フォルクスワーゲン ゴルフ ▲2024年3月1日からフォルクスワーゲン ゴルフの新車価格が再び値上げされ、購入のハードルがさらに上がってしまった感はありますが、中古車の平均価格はこの1年で約60万円ほどダウンし、むしろ買いやすい状況になっています。ということで、現行型ゴルフの最新中古車状況をチェックしてみることにしましょう!

ゴルフの新車価格がじりじり上がる裏で、中古車平均価格は大幅ダウン

過日、フォルクスワーゲン ジャパンは2024年3月1日付けで一部モデルの新車価格を改定するすると発表。1974年の誕生から50周年を迎えた世界的輸入コンパクトカー「ゴルフ」もその例に漏れず、車両価格は約2%値上げされた。

今回の値上げ幅は約2%にとどまったが(※ゴルフ トゥーランとポロ、T-Rocは約3%)、フォルクスワーゲン ゴルフは2022年8月にも、仕様変更に伴って4.5%ほど値上げされている。つまりゴルフの新車価格は茹でガエル的に(?)じわじわと上昇し続けているのだ。

度重なる価格改定により「新車のゴルフ」は購入のハードルが上がり続けているわけだが、実はその裏で「現行型ゴルフの中古車」は大きく値を下げている。

下のグラフをご覧いただきたい。

ゴルフ8の中古車平均価格推移

2022年の後半は上昇トレンドだった現行型フォルクスワーゲン ゴルフの中古車平均価格だが、2023年に入ると一気にダウントレンドに転換。その結果、2024年1月の平均価格は326.6万円と、前年同月と比べて60.1万円もダウンしているのだ。また中古車の流通量(延べ掲載台数)も、2024年1月には「過去最多」に達している。

つまり現行型フォルクスワーゲン ゴルフとは、新車で買う分にはハードルがやや上がってしまったモデルではあるのだが、中古車で良しとするなら、そのハードルはむしろ下がっているのだ。

であるならば今、どんなグレードの現行型ゴルフを、いくらぐらいの予算で狙ってみるのが得策なのだろうか?

次章以降、あらためてそのモデル概要を振り返るとともに、中古車事情を詳細にチェックしてみることにしよう。
 

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フォルクスワーゲン ゴルフ(8代目・現行型) × 全国
 

【モデル概要】デジタル化と電動化が進んだ世界の定番ハッチバック

通算8代目となる現行型フォルクスワーゲン ゴルフ(通称ゴルフ8)が日本に上陸したのは2021年6月。プラットフォームは先代同様に「MQB」を採用しつつ、8代目ではデジタル化と電動化が積極的に推し進められた。

パワーユニットには48V電源システムとマイルドハイブリッドシステムをフォルクスワーゲンとして初採用。1L直3ターボエンジン(最高出力110ps)および1.5L直4ターボエンジン(同150ps)を、最高出力13ps/最大トルク62N・mのスタータージェネレーター(電気モーター)がアシストするという方式だ。トランスミッションは、いずれのパワーユニットにも7速DSGが組み合わされる。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲ラジエターグリルやヘッドライトはスリムでシャープなデザインに一新。空気抵抗係数も先代の0.30から0.275まで低減している
フォルクスワーゲン ゴルフ▲ボディサイズは全長4295mm×全幅1790mm×全高1475mm。先代よりも30mm長くなった一方、全幅は10mm、全高も5mmコンパクトになっている

インテリアも大幅なデジタル化が進み、全車にデジタルメータークラスターである「Digital Cockpit Pro」を採用。そしてそれと同じ高さにタッチ式のインフォテインメントディスプレイを配置し、エアコンの温度設定やオーディオの音量調節にはタッチ式のスイッチを用意。徹底的にプッシュスイッチやダイヤルを取り除くことで、すっきりとしたデザインが実現している。

また、インフォテインメントシステムには常時モバイルネットワークに接続可能なディスプレイオーディオ「Ready 2 Discover」を標準装着。ナビゲーションシステムの「Discover Pro」はオプションとして用意された。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲物理スイッチが極力廃されたゴルフ8のインパネまわり。写真のグレードはeTSI Rライン

運転支援システムは、プリクラッシュブレーキシステムの「Front Assist」やアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストシステム、後退時警告・衝突軽減ブレーキなどを全車に標準搭載。0~210km/hの範囲でアクセルとブレーキ、ステアリング操作をサポートする「Travel Assist」も全車標準装備だ。またフロントカメラで対向車や先行車を検知し、最適な配光によってハイビームが利用できる「IQ.LIGHT」は、最廉価グレード以外にオプションとして設定されている。

