ミニコンバーチブル ▲走りもビジュアルも素晴らしく、なおかつサイコーの“開放感”も味わえる現行型ミニコンバーチブル。とはいえ、新車で買うとなるとけっこう高額なのがネックなのですが、中古車であればかなりお手頃な選択肢も多いこと、ご存じですか?

中古車なら新車のおおむね3分の1の予算で狙える場合も

しゃれたデザインと小気味よい走りで大人気の現行型ミニ。その中でも4人乗りのオープンモデルである「ミニコンバーチブル」は特にしゃれた存在だといえるでしょう。最近のオープンカーの中ではAピラーがあまり寝ていないため、いわゆる開放感もサイコーです。

とはいえサイコーなだけあって、現行型ミニコンバーチブルは決してお安い車ではありません。

「クーパーS」というグレードを新車で買うとなると車両本体だけで457万円ですし、そこに様々な(本当に様々な!)オプショナルパーツを装着していくと、支払総額は600万円を軽くオーバーします。

しかしながら、同じ現行型ミニコンバーチブルでも「中古車」の方に目を向けてみれば、お安いものなら総額250万円くらいから狙うことができますし、最新の新車とまったく変わらない仕様である2021年5月以降のモデルを、新車で買うよりもずいぶんお安い支払総額で入手することだってできるのです。

ということで、手頃な前期型から超最新世代までの幅広い選択肢がある「中古の現行型ミニコンバーチブル」の中古車事情ついて、そのモデル概要を含めて整理してみましょう。
 

ミニコンバーチブル▲この何ともいえない開放感がミニコンバーチブルの魅力。それを中古車として賢く手に入れるための方策をいろいろ考えてみましょう!

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × 全国
 

モデル概要・デザイン:少し大きくなったが、依然“ミニ”ではある

通算3代目となる現行型のミニコンバーチブルが日本で発売されたのは2016年3月のこと。同じく3代目である「固定屋根をもった現行型ミニ」より2年遅れでの登場でした。

ボディサイズは全長:3835mm × 全幅:1725mm × 全高:1415mm。

先代(2代目コンバーチブル)よりも135mm長く、40mm幅広にはなりましたが、決してバカでかくなったわけではないため、「まずまずミニなサイズ感」と言うことができるでしょう。

ミニコンバーチブル▲現行型ミニコンバーチブル前期型のビジュアルはおおむねこのような感じ。写真のグレードはクーパーS
ミニコンバーチブル▲電動ソフトトップはオープン時、写真上のような蛇腹状でボディ後端付近にたたまれる

ルーフは初代、2代目と同様の電動開閉式ソフトトップで、ボディの後端に蛇腹状に折りたたむ収納方式。前端から40cmまでの部分をサンルーフのように開閉できる「スライディング・ルーフ機能」も、従来モデルから引き継がれました。

開閉に要する時間は両方向とも18秒で、車速30km/h以下なら走行中でも開閉操作が可能です。

インテリアはリアシートの居住性が従来モデルから改善され、室内幅が約30mm、足元スペースの縦方向の長さが40mm拡大されています。

また、トランクルームの容量も先代から25%拡大され、下開きのテールゲートに加えてトランクルームの上部を開くことでもできる「イージーローディング機能」が採用されました。
 

ミニコンバーチブル▲18秒で開閉可能な電動ソフトトップを閉めると、このようなフォルムに
ミニコンバーチブル▲オプションによって実際の細部はいろいろ異なるが、運転席まわりはおおむねこのようなデザインと世界観
ミニコンバーチブル▲ボディサイズの割にフロントシートはそこそこたっぷりとしたサイズ
ミニコンバーチブル▲荷室容量はソフトトップを閉めた状態で215L、オープン状態でも160Lが確保されている

