日本カー・オブ・ザ・イヤー▲2019年12月6日に最終選考が行われ、日産 デイズ 三菱eKクロス/eKワゴンがスモールモビリティ部門賞を受賞した

日本市場で販売されている乗用車の中から年間を通じて最も優秀なモデルを表彰する日本カー・オブ・ザ・イヤー。

日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、イヤーカー以外にも様々な賞を設け、選考委員の投票により受賞車が決まる。

そのひとつが日本独自規格である軽自動車に与えられる賞、スモールモビリティ部門賞だ。


第40回 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞は、日産 デイズ 三菱eKクロス/eKワゴンが受賞した。

日産 デイズ、三菱 eKクロス/eKワゴン

日本カー・オブ・ザ・イヤー▲日産と三菱の合弁会社であるNMKVが企画・開発のマネジメントを担当。日産はデイズと高級感を高めたデイズハイウェイスター、三菱はeKワゴンとSUVテイストを盛り込んだeKクロスを用意

2019年3月28日に発表された2代目日産 デイズ、4代目 三菱 eKワゴン、そして新発売の三菱 ekクロス。

日産自動車と三菱自動車の合弁会社NMKVがマネジメントを担当し、日産が企画・開発。三菱自動車の工場で生産される軽トールワゴンだ。

高速道路同一車線での運転支援技術「プロパイロット」(三菱での名称はマイパイロット)を軽自動車で初搭載し、ドライバーが負担を感じる渋滞走行や長時間の巡航走行でのストレスを軽減する。

デイズ、ekワゴンの前代からプラットフォームが一新され、走りの質も大きく向上した。また、ショルダースペースや後席の膝周り、そして荷室スペースが拡大。使い勝手と乗り心地の良さが高められている。

日産 デイズ、三菱 eKクロス/eKワゴンの受賞理由

第40回 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーでスモールモビリティ部門賞を受賞した日産 デイズ 三菱eKクロス/eKワゴン。実行委員会は授賞理由を以下のように発表した。

軽自動車としての操縦性、安全性、運転支援システムなどの基本性能を従来のモデルから大きく向上させたのが、この日産と三菱による共同開発車だ。

また、スペースを有効に活用して決められたサイズの中でも高い居住性を確保した点も評価した。さらにスタイリングも個性的でありそれぞれ好感が持てる。

授賞式でのコメント

【デイズのチーフビークルエンジニア 齊藤雄之氏】

デイズは軽自動車という小さなボディにいろいろなものを詰め込み、広い室内、静粛性など、誰が乗っても楽しめる車です。販売台数は6万台を超え、お客様から『軽とは思えない』という声をいただいています。

エンジン、プラットフォーム、CVTと、すべてを新しくしました。今後も新しい車の開発を行っていきたいと思います。

【eKクロス/eKワゴンのチーフプロダクトスペシャリスト 吉川淳氏】

軽自動車の商品企画に携わって感じるのが、お客様の軽自動車に対する期待度がどんどん高まっていることです。

小さいから仕方ない、軽自動車だから……このような言い訳は通用しません。今後も日産自動車とタッグを組んで、お客様の期待に訴えていきたいと思います。

日本カー・オブ・ザ・イヤー

日産 デイズ、三菱 eKクロス/eKワゴンに10点を投票した主な選考委員のコメント
(いずれも日本カー・オブ・ザ・イヤー公式HPより)

【レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之氏】

日本の道を知りつくした軽自動車としての作りこみの優秀性を高く評価しました。

【モータージャーナリスト/AJAJ会長 こもだきよし氏】

10BESTに軽自動車が3台入ったが、日本の販売シェアの4割を占める軽自動車だから当然のことだ。

どれも甲乙つけがたいが、3台の中でEPB(電子パーキングブレーキ)を採用し、中央寄りにスタートストップスイッチを設けるなど先進の安全性を考慮している日産デイズ、三菱ekクロス/ekワゴンがスモールモビリティ賞にふさわしい。

【自動車研究家 山本シンヤ氏】

メカニズム刷新による「軽自動車を感じさせない」部分とカジュアルなデザインや使い勝手など「軽自動車ならでは」部分をバランスよく両立している点を高く評価しました。

共同開発のメリットは様々な部分に出ていますが、デザインやカラーコーディネイト、グレード体系などで日産/三菱の個性もシッカリと表現できていると思います。
 

2位はホンダ N-WGN/N-WGNカスタム

なお、第2位は190点でホンダ N-WGN/N-WGNカスタム、第3位は163点でダイハツ タント/タントカスタムだった。
 

日本カー・オブ・ザ・イヤー
文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/篠原晃一、日本カー・オブ・ザ・イヤー
高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、 音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、 心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。 愛車はフィアット 500C by DIESEL