2021年6月の導入当初は、1Lエンジンを搭載する「eTSIアクティブ ベーシック」と「eTSIアクティブ」、そして1.5Lエンジンの「eTSIスタイル」および「eTSI Rライン」の4グレードをラインナップ。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲1L直3ターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる「eTSIアクティブ」
フォルクスワーゲン ゴルフ▲こちらは1.5L直4ターボエンジン+マイルドハイブリッドの「eTSIスタイル」
フォルクスワーゲン ゴルフ▲スポーティな専用エクステリアやスポーツサスペンション、ヘッドレスト一体型のスポーツシートなどを採用する「eTSI Rライン」

2022年1月には最高出力150ps/最大トルク360N・mの2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載する「TDI」を計4グレード追加し、同月には最高出力245psの強力な2L直4ターボを搭載する「GTI」も追加。

その後2022年8月に少々の仕様変更を行い、同年10月には最高出力320psの2L直4ターボを搭載する最強グレード「R」も追加した――というのが、現行型フォルクスワーゲン ゴルフの大まかなモデル概要とヒストリーだ。

それでは次章、具体的なオススメの検討に入ってみよう。
 

 

【中古車のオススメ1】なるべく安く買いたいなら「総額200万円台前半のeTSIアクティブ」

新車価格はじりじり上がり続けている現行型フォルクスワーゲン ゴルフを「なるべくお安い中古車として手に入れたい」と考える場合、想定される予算ゾーンは総額220万~250万円ぐらいになる。できれば総額100万円台の後半ぐらいで狙えたら良いのだが、さすがにそこまで安価な中古車は、ほとんど登場していない。

総額220万~250万円、つまり「200万円台前半」という条件に合致する現行型ゴルフの中古車流通台数は2024年3月上旬現在、おおむね下記のとおりとなっている。

【1Lエンジン車】
●eTSIアクティブベーシック:0台
●eTSIアクティブ:26台

【1.5Lエンジン車】
●eTSIスタイル:4台
●eTSI Rライン:0台


1.5L直4ターボエンジンを搭載するグレードは、総額200万円台前半では「探せないこともない」というぐらいの台数しかないため、ここでのターゲットは必然的に1L直3ターボエンジン搭載するグレードということになる。その中でも最廉価グレードであるeTSIアクティブベーシックは中古車がほとんど流通していないため、これまた必然的に「狙うべきはeTSIアクティブ」となる。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲1L直3ターボ+48V電気システムに、必要十分な装備類が組み合わされているeTSIアクティブ

eTSIアクティブでいく場合、ターゲットのイメージは「総額230万円前後で、走行1万km台から4万km台ぐらいの物件」ということになるだろう。付いているオプション装備は物件によりけりだが、IQ.LIGHTを含む「テクノロジーパッケージ」が装着されている中古車も多い。

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)× 総額250万円以内×eTSIアクティブ× 全国

基本的には1L直3ターボ+マイルドハイブリッドのeTSIアクティブでも、走りの面でも装備内容の面でも何ら不満は覚えないはず。しかし、中には「やはり3気筒ではなく、1.5Lの直4ターボがいい」と考える人もいるだろう。

確かに、1L直3ターボでも何ら不満はないものの「1.5L直4ターボの方がよりイイ」ということはできる。またリアサスペンションが1L車はトーションビームだが、1.5L車であれば4リンク式になるという部分に魅力を感じる人もいるかもしれない。

そんな場合は、想定予算を総額200万円台の前半ではなく“後半”にすれば、好条件な1.5L直4ターボ搭載グレードを見つけることができる。具体的には総額260万~290万円くらいで、走行1万km台から2万km台ぐらいのeTSIスタイルまたはeTSI Rラインが狙えるだろう。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲総額200万円台後半の予算を用意すれば、1.5L直4ターボエンジンを搭載する写真のeTSI Rラインや、eTSIスタイルの低走行車も十分に狙える

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)× 総額300万円未満×排気量1.5Lモデル× 全国
 

【中古車のオススメ2】ディーゼル狙いなら「総額300万円ちょいのTDIアクティブアドバンス」

ディーゼルターボエンジン搭載グレードが欲しい場合は当然ながら「TDI」を狙うことになる。そして2L直4ディーゼルターボのTDIは計4つのグレードに分かれており、それぞれの流通台数と中古車価格は現在、おおむね以下のとおりとなっている。