2018年5月に最初のマイナーチェンジを行い、新しいMINIのロゴを採用するとともに、LEDのデイライトランニングライトを搭載。

リアコンビネーションランプにはユニオンジャックのデザインを採り入れインテリアパネルにもユニオンジャックのモチーフが採用されました。

ミニコンバーチブル▲2018年5月のマイナーチェンジを受けたモデル。リアのコンビネーションランプにユニオンジャックが描かれているのが大きな特徴

そして2021年5月には2度目のマイナーチェンジを行い、フロントグリルが全体的に大きくなるとともに、そのフレームがより太いものに。そしてLEDヘッドライトが全車標準になり、従来はフォグランプが装着されていたフロントバンパー下部にエアカーテンを設け、バンパーの中央部分は従来のブラックからボディ同色に変更されました。

インテリアでは、レザーステアリングホイールやタッチ式の8.8インチセンターディスプレイが全車標準となり、よりモダンで洗練された印象の車内空間に刷新されています。
 

ミニコンバーチブル▲こちらは2021年5月に2度目のマイナーチェンジを受けた直近の世代。フロントグリルが大型化され、なおかつグリルのフレームが太いタイプに変更された
 

パワーユニット:1.5L 直3ターボと、2種類の2L 直4ターボを用意

現行型ミニコンバーチブルに用意されているグレードは、特別仕様車や限定車を除くと「クーパー」「クーパーS」「ジョン・クーパー・ワークス(以下、JCW)」の3種類。それぞれのパワートレインは下記のとおりです。

【前期型(2016年3月~2018年4月)】
●クーパー:1.5L 直3ターボ(最高出力136ps)+6速AT
●クーパーS:2L 直4ターボ(最高出力192ps)+6速AT
●JCW:2L 直4ターボ(最高出力231ps)+6速AT

【後期型(2018年5月~)】
●クーパー:1.5L 直3ターボ(最高出力136ps)+7速DCT
●クーパーS:2L 直4ターボ(最高出力192ps)+7速DCT
●JCW:2L 直4ターボ(最高出力231ps)+8速AT

クーパー/クーパーS/JCWの違いは、主には上記のとおりの「パワーユニットの違い」なわけですが、クーパーとクーパーSではフロントグリルやボンネット、リアバンパーやマフラーのデザインもいろいろと異なっています。

当然ですが「クーパーSの方がよりスポーティに見える」というデザインになっています。

また、最強グレードであるJCWは強力なエンジンが搭載されているだけでなく、様々な部分が専用品になっているため、デザイン面でも走行フィールと実際の諸性能の部分においても、クーパーやクーパーSとは別格です。
 

ミニコンバーチブル▲こちらはクーパー。リアマフラーは左側から1本だけ出ている
ミニコンバーチブル▲こちらはクーパーS。マフラーはディフューザー付きリアバンパーの中央部分からの2本出しとなる
ミニコンバーチブル▲すべてが特別仕立てであるジョン・クーパー・ワークス。エンジンもブレーキも強力だ

そんなJCWの走りが超強烈であり、1.5L 直3ターボのクーパーよりも、2L 直4ターボを積むクーパーSの方がパワフルであることは言うまでもありません。

とはいえ、1.5Lターボのクーパーであっても力感は十分以上であり、走行フィールもきわめてスポーティであることは申し添えておきます。
 

 

中古車のオススメ①:なるべく安く買いたいならグレード不問で前期型

現行型のミニコンバーチブルを「なるべくお安く入手したい!」と考えるのであれば、狙い目は前期型、すなわち2016年3月~2018年4月までに生産されたクーパーまたはクーパーSとなります。

それの走行距離4万km台ぐらいまでの物件を、総額250万~290万円ぐらいのレンジで探すのが得策です。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × 前期型
ミニコンバーチブル▲こちらが前期型のクーパー。写真は英国仕様

価格的には当然ながら「クーパーSよりクーパーの方が安い」という基本的な傾向はあるのですが、両者の“グレード差にもとづく価格差”はさほど大きくはありません。

「2L 直4ターボのクーパーSよりも、コンディションとオプション装備の内容が良い1.5L 直3ターボのクーパーの方がちょっと高い」みたいなことはザラにあります。

そして前述したとおり1.5L 直3ターボであるクーパーでも走りの質とフィーリングは十分以上ですので、総額200万円台で現行型ミニコンバーチブルを探す場合はグレードにこだわらず、「とにかく中古車としてのコンディションとオプション装備の内容が良く、なおかつボディカラー等々を見てピンときたものを選ぶ」という買い方が正解です。
 

