▲トヨタのITS専用の無線通信を活用した協調型運転支援システム。図では右折車に対し進行方向の横断歩道に歩行者がいることを車に無線で伝えている ▲トヨタのITS専用の無線通信を活用した協調型運転支援システム。図では右折車に対し進行方向の横断歩道に歩行者がいることを車に無線で伝えている

技術的にはほぼ出来上がっている、のだけれど……

編集部員A(以下、A):ぴえいるさんでも安心して運転できる最先端技術を見に行きませんか?
ぴえいる(以下、ぴ):失礼な! バカにするんじゃない!(怒)
A:最近、トイレも近いでしょ? 指が乾燥して指をなめてからじゃないとスーパーのレジ袋を開けられないでしょ?
:ぐぬぬ……そんなの関係じゃないか!
A:ま、そんなぴえいるさんでも事故を防げるようになる技術ですから、見に行って損はないですよ

というわけで、やって来たのは3月11日~13日に東京ビッグサイトで行われた「第6回国際自動車通信技術展」だ。ここにトヨタとホンダが開発中の、交差点での事故を減らせる最先端技術を見学に来た。結論から先にいうと、これは超高齢化社会に有効なだけでなく、誰もが車社会で安心安全に暮らすための技術だった。

:まずはトヨタブースから見ようか
A:テレビがデジタル放送へ移行したことで空いた周波数帯の一部が自動車用に割り当てられました。この周波数帯(700MHz帯)を使って、人と車をインフラでつなぐんです。交差点にセンサーや無線機が設置されていて、それらの情報が走行中の車に無線で届けられ、ドライバーに注意を喚起するという技術です
:要は交差点に近づくと「歩行者がいますよ」「もうすぐ信号が赤になります」とか教えてくれるってことか
A:「ぴえいるおじいちゃん、もうすぐ信号が赤になりますからねぇ~そろそろブレーキを踏みましょうか~」とか言ってくれるとさらに良いですねwww
:そのときは石原さとみちゃんの声がいいなぁ……って、おい!
A:この技術を車との間で使うと従来の全車速追従クルーズコントロールより、スムーズに先行車を追従できるそうです。これらの実証実験は愛知県豊田市などですでに行ったこともあるのだとか

:なんでも今年中にはこの機能をオプションで用意した新型車を投入するらしいじゃないか。もう未来の技術じゃないんだなぁ

▲右折時注意喚起
▲赤信号注意喚起

A:なんですが、特に交差点での安全機能の方は関係省庁との折衝やコスト面など、まだまだ難しい点がありまして。今年中にこの機能を体験できる交差点が出るかどうかは……
:え、決まってないの?
A:そうなんです。技術的には出来上がっているだけに、早くそういった課題をクリアできると良いですね。じゃ、ホンダブースも見に行きしょうか

ホンダもWi-Fi

:ホンダも車と人をつないで安全な車社会を作るというのは同じだね
A:こちらはWi-Fiを使って情報を数珠つなぎしていくことで、人や車に情報を伝えるというのがトヨタとの違いみたいですね。災害時の通信インフラにもなるそうですよ。そういえば東日本大震災のときは電話がつながりませんでしたが、これなら情報が流れやすいかも
:車にWi-Fi端末を積むから、まさに走るWi-Fi基地になるしね
A:受け取る側はケータイなど既存のAndroid端末でいいそうです
:お! それなら大勢の人がすでにもっているから、コスト面は簡単にクリアできそうじゃん。じゃあホンダの技術が先に実現しそうかな?
A:それがですね、各端末に届いた情報を数珠つなぎにしたり、人や車に届けたりするのですが、現在の個人情報保護に関する法律はそうしたことを想定して作られていなかったので……
:なるほど。これも実運用には時間がかかりそうなのか……。早くそういった問題を片付けてほしいところだね
A:まぁ、ぴえいるさんと情報を数珠つなぎしたい人なんて地球上にいないと思いますけど
:……(絶句)

▲ホンダの協調型運転支援システムの概念図。こちらはWi-Fiを使って各人のAndroid端末に伝達するので、例えば道を譲ってもらったら「ありがとう」などと返信することも可能だ ▲ホンダの協調型運転支援システムの概念図。こちらはWi-Fiを使って各人のAndroid端末に伝達するので、例えば道を譲ってもらったら「ありがとう」などと返信することも可能だ
▲災害時に電話などのインフラがダウンした場合、Wi-Fiで数珠つなぎのようにつないでいくことで大勢の人に情報を伝達することもできる ▲災害時に電話などのインフラがダウンした場合、Wi-Fiで数珠つなぎのようにつないでいくことで大勢の人に情報を伝達することもできる
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