ランドローバー レンジローバーイヴォーク ▲大人気の英国製プレミアムコンパクトSUV「ランドローバー レンジローバー イヴォーク」の現行型中古車が今、その平均価格を大きく下げています。このチャンスに現行型レンジローバー イヴォークを狙うとしたら、どんなグレードをいくらぐらいで狙ってみるべきなのか、考えてみることにしましょう!

ここ1年で中古車平均価格は105万円もダウン!

2019年6月に上陸した2代目ランドローバー レンジローバーイヴォーク(以下、レンジローバーイヴォーク)。コンパクトなサイズの中に最高レベルのスタイリッシュ感とプレミアム感が詰まっているSUVとして大人気となっていますが、そんな2代目レンジローバーイヴォークの中古車平均価格が今、大きく下がっています。

▲2代目レンジローバーイヴォークの解説動画はこちら!

まずは下のグラフをご覧ください。

レンジローバーイヴォークの中古車価格推移グラフ

2023年1月は647.7万円だった2代目レンジローバー イヴォークの中古車価格ですが、2024年1月には542.1万円に。1年間で実に105万円以上もダウンした計算になります。

そんなお手頃水準になった2代目レンジローバー イヴォークの魅力をあらためてチェックするとともに、今オススメの選び方や買い方について徹底研究してみることにしましょう。

 

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ランドローバー レンジローバーイヴォーク(2代目・現行型) × 全国
 

【モデル概要】よりスタイリッシュに洗練されたプレミアムコンパクトSUV

まずは2代目レンジローバー イヴォークのモデル概要について振り返ってみましょう。

プレミアムでスタイリッシュなコンパクトSUVであるレンジローバー イヴォークの初代モデルが上陸したのは2011年12月のこと。英ランドローバーが2008年に発表したコンセプトカー「LRX」ほぼそのままの斬新で美しいデザインを伴って初代レンジローバーイヴォークは各方面に衝撃を与え、そして中身的にもきわめて本格派であったことから大ヒットを記録。2019年5月まで好評のまま販売が続きました。

そして同年5月30日にフルモデルチェンジを受けて登場したのが、現在も新車としての販売が続いている2代目レンジローバーイヴォークです。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲こちらが2代目(現行型)ランドローバー レンジローバー イヴォーク

エクステリアは、ひと目でイヴォークとわかる独特のクーペ的スタイルを継承しつつ、よりモダンで精緻なデザインに。よりスリムになったヘッドランプとテールランプが“新しさ”を印象づけるとともに、大きく張り出した前後フェンダーが力強さを際立たせています。

インテリアは引き続き水平基調のデザインを採用しながらも、デュアルタッチスクリーンシステムやフルデジタルメーター、車両の前方下部を上部タッチスクリーンに映し出す「グランドビュー」機能などにより、先進的なイメージが強調されました。

ボディサイズは全長4371mm×全幅1904mm×全高1649mm。初代に比べて全長と全幅は拡大されましたが、全高は逆に低められています。またホイールベースが21mm伸びたことで、後席のスペースは拡大されています。さらにラゲージスペース旧型比で約1割増しの591Lになりました。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲動画内の解説にもあったとおり、屋根が浮いているように見える「フローティングルーフ」というデザイン処理が秀逸なサイドビュー
ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲外観イメージは従来型から踏襲しつつも、中身は完全新設計。プラットフォームには電動パワートレインにも対応する「プレミアム トランスバース アーキテクチャー」が初採用されている
ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲すっきりとした印象の運転席まわり。「ボタン」はハザードスイッチぐらいで、その他の操作はタッチスクリーンまたはステアリングスイッチを通して行われる
ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲荷室容量は先代モデル比で約1割増しの591L。最大1383Lまで拡大可能

日本に導入されたパワーユニットは2L直4ターボの「インジニウム」エンジンで、まずはディーゼルターボの「D180」(最高出力180ps/最大トルク430N・m)と、ガソリンの「P200」(同200ps/同320N・m)および「P250」(同249ps/同365N・m)をラインナップ。その他、マイルドハイブリッド機構付きの「P300 MHEV」(同300ps/同400N・m)も用意されました。トランスミッションは全車9速ATで、駆動方式はフルタイム4WDです。

