ポルシェ 911 GT3 RS|伊達セレクション
ポルシェ 911であっても通常の水冷モデルは比較的順当に値落ちするが、GT3などの希少モデルはフェラーリ並みに鉄板なリセール額となる場合が多い。写真上のGT3 RSのような超希少なモデルはさらにその傾向が強いだろう。写真下はアストンマーティンのV8ヴァンテージ。ちょっと前までの英国ではアストンマーティンは「Sir」が付く人専用の車だったとか?
アストンマーティン V8ヴァンテージ|伊達セレクション
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庶民がスーパーカーに乗れる不思議の国、ニッポン

その昔「エキゾティック・ジャパン!」と歌中で叫んだのは郷ひろみだが、筆者は今、「クラスレス・ジャパン!」と笑顔で叫びたい。実際問題としての様々な格差は存在する日本社会だが、いわゆる身分制度の名残りのようなものは皆無である。それゆえ、例えば仙台藩の農民の子孫である筆者が明日からフェラーリに乗っても、空気的にはまったくOKなのだ。買う金さえあれば、だが。

欧州ではなかなかそうもいかない。いや、人から聞いた話や書物から得た知識でしかないが、彼の地では階級制度の名残りが今なお色濃いというではないか。仮に買えるお金があったとしても、いわゆるフツーの人がフェラーリやアストンマーティンに乗るのは許されにくい。もちろんそれを禁ずる法律などあるはずもないが、暗黙の了解というか不文律により禁じられている、らしい。

しかしクラスレスな日本では、誰がどんな車に乗ろうが文句を言う者はいない。それどころか「6畳一間のアパートで即席ラーメンを食いながらフェラーリを維持する」みたいなド根性物語が、ある種の美談として語り継がれたりするほどだ。そんなド根性スーパーカーライフを英国人に言ったところで「What? …Ridiculous!(は? …馬鹿じゃねーの!)」と一蹴されるのがオチだろう。

長期ローン+高リセール価格の合わせ技を使えば誰でも買える?

というわけで、せっかくそんな「自由の国」に住んでいるのだから、その特権を利用しない手はない。欲しくない人が無理に買う必要はないが、いわゆるハイパーで貴族的な輸入車に乗りたいのであれば、どんどん乗るべきである。彼の地では乗りたくても乗れない(らしい)人がいるのだから、この特権は行使しないことには罰すら当たるだろう。

当然、そういったハイパーで貴族的な輸入車を購入するにはそれなりの大金がかかる。しかしそのマネーを得るために行う様々のこと、すなわち今現在の生活や仕事のやり方・在り方を再考し、必要があれば生活スタイルを変えること。あるいは収入構造の複線化を図ること。そして自分のドリームに向けて邁進すること……といった一連の行為はきっと、車を得るだけでは収まらない何らかの良き変化を、あなたにもたらすはずだ。

そしてまぁぶっちゃけ言ってしまえば、フェラーリ全般やポルシェ911のGT3などはリセール価格が非常に高額となる場合が多いため、超長期ローンであっても比較的安心して組めるというのもある。取材に基づく筆者の勝手な推計だが、取得金額1000万円級の中古フェラーリは、コンディションを極度に悪化させない限り、2年後に売却するとしたら800万円以上の値はつくだろう。ということは、フェラーリであっても実は「1年あたり100万円程度のお買いもの」相当でしかなかったりするのだ。ある意味安いモノではないか。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
ハイパーで貴族的な車、乗っちゃっても構わないんです!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE