▲タイヤは「おそらく日本一安い」と評判の某タイヤショップにて通販で購入。実際、メーカー希望小売価格よりかなり安く手に入れられた ▲タイヤは「おそらく日本一安い」と評判の某タイヤショップにて通販で購入。実際、メーカー希望小売価格よりかなり安く手に入れられた

タイヤと枕の共通点とは?

我が2代目ロードスターのNR-Aに、ニュータイヤを導入した。前回交換したのが今年の3月末。わずか4ヵ月でタイヤを換えなければならなくなったのにはわけがある。

ちなみに、これまで履いていたのは「ミシュラン パイロットスポーツ3」。ミシュランの中でもスポーツ性能を高めたモデルである。性格は、サーキットでのタイムアップを至上命令としたというよりも、一般道での快適性も高めつつドライ&ウエットでのグリップ性能、耐摩耗性や耐久性を高めたバランスの良いタイヤだった。

「ミシュラン パイロットスポーツ3」に換えてから耐久レースを2回、サーキットでの練習走行は合計10時間くらい。山は十分残っている。グリップも決して落ちていない。まだまだ現役で活躍できるポテンシャルは残っていたのだが……。練習走行中にスピン&コースアウト。左側前輪を激しくサーキットの縁石にヒットし、タイヤ表面にキズができてしまったのだ。パンクには至らなかったが、カットした部分から徐々に表面のゴムが剥がれるようになったため、安全を考慮し交換することに。

タイヤ選びは悩ましい。ちょうど枕を選ぶときと同じくらい悩ましい。自分の体型や好み、求める硬さや高さ、素材など、枕選びほどこだわり始めると迷走しがちな買い物はないからだ。しかも、その枕じゃないと絶対に眠れないわけじゃないから憎たらしい(だって恐ろしい睡魔に襲われたら立ってても寝ちゃうでしょ)。タイヤも同じ。用途や乗り心地、ハンドリング性能や静粛性など、いろいろこだわり始めるときりがない。しかも選び抜いたタイヤじゃないと“走れない”わけじゃない。

▲左が「ポテンザRE-71R」、右が「パイロットスポーツ3」。トレッドパターンからも、RE-71Rの方が溝(グルーブ)の数が少なく、排水性や静粛性などを割り切ったグリップ重視な性格であることがわかる ▲左が「ポテンザRE-71R」、右が「パイロットスポーツ3」。トレッドパターンからも、RE-71Rの方が溝(グルーブ)の数が少なく、排水性や静粛性などを割り切ったグリップ重視な性格であることがわかる

サーキットでRE-71Rの威力を実感!

今回は「ブリヂストン ポテンザRE-71R」をチョイスしたのだが、選んだ理由はズバリ、評判。インターネットで多くのインプレッション記事を読みあさった結果、「サーキットのタイムアタックでは、溝がほとんどないレース専用タイヤ(Sタイヤ)にかなり近いタイムが出る」という声が多かったのだ。別の言い方をすると、「ミシュラン パイロットスポーツ3」で期待しかつ満足もしていた、耐摩耗性や耐久性、ウエットでのグリップは一切条件から除外したということ。

あくまで素人レベルだが、筆者なりのインプレッションを述べさせてもらおう。

■一般道(主に高速道路)
・まるで接地面が広くなったような感じがする
・タイヤから「まっすぐ走ろうぜ」という意思を感じる
・タイヤが路面を「掴む」というより「粘着する」といった感じ

■サーキット
・いつもブレーキで減速してから進入していたコーナーをノーブレーキで行ける
・コーナリング時にスキール音(キーッとタイヤが鳴る)が出ない
・これまでABSが作動したタイトコーナー手前でもタイヤがロックしない
・酷暑という不利な状況ながら、自己ベストタイムを更新

▲勝手に我々がホームコースと呼んでいる袖ケ浦フォレスト・レースウェイにて “なんちゃって”タイヤテストを行った。午前9時で路面温度は37度を超えており、昼前には40度近くまで上がった ▲勝手に我々がホームコースと呼んでいる袖ケ浦フォレスト・レースウェイにて “なんちゃって”タイヤテストを行った。午前9時で路面温度は37度を超えており、昼前には40度近くまで上がった
▲サーキット走行前、装着から約1000kmほど走行したトレッド面。表面の消耗具合からライフ(摩耗性&耐久性)は「パイロットスポーツ3」より短いことが予想される ▲サーキット走行前、装着から約1000kmほど走行したトレッド面。表面の消耗具合からライフ(摩耗性&耐久性)は「パイロットスポーツ3」より短いことが予想される
▲サーキットで30分を2本走った後のトレッド面。表面が全体的に消耗して(溶けて)いる。空気圧が上がってもグリップはそれほど落ちなかった。耐久レースでは空気圧の設定がポイントになりそうだ ▲サーキットで30分を2本走った後のトレッド面。表面が全体的に消耗して(溶けて)いる。空気圧が上がってもグリップはそれほど落ちなかった。耐久レースでは空気圧の設定がポイントになりそうだ

的確な言語で表現できないのは悔しいが、すごく性能の高いタイヤであることだけはわかる。今までざっくり「グリップ力」と一くくりにしていたものには、実はかなり多様なグレード/レベルがあることにも気づかされた。そしてタイヤを換えるだけで、今まで知らなかった自分の愛車の別な一面が見えてくることも、あらためて実感できた。

タイヤ選びは悩ましい。黒くて丸いゴムのくせして値段も高い。でも、換えたら何かしら発見がある。ちょっとした感動すら覚えることもある。だからこそ、タイヤ選びはおもしろい。おもしろすぎて、まだタイヤを換えたばかりなのに、もう次はどんなタイヤにしようかと考えている。

もし、「最近、愛車に飽きてきたなぁ」と感じているなら、タイヤ交換してみてはいかがだろうか。きっと愛車の新たな一面を発見して倦怠期を乗り越えられるはずだから。ちなみに、カップルの倦怠期克服法として枕を交換すると良いという話は、インターネットを検索しても出てこなかったのであしからず。

▲タイヤテスト後は新旧のタイヤの違いを頭の中で整理しながら、袖ケ浦フォレスト・レースウェイのカツカレーを胃袋の中で整理。このカレー、RE-71Rに負けず劣らず、胃袋をしっかりグリップしてくれた ▲タイヤテスト後は新旧のタイヤの違いを頭の中で整理しながら、袖ケ浦フォレスト・レースウェイのカツカレーを胃袋の中で整理。このカレー、RE-71Rに負けず劣らず、胃袋をしっかりグリップしてくれた

【CERCとは】
中古車情報誌『カーセンサー』の連載『CERC』のスピンオフバージョンである。カーセンサー本誌に収録しきれなかった話題を、同連載の語り手である本誌デスク本人が赤裸々に綴る。ちなみにCERCとはCarsensor Editors Racing Club(カーセンサー・エディターズ・レーシング・クラブ)の略。

【筆者プロフィール】
1970年生まれ。群馬県在住の編集・ライター。カーセンサー本誌の編集デスク担当。
2015年9月に参加したメディア対抗ロードスター4時間耐久レースでの惨憺たる結果から一念発起。運転技術を磨くべく、マツダ ロードスター(2代目)のNR-Aを購入した。

text・photo/編集部 中野