全日本ラリーのために作られた超速コンパクトハッチ

4月9日~11日まで、2010全日本ラリー選手権の開幕戦である「ツール・ド・九州2010 in 唐津」が開催されます。排気量別に5つのカテゴリーでクラス分けされていますが、その中で最も小さい「JN1」の主力車種として活躍しているのが、今回ご紹介するダイハツストーリアX4。1998年に777台限定で発売されたモデルです。

新車時価格は139万円。基本的にはラリー競技のベース車として開発されたため、駆動方式はフルタイム4WD、ミッションはクロスミッションの5MT。初期モデルにはエアコンやパワーウインドウも付いていませんでした。後にエアコンはディーラーオプションとして、パワーウインドウは2001年12月のマイナーチェンジで標準装備されます。
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エンジンはミラなどに搭載されていた660cc直4DOHCツインカムターボエンジンを713ccまでストロークアップ。排気量が713ccと中途半端なのは、発売当時の全日本ラリーAクラスが「排気量1000cc以下」限定であり、かつ「過給器搭載車は排気量に1.4を掛ける」というルールだったため。713cc×1.4=998.2ccでギリギリ収まるわけです。

そんなモデルですから、装備も徹底的に走りに特化。エンジン回りには高熱価白金プラグや鍛造ピストン&クランクシャフト、ヘッド直付けタイプインジェクターが、さらに大口径マフラーや強化クラッチ、フロント&リアLSDが搭載されています。サスペンションもショック/スプリング/ブッシュと、軒並み強化されています。

反対に、先のエアコン/パワーウインドウをはじめ、パワステやパワードアロック、リアワイパーなどを取り払って軽量化。車両重量は840kgに抑えられています。最大トルク13.0kg-mは4800rpmでマークするのに対し、最高出力120psは7200rpmの高回転で発生。ちなみにレブリミットは8500rpmですが、タコメーターは10000rpmまでスケールが!
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原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件は3台で、価格は48万~69万円。カラーがすべてピューロホワイトなのは偶然ではなく、そもそも設定が1色しかないためです。走行距離は6.9万~8.3万kmで、全台修復歴はなく、競技歴がないことが確認されている車両は1台。ブースト計の有無が競技歴を探るヒントになるでしょう。

後継車のブーンX4が登場しても、ラリーで活躍しているストーリアX4。もちろん、一般道でも抜群の楽しさが味わえる一台です。ただし、これから夏に向けて乗っていこうと思っているのなら、くれぐれもエアコンの有無だけはご確認を。興味をもった方は下の検索窓に「ストーリアX4」と入力してみてください。


Text/渡瀬基樹