▲ミニバンから脱し、3列目シートを採用したSUVを市場へ投入するマツダ。CX-8は3列目にも大人が乗れる居住空間がウリになっています ▲ミニバンから脱し、3列目シートを採用したSUVを市場へ投入するマツダ。CX-8は3列目にも大人が乗れる居住空間がウリになっています

実は3列シートのSUVは新しいジャンルではないんです

2017年9月に発表され、12月から発売がスタートするマツダ CX-8。SKYACTIV技術を採用し、人気のクリーンディーゼルエンジンを搭載するSUVです。これまでにない最大の特長は、パッケージングを工夫して大人がゆったり座れる3列シートを有していること。

本当はSUVに乗りたいのに、3列シートの有無でミニバンを選んでいた人にとって、CX-8の登場は車選びの楽しみを広げてくれる吉報! 中古車狙いの人は、CX-8の中古車が市場に出てくるのが楽しみで仕方ないのでは? おそらく2018年夏ごろからぽつぽつ出てくるはず。

意外に知られていませんが、3列目シートを搭載するSUVはCX-8が初めてではありません。しかも、その多くは中古車で選ぶことができるんです! 最後列まで空間にゆとりをもたせたトヨタ エスティマやホンダ オデッセイのようなLクラスミニバンなどのように3列目でも大人がゆったり長距離移動という使い方は難しいかもしれません。ですが、例えば親戚が遊びに来たときに食事に出かける、友人との旅行やキャンプで温泉まで車1台で出かけるなど、近距離移動なら十分対応できます。

ホンダ クロスロード(2代目)--スモールミニバンをベースに開発された7人乗りSUV

▲ミニバンのストリームをベースに開発されたクロスロード。3列目シートはストリームと同じコンセプトで作られています ▲ミニバンのストリームをベースに開発されたクロスロード。3列目シートはストリームと同じコンセプトで作られています


1.8L、2Lエンジンを搭載するスモールミニバンの2代目ストリームをベースに開発された3列シートSUV。ボディサイズは全長4285mm×全幅1755mm×全高1670mmとSUVとしてはコンパクトです。3列目に大人が座ることもできますが、ゆったりとはいきません。

そんなクロスロードの魅力は直線基調のスクエアボディにあります。流線形のデザインの車が多い中で、武骨ささえ感じるデザインはデビューから10年経った現在、逆に新鮮さを感じます。また、クロスロードはカスタムのベース車としても注目され始めています。

ある程度年式が経過しているので走行距離はそれなりに多くなっていますが、中古車の平均価格は96.5万円。総額130万円以内で買えるものが全体の8割以上を占めます。流通量もまずまずあるので、少なめの予算でSUVを買いたい人にもオススメです!

中古車価格帯:40万~190万円
流通量:約170台

▲3列目シートの座面はフラットですが、短時間の移動なら大人でも十分座れます ▲3列目シートの座面はフラットですが、短時間の移動なら大人でも十分座れます

三菱 アウトランダー(現行型)--7人乗りのガソリンモデルならお得に手に入る

▲アウトランダーPHEVとガソリンモデルはグリル形状が異なります。ガソリンモデルは全グレード3列シートに ▲アウトランダーPHEVとガソリンモデルはグリル形状が異なります。ガソリンモデルは全グレード3列シートに


4WDシステムに定評のある三菱。アウトランダーにはECOモード付きの電子制御4WDが搭載され、デビューイヤーとなる2012年式の2.4L 4WD車はJC08モード14.6km/Lとなっています。

アウトランダーは2015年6月のマイナーチェンジで顔つきが劇的に変わりました。前期型と後期型、できれば買う際は両方とも見てみて、より自分の感性に合う方を選びたいところ。前期型の中心価格帯は総額180万~230万円、後期型の中心価格帯は総額250万~300万円となっています。

ちなみに、アウトランダーといえばEVをベースにしたPHEVの方が知名度が高いかもしれませんが、こちらは5人乗りとなります。ガソリンモデルはその余裕あるスペースに2人掛けの3列シートを配置し、7人乗りとしているのです。

中古車価格帯:160万~340万円
流通量:約90台

▲PHEVに人気が集中しているため、ガソリンエンジンのアウトランダーの中古車相場は比較的手ごろ ▲PHEVに人気が集中しているため、ガソリンエンジンのアウトランダーの中古車相場は比較的手ごろ

