ZR-V▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、ホンダ ZR-Vに公道試乗した際のレポートをお届け

精悍さを感じさせるデザイン

日本では2022年11月に発表されたホンダ ZR-V。その後、2023年4月下旬に発売となったが、発表から5ヵ月がたっており、ホンダとしてももう少し早く登場させたかったに違いない。

個人的にはずいぶん前からあるような印象であった。しかし、量産モデルを目の前にすると真新しい雰囲気である。

試乗会場で並べられているZR-Vを見て感じたのは、キュッとしまったデザインだがフロントのエンジンフードの感じが水平で、グリルも厚みがあり精悍なイメージだ。
 

ZR-V
ZR-V

トランクルームからシートを倒せば、タイヤを取り外した自転車も入るほどの広さがあった。本当にリアのハッチを閉めても荷物が当たらないのかとハッチを静かに閉めていたらオートクロージャに指を持ってかれてしまい、鋭角なリアハッチのヘミング処理とウエザーストリップの間でとても痛い思いをしてしまった。

正直言って危なかった。吸い込まれるように閉まりながらも、高負荷でもハッチが上がらないこのタイプに恐ろしさを感じる。

それはさておき試乗に移ろう。

ZR-V
ZR-V

走りはスポーティ

今回試乗したのは2つのグレードだ。

初めはシビックe:HEVでもお馴染みのハイブリッドシステムを使った「e:HEV Z」のAWD仕様である。

インテリアはホンダらしく高級感のエッセンスが各部に盛り込まれていて、特に張りのあるコンソールの形状はとても上手にこしらえてある。

ZR-V

ヨーロッパ車独特のプレミアム感をなんとなく感じさせる演出は、国産車においてホンダはピカイチである。

ZR-VはコンパクトSUVクラスになるが、エクステリア、インテリアともにヨーロッパのスポーツメーカーが作ったSUVの雰囲気をどことなく取り入れている。

高価ではないが、絶品の味わいは高級な洋菓子に引けを取らない雰囲気という印象だ。
 

ZR-V

シートを合わせて発進だ。走り出しの感じは、コンパクトながら重厚感がある。

低速時、サスペンションは細かな動きに追従しながらも収束も速い。速度を上げていくと外観とは違ったスポーティな一面が理解できる。

e:HEVは2Lユニットと相まって、モーターのトルクがガソリン車でいえば3L以上ある。それだけに行きたいときに踏み込めば、ホンダが誇るエンジンサウンドを奏でながら、上品で素早い加速がいい。

この仕様はAWDにぴったりなパワーシステムといえる。

ZR-V

確実なトラクションを携えロードをかけてコーナーを曲がれば、地に足がついたフィーリングが約束される。

中高速でのサスペンションは、一回り小さなボディだと錯覚するほどキビキビ感がある。乗り心地も可能な限りハードに振らずに、ハンドリングを重視している印象だ。

目線が高いSUVであるが、走りは目線が下がったような感覚のハンドリングである。これは開発者の意図したフィールであろう。

ZR-V

ホンダは早くからハイブリッドモデルのブレーキフィールを研究している。それだけに、わかりにくい部分であるがタッチがリニアでコントロールしやすい。

430万円クラスでは、ちょっとした高級感と走りの満足度を兼ね備えたモデルである。
 

ZR-V

ガソリンモデルの高い剛性感はハイブリッドよりも上

次にガソリンモデルの試乗だ。こちらは1.5LターボのAWD仕様である。

CVTとの組み合わせで、エンジンのトルクをさらにフラット化して、どこから加速してもスタンバイOKという仕様である。

これもエンジン音がいい。軽快さが非常に感じられるハンドリングだ。

ZR-V

e:HEV仕様に比べると180㎏も軽いだけの恩恵もある。ブレーキフィールの初期性は似ているが、踏み込んでいった際の各部剛性感はガソリンモデルに軍配が上がる。

ヒラヒラ感を伴った走りが好みならばガソリン仕様だ。価格だって上位グレードでもオプションの上乗せがなければ400万円以下のプライスは、このバリューのモデルでは値ごろ感がある。

ZR-V
文/松本英雄、写真/尾形和美

▼検索条件

ホンダ ZR-V(初代)

【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0 e:HEV Z 4WD

型式 6AA-RZ6 最小回転半径 5.5m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.57m×1.84m×1.62m
ドア数 5 ホイールベース 2.66m
ミッション その他AT 前トレッド/後トレッド 1.59m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.53m×1.2m
4WS - 車両重量 1630kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 不明 最低地上高 0.19m
マニュアルモード -
標準色

ノルディックフォレスト・パール、クリスタルブラック・パール

オプション色

プレミアムクリスタルガーネットメタリック、スーパープラチナグレー・メタリック、プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、ミッドナイトブルービーム・メタリック

掲載コメント

-

型式 6AA-RZ6
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション その他AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ノルディックフォレスト・パール、クリスタルブラック・パール
オプション色 プレミアムクリスタルガーネットメタリック、スーパープラチナグレー・メタリック、プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、ミッドナイトブルービーム・メタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
不明
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.57m×1.84m×1.62m
ホイール
ベース
2.66m
前トレッド/
後トレッド
1.59m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.53m×1.2m
車両重量 1630kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 LFC 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 57リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1993cc 燃費(WLTCモード) 21.5km/L
└市街地:19.5km/L
└郊外:23.9km/L
└高速:21.1km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
90%達成車
最高出力 141ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
182(18.6)/4500
エンジン型式 LFC
種類 直列4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1993cc
最高出力 141ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
182(18.6)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 57リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 21.5km/L
└市街地:19.5km/L
└郊外: 23.9km/L
└高速: 21.1km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 90%達成車

●1.5 Z 4WD

型式 5BA-RZ5 最小回転半径 5.5m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.57m×1.84m×1.62m
ドア数 5 ホイールベース 2.66m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.59m/1.61m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.53m×1.2m
4WS - 車両重量 1540kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.19m
マニュアルモード
標準色

ノルディックフォレスト・パール、クリスタルブラック・パール

オプション色

プレミアムクリスタルガーネットメタリック、スーパープラチナグレー・メタリック、プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、ミッドナイトブルービーム・メタリック

掲載コメント

-

型式 5BA-RZ5
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ノルディックフォレスト・パール、クリスタルブラック・パール
オプション色 プレミアムクリスタルガーネットメタリック、スーパープラチナグレー・メタリック、プラチナホワイト・パール、プレミアムクリスタルブルー・メタリック、ミッドナイトブルービーム・メタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.57m×1.84m×1.62m
ホイール
ベース
2.66m
前トレッド/
後トレッド
1.59m/1.61m
室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.53m×1.2m
車両重量 1540kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.19m
掲載用コメント -
エンジン型式 L15C 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 ターボ 燃料タンク容量 57リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1496cc 燃費(WLTCモード) 13.9km/L
└市街地:10.2km/L
└郊外:14.8km/L
└高速:15.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 178ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/4500
エンジン型式 L15C
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1496cc
最高出力 178ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
240(24.5)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 57リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 13.9km/L
└市街地:10.2km/L
└郊外: 14.8km/L
└高速: 15.7km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。