 

中古車のオススメ②:後期型狙いなら総額300万円台のクーパーまたはクーパーS

「総額300万円台までなら出す用意がある!」というのであれば、俗に言う後期型、2018年5月以降の「リアコンビネーションランプのデザインがユニオンジャック調になった世代」を見つけることができます。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × 後期型
ミニコンバーチブル▲2018年に最初のマイナーチェンジを受けた世代のクーパーS。写真は欧州仕様

その場合、300万円前半の総額であれば1.5Lターボのクーパーが、300万円後半の総額であれば2LターボのクーパーSが射程圏内となります。エンジンパワーや走りの観点から言うのであれば、どちらを選んでも良いでしょう。

いずれの走りも十分以上ですし、トランスミッションが7速DCTに変更されたことによるキビキビ感のようなものも、両者共通です。

こちらにおいても総額200万円台で前期型クーパー/クーパーSを探す場合と同様に「グレードにこだわるのではなく、中古車としてのコンディションとオプション装備の内容を吟味し、そのうえでボディカラー等々を見てピンとくるかどうか」で判断するのがオススメです。
 

 

中古車のオススメ③:予算に余裕があるなら2021年5月以降の最新世代も狙い目

「2021年5月以降の、新車と買うのとまったく同じデザインの世代が欲しいのだ!」と考える方もいらっしゃるでしょう。

その場合は総額500万円ちょいの予算を用意すれば、流通量はやや少なめですが、2021年式で走行距離1万km前後の最新型クーパーSを見つけることができます。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × 2021年5月~
ミニコンバーチブル▲直近のマイナーチェンジを経た2021年5月以降のモデル。写真のグレードはクーパーS

「総額500万円ちょい」というのは決してお安い予算ではありませんが、457万円の新車にもろもろのオプションを付けて、諸費用も支払った場合の総額と比べるならば「まあまあ安い」と言うことはできるはず。

そして今、何かと納期が遅れている新車と違って中古車は「ほぼ即納」ですので、その部分でも大いに魅力的ではあるかもしれません。
 

 

中古車のオススメ④:走りも極めたいならやはりジョン・クーパー・ワークス

ゆったり優雅に走るのが4座オープンカーの本懐ではあります。とはいえ、ミニの場合は「超スポーティにも走りたい!」という欲望も湧いてくるものです。

そんな場合には、当然ながらジョン・クーパー・ワークス(JCW)を選ぶのが一番です。

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × ジョン・クーパー・ワークス

足回りはかなり硬めですので「ゆったり優雅に」というニュアンスの走りにはやや不向きですが、下手なスポーツクーペ以上の痛快さと爆発的な加速性能を堪能したいのであれば、JCWはやっぱり素晴らしい選択肢です。
 

ミニコンバーチブル▲強力なエンジンを搭載するジョン・クーパー・ワークス。写真は6速ATの前期型
 

6速ATだった前期型JCWで良しとするなら、総額300万~380万円付近のレンジでまずまず低走行な1台を見つけることができます。

8速ATに進化した後期型(2018年5月~)がいいという場合は総額420万~460万円付近のレンジで、走行距離2万km前後の2018年式が見つかるでしょう。

前期型も後期型もさすがにお安いプライスではありませんが、ミニコンバーチブルJCWは、それだけの価値はある超絶オープンカーであることは間違いありません。

いずれにせよ現行型ミニ コンバーチブルの中古車は、様々な意味で人生の良質なスパイスになってくれるはずのナイスな選択肢です。ご予算や趣味嗜好に合わせて前期型から最新型まで、ぜひこの機会にさらなるチェックをしてみることをオススメいたします。
 

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ミニ ミニコンバーチブル(現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/ミニ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。