日産 エクストレイル(現行型)--3列シートも設定されたタフギア

▲オーソドックスな2列シートモデルが中心ですが、3列シートモデルも少しですが流通しています ▲オーソドックスな2列シートモデルが中心ですが、3列シートモデルも少しですが流通しています

エクストレイルは初代から、防水インテリアをはじめ、アウトドアでガンガン遊びたくなる装備を搭載。2013年12月にデビューした現行型はエクステリアデザインこそ大きく変わったものの、ベースとなるコンセプトは初代の流れを踏襲しています。

現行型はハイブリッドも設定。その中で3列シートはガソリンエンジンモデルに用意されています。もちろん3列目シートにも防水処理を施し、荷室には汚れや傷が付きにくい処理を施してあります。

3列シート仕様の流通量は全体の1割強。ただ、中古車自体の数が多いので、台数はクロスロードやアウトランダーと同程度あります。中古車の中心価格帯は総額180万~270万円。

中古車価格帯:180万~300万円
流通量:約130台
※3列シート車の情報です

▲タフギアらしく3列目にも防水機能を装備 ▲タフギアらしく3列目にも防水機能を装備

キャデラック エスカレード(2代目)--アメリカンプレミアムSUVをCX-8と同じ予算で!

▲3列目を使う機会がそれなりにあるなら、思い切ってここまでゴージャスなSUVに的を絞るのもあり! ▲3列目を使う機会がそれなりにあるなら、思い切ってここまでゴージャスなSUVに的を絞るのもあり!

ビッグサイズのボディと大排気量エンジン、プレミアムなインテリアと装備。世界を席巻するSUVブームをけん引する欧米のメーカーのプレミアムSUVには、サイズ感を生かし3列シートを備えるモデルがあります。キャデラック エスカレードもそのひとつです。

全長5144mm×全幅2007mmという、およそ日本の車では考えられないボディサイズを生かし、室内は広大。1~3列目までシートは大人がゆったり座れるよう設計されています。何よりアメリカのプレミアムブランドならではの優雅さを味わえる作り込みが魅力です。

エスカレードには3列シートと2列シートがあり、流通している中古車の半数以上が3列仕様です。エスカレードの新車時価格は849万~1018万円でしたが、中古車の中心価格帯はCX-8の新車と同程度となる総額320万~370万円となっています。

中古車価格帯:220万~870万円
流通量:約50台

▲3列目も座面や背もたれが大きいエスカレード。3列目が3人掛けの7人乗りとなります ▲3列目も座面や背もたれが大きいエスカレード。3列目が3人掛けの7人乗りとなります

スバル エクシーガ クロスオーバー7(現行型)--ミニバンの利便性とSUVの走破性をミックス

▲エクシーガはステーションワゴンに3列目シートを搭載したような雰囲気。クロスオーバー7はそこにさらにSUVらしさを盛り込んだモデル ▲エクシーガはステーションワゴンに3列目シートを搭載したような雰囲気。クロスオーバー7はそこにさらにSUVらしさを盛り込んだモデル

ミニバンの定番であるスライドドアではなく、一般的なヒンジ式ドアを備えた全高の低い3列シートモデルとしてデビューしたエクシーガ。エクシーガ クロスオーバー7はエクシーガの利便性はそのままに、最低地上高を170mmに高めてSUVらしさを盛り込んだモデルです。

もともと3列目まで大人がゆったり座れるよう設計されたモデルなので、頻繁にすべての座席を使うつもりなら要注目。インテリアカラーに明るいタンカラーが使われているのも魅力です。

流通量は少なめですが、逆に考えれば人とは違う3列シートSUVに乗りたいという人にとってこれほどピッタリなモデルはないかも? 中古車は総額250万円前後のものが中心になります。

中古車相場:190万~310万円
流通量:約10台

▲3列目のゆとりはかなりのもの。明るい色が使われているので、気分も明るくなります ▲3列目のゆとりはかなりのもの。明るい色が使われているので、気分も明るくなります

多人数乗車といえば無条件にミニバンを選んでいた人も、CX-8の登場によりSUVという選択肢を考える人が増えるはず。中古車なら、現行型はもちろん、絶版モデルなども選べます。予算に応じて、3列シートを搭載SUV選択の幅が広がりますよ!

text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/マツダ、ホンダ、三菱、日産、キャデラック、スバル