かつての高級車も意外なほど身近な存在になっている

そろそろトヨタクラウンマジェスタのフルモデルチェンジが発表される頃です。未曾有の不景気と騒がれている昨今ですが、これを機に中古車市場における高級車にスポットライトを当ててみました。100万円台で狙える高級車の数々。高嶺の花と思えた車も、意外と身近な存在になっていました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。かつての高級車は、今でも高級のあり方を教えてくれます。

第10位はBMW7シリーズ(現行)。さすがに100万円台の物件は、まだ数が少ないので順位を下げました。それにしてもバーゲンプライスです。斬新というか、奇抜というか、衝撃的なルックスも、ようやく見慣れてきたのではないでしょうか? フルサイズセダンですが、走りはBMWが得意とするラグジュアリィとスポーティの融合です。同じ価格で買えるライバル、はっきり言っていないと思います。こんなに安いのは日本だけ?

第9位はトヨタセンチュリー(現行)。日本が誇る唯一のV12エンジン搭載車です。自宅から会社までの往復だけでなく、営業先回りやゴルフ場送迎にも使われてきた個体が多いのでしょう。100万円台で狙える物件の走行距離は、タクシー並みに多いものばかりです。多走行でもしっかり整備されてきた個体であれば、それほど心配はいりません。どんな高級車をも寄せつけない、徹底的なトヨタのこだわりが感じられる一台です。新車時価格1000万円でも安い、と言わしめるんですから。

第8位はVWパサート(現行)。フォルクスワーゲンというブランドから高級車をイメージすることは、少ないかもしれません。しかし、それは年配の外国人がトヨタから高級車をイメージできなかったことと同じかもしれません。パサートは日本におけるVWのフラッグシップモデルです。直接的なライバルは欧州のコンパクトクラスセダンでしょうが、パサートの作り込みの素晴らしさは群を抜いています。ルックスと中身に良い意味でギャップがあるんです。100万円台で狙えたら、買いです。

第7位はクライスラー300M(絶版)。中古車市場で出回っている台数が極端に少ないのが、残念でなりません。良くも悪くもアメリカンな雰囲気たっぷりで、個性的な車です。全長5mオーバーながら、スポーツクーペのような流線型デザインはユニークだし、今となってはちょっぴりノスタルジック。極悪燃費なわけでもなく、走りが極端に劣るわけでもありません。むしろ“アメ車”の雰囲気たっぷりで、独特な乗り味はやみつきと表現してもいいでしょう。買うなら今のうちです。

第6位はアルファロメオアルファ166(現行)。マイナーチェンジ前の独特なフロントマスクは、今でも古臭さがありません。小回りが利かない、ダッシュボード付近がきしむ、など欠点を挙げればキリがありませんが、そこはラテンなノリで笑い飛ばしましょう。これほどまでにセクシーな高級車を作ることは、世界広しといえどもイタリア人くらいでしょう。100万円以下からでも狙えるので、予算と車のコンディションで折り合いをつければイイと思います。普遍的な美しさがあります。

木曜日には第5位から1位を発表します。

フォトコレクション

写真:第10位:BMW7シリーズ(現行)|なんでもベスト10

第10位:BMW7シリーズ(現行)

写真:第9位:トヨタセンチュリー(現行)|なんでもベスト10

第9位:トヨタセンチュリー(現行)

写真:第8位:VWパサート(現行)|なんでもベスト10

第8位:VWパサート(現行)

写真:第7位:クライスラー300M(絶版)|なんでもベスト10

第7位:クライスラー300M(絶版)

写真:第6位:アルファロメオアルファ166(現行)|なんでもベスト10

第6位:アルファロメオアルファ166(現行)

Report / 古賀 貴司