パジェロミニ(2代目) ▲テレビのクイズ番組で賞品として毎週登場していた同社のパジェロは、“豪華賞品”として成立するほどだから、誰もが手を出せる車ではなかった。そこで“身近なパジェロ"として登場したのがパジェロミニだ
 

三菱 パジェロミニの中古車は今

当時のクロスカントリー4WD車人気をけん引していた三菱 パジェロ。そのパジェロをもっと身近な軽自動車に、と企画されたのがパジェロミニだ。

見た目はまさにパジェロをミニサイズにしたもの。同時に、軽自動車とはいえ本家パジェロの名に恥じない4WD性能が魅力だ。1994年12月から2012年6月まで、2世代にわたり生産された。

初代は約60台、2代目は約750台流通している。いずれも平均価格は50万円以下、総額20万円程度から選べる手頃な軽SUVだ。

ここからは世代ごとに、オススメの選び方や特徴、中古車相場について紹介する。

 

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パジェロミニ(初代)の特徴と中古車相場

■三菱 パジェロミニ(初代)DATA
生産期間:1994年12月~1998年9月
中古車流通量:約60台
中古車価格帯:10万~70万円

三菱 パジェロミニ ▲丸目ライト+横バーが走るフロントグリルは、当時の2代目パジェロの前期型と同じ。スペアタイヤもパジェロ同様、車の背面に背負う。フロントグリルガードは「VR」系のグレードに標準装備された

■三菱 パジェロミニ(初代)の特徴
通勤や買い物で気軽に使える“パジェロ"として登場した、初代パジェロミニ。当時の他の軽自動車と比べて着座位置が少し高いため、周囲を見渡しやすいのが特徴だ。とはいえ、ボディサイズは本家ほど大きくなくて背も低く、着座位置もちょうど乗り降りがしやすい高さで、日常使いに適したモデルと言える。
 

三菱 パジェロミニ ▲最上級グレード「VR-II」には、本格4WD車同様に、方位計・高度計・外気温計・時計機能を備えたマルチメーターが用意された

NA(自然吸気)エンジンと、ターボエンジンの2種類が用意され、ターボエンジンは上級グレードの「VR」系に搭載された。デビュー時は4WDモデルのみ。4WDシステムは、走行中でも2WD/4WDを、停止すれば4WDのハイ/ローを切り替えられるなど、手軽に本格的なオフロードを楽しめる「イージーセレクト4WD」が採用されている。トランスミッションは5速MTまたは3速AT。

1996年1月には、NA車に2WD(FR)モデルも追加された。1997年12月には縦スリットの入った専用グリルや、木目調ラジオパネルなどを備えたグレード「デューク」が追加されている。

■三菱パジェロミニ(初代)の中古車相場
流通している約60台のうち、走行距離10万km超が半数近くに及ぶなど、しっかり使い込まれた物件が多い。オフロード走行も得意な車だけに、購入時にはボディの劣化具合などと合わせて、4WDシステムの調子も確認しておいた方がいいだろう。

このフォルムが好きで街乗り中心であれば、2割弱の台数しかないが、2WDモデルがオススメだ。いずれも総額30万円以内で手に入れることができる。

ターボエンジン搭載車は、約30台と全体の約半分を占める。ターボ+4WDで走行距離5万km程度でも支払総額50万円以内で見つけることができる。

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三菱 パジェロミニ(2代目)と中古車相場

三菱 パジェロミニ(2代目)DATA
生産期間:1998年10月~2012年6月
中古車流通量:約750台
中古車価格帯:10万~140万円
 

三菱 パジェロミニ ▲全長3395mm×全幅1475mm×全高1670mm。全長と全幅は軽自動車新規格の上限ほぼいっぱいまで拡大された。同時期の2代目パジェロ後期型にデザインが合わせられている
三菱 パジェロミニ ▲2003年9月に追加設定されたグレード「VR-S」はインテリアの基調をダークグレーとし、他グレードはベージュに変更された。また「VR-S」のみ専用レカロ社製フロントシートを備える

■パジェロミニ(2代目)の特徴
1998年10月の衝突安全基準の向上のための軽自動車新規格に合わせ、2代目へとフルモデルチェンジしたパジェロミニ。初代のコンセプトを時代に合わせて進化させたモデルだ。

搭載されたエンジンは新開発のNA(自然吸気)エンジンと、先代と同じターボエンジンの2機種。また先代同様、手軽に本格的なオフロード走行を楽しめる「イージーセレクト4WD」を採用した4WDモデルと、2WD(FR)モデルが用意された。

トランスミッションは5速MTと、新開発の4速AT。ターボエンジンを搭載するグレードは、4WDモデルが受注生産の「スポーツ」と「V」「デューク」、2WDモデルでは「S」グレードのみとなる。
 

三菱 パジェロミニ ▲縦スリットの大型グリルや大型ルーフスポイラーなどを備えた、特別仕様車「デューク」。インテリアはベージュとグリーンでコーディネートされている
三菱 パジェロミニ ▲丸目+横バーという初代と同じようなエクステリアを備えた特別仕様車「リンクス」。インテリアはダークグレー基調。専用ブラックシートを備えた「リンクスリミテッド」も用意された

2003年9月に、フロントグリルがメッキ加工されるなど内外装デザインの変更や機能の充実化が図られた。同時に、4WD車のみだった「VR」にも2WD車が用意されるなど、グレード構成が変更されている。

そして、2008年9月にマイナーチェンジが行われ、内外装デザインの変更の他、燃費向上や機能の充実が図られた。その後もグレード構成の変更や機能の充実化が行われたが、エンジンやトランスミッション、4WDシステムはデビュー時から販売終了まで大きな変更はない。

■三菱パジェロミニ(2代目)の中古車相場
初代と比べ、走行距離10万km超の物件割合は低くなり、3割に満たない。走行距離3万km未満が40台ほど見つかり、総額約50万円程度から狙える状況だ。

ターボ車+4WDで3万km未満という条件でも総額60万円程度から探せるため、コンディション重視なら2代目がオススメだ。

2代目の中でも外観で差別化をしたいなら、初代と同じ雰囲気の「リンクス」や、大型グリルが特徴の「デューク」がオススメ。どちらも台数は20台に程度だが、総額50万円以下から見つけることができる。

本格的なオフロード走行を楽しみたいなら、ターボ+4WD+5速MT車を探してみよう。こちらは約50台見つかり、総額30万円から探すことができる。予算を60万円までアップすれば走行距離5万km程度の物件も選択可能だ。

オフロードを頻繁に走行していた物件はボディにダメージを受けている可能性もあるため、ボディ底面をはじめコンディションのチェックはしっかり行っておきたい。
 

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※記事内の情報は2021年6月16日時点のものです。
 

文/ぴえいる 写真/三菱
ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。