4人(乗車定員は5名)で荷物も載せて楽に旅行に出かけられる十分な広さをもっていて、信号待ちからスタートする際や高速道路での追い越しなどでも過不足なく加速してくれます。この両車に用意されていたのが、助手席スライドアップシート仕様車と助手席回転シート仕様車です。

助手席スライドアップシート仕様車は、助手席が回転し車外へスライドし、さらに下降してくれます。このため足腰の弱った人など、普通に片足を上げて車に乗り込むことが苦痛な人でも、両足をついたままお尻から座ることができます。介助者がいれば車いすからの移動もしやすい車です。

一方の回転シート仕様車は助手席が回転し車外へスライドします。シートは下降はしませんが、フロントウインドウ脇の助手席側にアシストグリップが備わっています。

原稿執筆時点では助手席スライドアップシート仕様車がティーダで1台、ティーダラティオで3台見つかりました。助手席回転シート仕様車はティーダの1台のみでした。価格は車両本体価格で40万円以下から見つかるなど、お手頃な価格でした。

助手席の乗降性がよい割に、普通のラティオやティーダラティオとほぼ同じ価格帯というのも魅力です。両車とも、普段は杖を使うけれど、車いすを使うのはまだまだ早いという高齢の方に特にピッタリです。「そういえばうちの親も……」と思い当たるなら、ご検討されてみてはいかがでしょう。

乗車定員/5名
リフト能力(回転シートは耐荷重)/100kg(シートを除く)
シート下降時最低着座面高さ/485mm(助手席スライドアップシート仕様車)、620mm(助手席回転シート仕様車)
シートの車外飛び出し量/375mm(助手席スライドアップシート仕様車)、270mm(助手席回転シート仕様車)
回転時足元スペース/310mm(助手席スライドアップシート仕様車)、300mm(助手席回転シート仕様車)
シート回転角度/90度(助手席スライドアップシート仕様車)、75度(助手席回転シート仕様車)

Text/籠島康弘

ティーダの助手席スライドアップシート仕様車。リモコンを使ってシートの回転&昇降を操作する。車内でのスライドやリクライニングも電動だ

ティーダの助手席スライドアップシート仕様車。リモコンを使ってシートの回転&昇降を操作する。車内でのスライドやリクライニングも電動だ

ティーダラティオの助手席回転シート仕様車。こちらは助手席シート下のレバーを使って手動で回転を操作する

ティーダラティオの助手席回転シート仕様車。こちらは助手席シート下のレバーを使って手動で回転を操作する