スバル レガシィアウトバック▲今回の4台はいずれも路面状況に応じて前後輪に駆動を配分してくれる4WDを搭載。また地上高も高いため、荒れ地や雪道でも難なくこなせる

「ちょい低SUV」こそ、アウトドアに最適!?

キャンプといえばSUVかミニバンが定番で、どちらも室内空間が広いということが人気の一因だろう。そのため、例えばSUVならトヨタ RAV4や日産 エクストレイルなど、室内高のあるモデルが一般的だ。

しかし、ひと言でSUVといっても各車の祖先は多彩で、ランドローバーのようにオフローダーを祖にもつ車もあれば、キャデラックエスカレードのようにピックアップトラックをルーツとする車もある。

また、トヨタ ハリアーやBMW X5のような、セダンのプラットフォームを使って室内高のあるボディを作り、地上高を上げたSUVもある。ちなみに今やSUVといえばこのタイプが主流となっている。

そしてスバル レガシィアウトバックのように、ステーションワゴンの地上高を高めてロードクリアランスを確保したタイプのSUVは、今も根強く販売されている。

しかも主流タイプの傍流に追いやられたことで、一般的なSUVとは異なるフォルムが魅力のひとつになっている。

ステーションワゴン由来ゆえ、積載量に問題はない。また、ルーフコンテナを装備しても、一般的なSUVと比べて車高が低いので荷物をコンテナに載せやすい。あるいは、ルーフにサーフボードやスノーボードも簡単に載せられる。

車高が低いと、小さな子供やお年寄りが乗降がしやすいといったメリットもある。

つまりステーションワゴン由来のSUVには、「車高が低い」ことで他のSUVとはひと味違うスタイルを備え、しかも使い勝手がいいというメリットがある。

今回はその中でも、全長4.7m以上で支払総額200万円以下から狙える、2010年式以降のステーションワゴン系SUVを選んでみた。

いずれも全長・ホイールベースが長いこともあり、積載量が大きくて乗り心地もよいため、家族や仲間の荷物をたっぷり積んでロングドライブに出かけられるモデルばかりだ。

アイサイトver.3を標準搭載でロングドライブもラクチン
スバル レガシィアウトバック(現行型)

スバル レガシィアウトバック▲上級グレードのリミテッドは乗り心地と操作性を高めた新型のサスペンションや、電動でリアゲートを開閉するパワーリアゲートを標準装備
スバル レガシィアウトバック▲5名乗車時のラゲージ容量は559L。荷室長1062mm×荷室最大幅1346mm×荷室高824mm。後席ドアの開口部にステップが用意されていて、ルーフへの荷物の積み降ろしがしやすい


レガシィツーリングワゴンの地上高を高めたモデルが、レガシィアウトバックだ。とはいえベースだったツーリングワゴンが現行型からなくなり、もはやレガシィといえばアウトバックか、セダンのB4のみとなった。

2014年に登場した現行型は、同社独自の安全技術アイサイトのver.3を標準装備。衝突被害軽減ブレーキはもちろん、全車速追従機能付きクルーズコントロール機能が備わるので、ロングドライブでの疲労が軽減されやすい。

全車2.5L水平対向4気筒エンジン+6速パドルシフト付きCVTの組みあわせ。滑りやすい路面や急な下り坂などでエンジンや四輪、ブレーキなどを統合制御することで、悪路走破未経験者でも安心してハンドルを握れるX-MODEを標準装備する。

また、ステアリングヒーターや後席シートヒーターなど、ウインターシーズンにありがたい装備が標準で備わるのもうれしい。

デビュー時の車両本体価格は313万2000円から。原稿執筆時点(2019年8月7日)で走行距離5万kmでも支払総額200万円以下から見つけることができる。

▼検索条件

スバル レガシィアウトバック(現行型)×総額200万円以下×全国

長年のノウハウが生かされた使い勝手のいいラゲージが魅力
ボルボ XC70(2代目)

ボルボ XC70▲全長4840mm×全幅1890mm×全高1605mm。最低地上高はV70より45mm高い190mm。XC70の名は途絶えたが、今は現行型V60クロスカントリー(全長約4.8m)やV90クロスカントリー(全長約4.9m)としてその系譜は引き継がれている
ボルボ XC70▲通常で575L、リアシートを倒せば1600Lの広いラゲージが生まれる。床下収納の他、ラゲージを手前と奥に仕切ったり、小物を載せるシェルフを備えたりなど、フレキシブルに使えるラゲージ


