リーズナブルに始める
ネオクラシックカー・ライフ

車は新しくなるにつれ進化を遂げ、便利に快適になっています。言うなればデジタル時計化なのかもしれません。一方で新しい車の「味気なさ」を指摘する声があるのも事実です。というわけで今回注目したのは、適度に新しく適度に古い、機械式腕時計のような雰囲気をもつ車ばかりです。末永くつき合えそうな車が勢ぞろいしています! 気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。


第10位はポルシェ911(旧々型)。空冷エンジン搭載最後のモデルとして、中古車相場は高値安定をし続けてきました。最近ようやく、過熱感にちょっと落ち着きが出てきたように感じます。とはいっても、新しめの旧型911とさほど変わらない中古車相場には驚かされますが…。ポルシェの一時代を築いた空冷エンジンは、独特なサウンドを発し独特なフィーリングをもたらし、今後も車好きに愛され続けることでしょう。そういう意味では、長くつき合える一台です。


第9位はホンダビート(絶版)。ミッドシップ・オープン2シータースポーツカーです。それを軽自動車で実現させてしまったんですから、予算的にも気持ちの面でもホンダには“ゆとり”があったんでしょうねぇ(笑)。奇跡の車、と呼んでもいいかもしれません。バブル期の勢いを感じながら、オープンエアも満喫できて、軽自動車らしからぬパフォーマンスはいつの時代にも新鮮さをもたらすことでしょう。キュートなクラシックカーとしてつき合えます。


第8位はメルセデス・ベンツSクラス(旧々々型)。すでに中古車市場では「ネオクラシック」と評価されていて、アナログな趣という点では王道な選択肢と言えるでしょう。流通台数がグッと減ってきましたから、ラストチャンスとしてオススメしておきます。金庫のようなボディ、たっぷりとしたバネのストロークを感じさせる乗り心地、必要にして十分なパワー、どれをとっても20年前の車とは思えない高性能ぶりです。かつての最高級車ですが、リーズナブルです。


第7位は日産セドリックセダン(現行)。ハイヤーや覆面パトカーとして用いられる、時代遅れなほどカクカクしたデザインが売りです(笑)。1991年から現在も生産され続けていることを考えれば、根強い需要があるんでしょう。フワッとした乗り心地で日本流の快適性を追い求めている雰囲気は、トヨタクラウンと相通じるものがあります。何の変哲もないインテリアは、古くから慣れ親しんだ“シンプル”さがイイのかもしれません。昔ながらの「セダン」です。


第6位はランドローバーレンジローバー(旧々型)。最近でこそ高級SUVは珍しくありませんが、かつてはランドローバーの独壇場だったと言ってもいいでしょう。さすがに旧々型レンジローバーは現代のSUVと比較すると古臭い走りかもしれませんが、歴史の1ページを所有するような雰囲気すらあります。運転席からの視界の広さは独特で、一度味わうとクセになるでしょう。内外装のクラシカルなデザインは愛らしさも漂っていて、飽きがきにくいでしょう。

Report / 古賀 貴司