その後2020年12月には、2L直4ディーゼルターボである「D180」に替えて、2Lディーゼルターボにマイルドハイブリッド機構を組み合わせた「D200」を新たに設定。そしてマイルドハイブリッド付き2Lガソリンターボの「P300」はカタログ落ちに。そして2021年8月には、初のプラグインハイブリッドモデルとして「P300e」を追加。これは最高出力200psの1.5L直3エンジンにモーターを組み合わせ、309psのシステム最高出力を発生。トランスミッションには専用の8速ATが与えられています。

そして2023年7月には初めてのマイナーチェンジを行い、フロントグリルとライトのデザインを一新。クーペのようなシルエットやフローティングルーフといった特徴はそのままに、レンジローバーファミリーとして統一感のある外観になりました。またインテリアも、従来のスイッチ類をインフォテインメントシステム「Pivi Pro」に統合し、よりクリーンで洗練されたデザインに進化しています。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲2023年7月に予約注文の受付が開始された2024年モデル。他のランドローバー車との統一感が感じられるフロントマスクに変更された

以上が現行型となる2代目レンジローバーイヴォークのヒストリーとなります。 今回は下記リンクから、自動車テクノロジーライター松本英雄さんによる、2代目レンジローバーイヴォークに関する非常にわかりやすい解説動画に飛ぶこともできます。よろしければぜひこちらもご覧ください。

では、次章以降今のオススメ物件を検証してみましょう。

 

【中古車のオススメ1】なるべく安く買いたいなら「S P200」
予算目安:総額400万~450万円

2代目レンジローバーイヴォークを「とにかく安く買いたい」ということでしたら、まず候補となるのは最高出力200psの2L直4ガソリンターボを搭載するP200のベースグレード「P200」です。これであれば走行2万km台から4万km台までの物件を、総額350万~400万円のゾーンで見つけることができるでしょう。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲P200系のベースグレードである「P200」

ただしベースグレードであるP200には2つの問題点もあります。ひとつは「装備がやや物足りない」ということです。

P200系はベースグレードである「P200」と、中間グレードの「S P200」、そして上級グレード「SE P200」の3種類に分かれているのですが、最もベーシックなP200はシートもファブリックのマニュアル調整式で、ホイールも17インチ。そしてコネクティビティ機能なども、中間グレード以上と比べるといささか貧弱です。

またもうひとつの問題として「そもそも流通量が少ない」というのもあります。先ほど「総額350万~400万円のゾーンで見つかる」という意味のことを述べましたが、その価格帯に該当するP200は3台しかありません(※2024年3月上旬現在)。そのため、P200は確かに安いのですが、実際に買う場合のオススメにはなりづらいといえます。

実際の購入局面を考えるのであれば、「なるべく安く買える2代目イヴォーク」のひとつは「S P200」でしょう。これはP200系の中間グレードで、ホイールが18インチになる他、フロントシートはパーフォレイテッドレザーの10ウェイパワーシートとなり、「ナビゲーションプロ」や「コネクトプロ」なども標準装備。そして総額400万~450万円のゾーンで10台ほどが流通していますので、比較的吟味しやすいはずです。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲まずまず充実した装備となる中間グレード「S P200」

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ランドローバー レンジローバーイヴォーク(2代目・現行型) × 「S P200」×全国

そしてもうひとつの候補としては、さらに1段階お高い「総額450万~500万円」にはなってしまうのですが、初期のディーゼルターボ車の中間グレード「S D180」が挙げられます。中間グレードですので装備面での不満はほとんどなく、ディーゼルターボエンジンならではの力感も魅力的。そして前述の価格帯で7台ほどが流通していますので、まずまず吟味しやすいとはいえるでしょう。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲「D180」は、最高出力180ps/最大トルク430N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載する初期のディーゼルグレード

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【中古車のオススメ2】高コスパなイヴォークが欲しいなら「SE P250」
予算目安:総額450万~510万円

なるべく高コスパな、つまり装備などが充実している、値段の割にお得な2代目レンジローバー イヴォークを1グレードだけ選ぶとすれば、最高出力249psの高出力型2L直4ガソリンターボエンジン搭載車の上級グレード「SE P250」ということになるでしょう。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲P250系は、P200系よりも高出力な2L直4ガソリンターボを搭載する