●TDIアクティブベーシック|0台|――
●TDIアクティブアドバンス|26台|総額290万~390万円
●TDIスタイル|14台|総額350万~410万円
●TDI Rライン|26台|総額310万~440万円

 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲こちらがTDIアクティブアドバンス
フォルクスワーゲン ゴルフ▲TDIスタイルの運転席まわり。シートはマイクロフリースを用いたスポーツコンフォートシートを採用
フォルクスワーゲン ゴルフ▲専用バンパーや5ダブルスポーク17インチアルミホイール、スポーツサスペンションなどを装備するTDI Rライン。ホイールはオプションの18インチが装着されていることもある

中古車がほぼ流通していないTDIアクティブベーシックはさておき、その他の3グレードはいずれも基本的な装備は普通以上に充実している。ただし「TDIスタイル」だとインテリアのトリムがより上質なものになり、「TDI Rライン」であればスポーティな意匠を堪能できる。

上記を踏まえたうえで、どれでもお好みのグレードを選べば良いわけだが、参考までに「それぞれの中心的な価格帯」を下記に記す。ご自身の好みと予算感を照らし合わせる際に、この数字をなんとなくイメージしていただけたら幸いだ。

●TDIアクティブアドバンス|総額310万円前後
●TDIスタイル|総額370万円前後
●TDI Rライン|総額350万円前後


車に関する好みと予算感は人それぞれであるため「これが絶対にベスト!」という答えはない。ただ、もしも個人的な意見を述べても良いのなら、「総額310万円ぐらいで、なおかつ走行1万km前後のTDIアクティブアドバンス」でも十分というか、十分以上であるように思う。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲上を見ればきりがないが、最も安価なTDIアクティブアドバンスでも諸性能と装備内容には何の不満も感じない場合が多いはず

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型)× 総額320万円未満×TDIアクティブアドバンス× 全国

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型) ×ディーゼル× 全国
 

ところで「GTI」と「R」の中古車状況はどうなってる?

中古車価格はまだ決して安くはないものの、最後に「GTI」と「R」の直近の中古車状況も確認しておこう。

ゴルフ8全体の中古車流通量は約320台と豊富だが、ハイパフォーマンスモデルである両者の流通量は少なめで、最高出力245psな2L直4ターボを搭載するFF車「GTI」は25台、同320psの2L直4ターボを積む4WD車「R」は12台にとどまっている。
 

フォルクスワーゲン ゴルフ▲初代から続く伝統的ホットハッチ「ゴルフGTI」の最新世代
フォルクスワーゲン ゴルフ▲こちらはGTI以上に強力なエンジンを搭載し、4MOTIONというフルタイム4WDシステムも採用する「ゴルフR」。ゴルフ6の時代から登場したスーパーハッチバックだ

そして現在、それぞれの中古車価格はおおむね下記のとおりである。

●GTI:総額380万~490万円
●R:総額610万~670万円


ゴルフGTIの方はギリギリ“庶民派”といえなくもない価格水準だが、最強グレードであるゴルフRは「高級車(高額車)」という呼び方が似合う価格水準だといえよう。

流通量が相対的には豊富なGTIは「総額400万円前後で、走行数千kmから1万km台ぐらいの2021~22年式を狙う」というイメージ。そしてRは「総額640万円前後で、走行1万kmぐらいの物件を探す」というニュアンスになる。

GTIは「価格も性能も程よくハイレベルなホットハッチ」だといえるが、Rの方は「程よくどころか超絶的な性能を有するスーパーハッチバック」といえる存在。そのためゴルフRは、中古車価格うんぬんではなく「本気で欲しい人が、とにかくピンポイントで購入する」という車なのだろう。

そうであるがゆえに、現行型ゴルフRの全国で12台という流通量も、決して少なすぎるということはないのかもしれない。それを本気で欲しいと思っている少数の人には、ほぼ確実に行き渡るはず。そしてその際の「総額640万円ほど」という価格も、そのパフォーマンスと、そして691万2000円という新たな新車本体価格から考えれば、決して高すぎるということもないはずだ。
 

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型) ×GTI× 全国

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フォルクスワーゲン ゴルフ(現行型) ×R系グレード× 全国

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フォルクスワーゲン ゴルフ(8代目・現行型) × 全国
文/伊達軍曹 写真/フォルクスワーゲン ジャパン、篠原晃一、尾形和美
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。