ボルボ XC70は、もともと1997年にステーションワゴンV70の1グレードとしてラインナップされたV70クロスカントリーが始まりだ。

後にV70XCとして独立、そしてXC70と名称が変わったが、2015年に登場したV60クロスカントリーと入れ替わるようにラインナップから外れた。

紹介するのはXC70としては2代目となるモデル。V70をベースに地上高を上げて2007年にデビューした。

デビュー時は3.2Lターボ+6速AT+4WDの組み合わせのみだったが、2009年に3Lエンジンとなった(T6 SE)。

さらに、2014年に2Lターボ+8速AT+2WDのT5ダイナミックエディションが、2015年には同様のスペックをもつT5クラシックが追加されている。

240の頃からステーションワゴンを作り続けている同社だけに、ラゲージの使い勝手の良さが最大の魅力だ。

さらに、2011年に衝突被害軽減ブレーキのシティセーフティを全車に標準装備したのをはじめ、年々安全機能を充実させている。

今回の条件の「2010年式以降×総額200万円以内」で絞ると、原稿執筆時(2019年8月7日)にヒットするのは3Lターボを搭載したT6 SEのみ。走行距離は5万km超のものが多い。

ちなみに新車時価格629万円から。高級車の部類に入ると言って良いだろう。

まだまだ総額200万円以内で狙える物件は少ないため、タイミングよく見つけることができたら早めにチェックした方が良さそうだ。

▼検索条件

ボルボ XC70(2代目)×2010年式以降×総額200万円以下×全国

日本市場のフラッグシップらしい豪華な仕立てがウリ
フォルクスワーゲン パサートオールトラック(初代)

フォルクスワーゲン パサートオールトラック▲全長4785mm×全幅1820mm×全高1560mm。最低地上高はパサートヴァリアントより30mm高い165mm
フォルクスワーゲン パサートオールトラック
▲5名乗車時のラゲージ容量は603L。荷室最大幅1300mm×荷室高830mm。後席を畳めば荷室長は最大で1940mmになる


2012年に発売された、フォルクスワーゲン パサートオールトラック。ステーションワゴンのパサートヴァリアントの最低地上高を高め、路面状況に応じて駆動配分を変える4WDシステム「4MOTION」を搭載したモデルだ。

2Lエンジン+6速AT(デュアルクラッチMT)+4WDの組み合わせ。衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きクルーズコントロール機能、ドライバー疲労検知システムなど当時の同社の最新安全技術が標準装備されている。

日本では同社のフラッグシップとなるパサートゆえ、ナッパレザーのスポーツシートを装備するなど、上質な室内空間を備えているのも魅力のひとつだ。

また4MOTIONは30km/h以下で、急な下り坂で車速を自動制御するヒルディセントコントロールや、悪路での制動距離を縮める「ABSプラス」など5つの機能を備えているなどオフロードでの機動性も高い。

デビュー時の車両本体価格は494万円。支払総額200万円以下で狙える物件も多く、約180万円では2012年式の走行距離約5万kmが狙える。総額約100万円の物件が見つかることも!

▼検索条件

フォルクスワーゲン パサートオールトラック(初代)×総額200万円以下×全国

ライバルCクラスや3シリーズには行けない道も行ける
アウディA4オールロードクワトロ(旧型)

アウディ A4オールロードクワトロ▲全長4720mm×全幅1840mm×全高1495mmと当時のライバル・メルセデスベンツ CクラスワゴンやBMW 3シリーズツーリングよりも大きなボディサイズ。最低地上高はA4アバントより40mm高い160mm
アウディ A4オールロードクワトロ▲ラゲージ容量は490L。他の3台と比べると少なく感じるかもしれないが、ライバルのCクラスや3シリーズよりも広い


2001年に当時のA6アバントをベースとしたオールロードクワトロが、その後2006年にはA6オールロードクワトロとしてフルモデルチェンジしたが、2009年で販売が終了。

そして2010年、オールロードクワトロの第3弾として登場したのが、A6ではなくA4アバントをベースにしたこのA4オールロードクワトロだ。

最低地上高を高め、同社独自の4WDシステム「クワトロ」合わせることで、ライバルのメルセデスベンツ CクラスワゴンやBMW 3シリーズツーリングにはない、「どんな道でも」安心して走れるモデルとして初回は250台限定で販売された。

その後も毎年台数限定で販売され、ようやく2014年8月からカタログモデルとなった。ちなみにA6オールロードクワトロも2012年と2013年に限定販売されたのち、2014年8月からカタログモデルとなっている。

2Lターボ+7速AT(デュアルクラッチMT)+4WDの組み合わせ。全車速追従クルーズコントロールやレーンキープアシストはオプション装備だが、それでもリアビューカメラやフロントシートヒーター、電動テールゲートを標準装備(2014年モデル)している。

カタログモデルとなった2014年の車両本体価格は617万円。原稿執筆時点で支払総額200万円以下となると2011年や2012年の限定車がほとんどで、走行距離は3万~10万km超と幅広い。

▼検索条件

アウディ A4オールロードクワトロ(初代)×総額200万円以下×全国

ちなみに今回取り上げた4台は、いずれもステーションワゴンより乗り心地がマイルドでしっとりしていると、評価の高いモデルばかり。

そんなロングドライブも得意な「ちょい低SUV」で、家族や仲間とアウトドアをガンガン楽しもう!

文/ぴえいる、写真/スバル、ボルボ、フォルクスワーゲン、アウディ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。