こちらはエンジンの力感については当然ながらP200以上で、そして上級グレードであることから、フロントシートは14ウェイのパワーシートとなり(もちろん表皮はパーフォレイテッドレザーです)、センターコンソールのディスプレイは「TOUCH PRO」ではなく、より高精細なデュアルタッチスクリーン「TOUCH PRO DUO」と「インタラクティブドライバーディスプレイ」という組み合わせになります。

さらに灯火類はデイタイムランニングライト付きの「プレミアムLEDヘッドライト」となり、好みにもよりますが、一般的的には「よりカッコいい」とされている20インチの大径ホイールが標準装備です。

このようにパワーとゴージャス感を兼ね備えたSE P250の新車時価格は646万円でしたが、中古車であれば、走行1万km台から2万km台までの物件を総額450万~510万円付近で見つけることができます。流通量がやや少ないのが難点ではあるのですが、コスパは間違いなく高いといえるでしょう。

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また、もしも総額570万~610万円ほどの予算を投入可能であれば、2022年2月に150台限定で発売された特別仕様車「ユーカリプタスエディション」も高コスパな選択肢です。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲こちらが特別仕様車「ユーカリプタスエディション」。写真のボディカラーはノリータグレー
 

ユーカリプタスエディションは、その名のとおり「ユーカリメランジテキスタイル&ウルトラファブリックPUシート」を採用した限定車。ユーカリメランジテキスタイルはユーカリ由来の天然素材で、ソフトな風合いや美しい光沢感が特徴です。そしてウルトラファブリックはポリウレタン素材ですが、本革に匹敵するしなやかな風合いと、高い通気性や抗菌性が持ち味です。

といいますか、ユーカリプタスエディションはそれに加えてブラックエクステリアパックや20インチホイール、プレミアムLEDヘッドライト(シグネチャーDRL付き)、パワージェスチャーテールゲート、MERIDIANサウンドシステム等々が装備されている点こそが魅力なのかもしれませんが、新車時価格778万円だったユーカリプタスエディションの中古車は、走行数千kmから1万km台の物件であっても総額570万~610万円ほどで狙うことができます。予算に余裕がある人にとっては、かなり高コスパな1台だといえるでしょう。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲ユーカリ由来の天然素材「ユーカリメランジテキスタイル」が使われているユーカリプタスエディションの前後シート

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ところでプラグインハイブリッド車の中古車事情はどうなってる?

1.5L直3ターボエンジンにモーターを組み合わせてシステム最高出力309psを発生させ、欧州WLTPモードで68kmのEV走行が可能になる2代目レンジローバー イヴォークのプラグインハイブリッド車は、かなり魅力的な存在ではあります。
 

ランドローバー レンジローバーイヴォーク▲2代目レンジローバー イヴォークのプラグインハイブリッド車であるP300e

しかし残念ながらその中古車流通量は少なく、2024年3月上旬現在で8台のみという状況。

プラグインハイブリッド車全体の中古車価格は総額700万~970万円といったところですが、これをグレードごとに分解すると以下のとおりとなります。

●Rダイナミクス S P300e|4台|総額700万~740万円
●Rダイナミクス SE P300e|1台|総額700万円
●Rダイナミクス HSE P300e|0台|――
●オートバイオグラフィ P300e|3台|総額950万~970万円
●ブロンズコレクション P300e|0台|――


いずれも中古車の数は希少ですが、比較的安価に狙いたいのであれば中間グレードの「Rダイナミクス S P300e」がターゲットとなり、ある意味「金に糸目はつけない!」というのであれば、最上級グレードである「オートバイオグラフィ P300e」を狙うことになるでしょう。

いずれのグレードを選ぶにせよ、自宅の近場で乗る場合にはほとんどエンジンが始動することはないでしょうし、ロングツーリングに用いる場合でも、床下に積まれたバッテリーがもたらす低重心な走りを堪能することができます。さらにはBEVと違って「電欠」の心配もありません。

中古車としてはかなり高額ですが、所得水準が高い人にとってはかなり素晴らしい選択肢になるはずです。
 

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文/伊達軍曹 写真/ジャガー・ランドローバー、尾形和美
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。