パワーと燃費を両立した都会派SUV

世の中には数多くのハイブリッドカーが存在しますが、それらは大きく“燃費追求型”と“燃費改善型”に分けられます。前者はプリウスなどに代表される、トコトン燃費にこだわったタイプ。後者は大型SUVなどに搭載されるパワーアップと低燃費を狙ったタイプです。今回は後者の代表格、ハリアーハイブリッドをご紹介します。

ハリアーハイブリッドが登場したのは、ベースとなっっているハリアーから遅れること約2年の2005年3月。エコとパワーをハイレベルで両立させる「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」をコンセプトに開発されました。
  • トヨタ ハリアーハイブリッド 外観(フロント)|おいしい中古車
  • トヨタ ハリアーハイブリッド 外観(リア)|おいしい中古車
普通のハリアーとは、フロントバンパーやフォグ、リアコンビランプ、エンブレム、18インチホイールなどが専用の意匠となり、先進性と高級感を強調する(左右)
エスティマハイブリッドの例にならうと、2.4Lエンジンにモーターの組み合わせが定石ですが、ハリアーハイブリッドの場合は上級モデルの3Lより排気量の大きい、V6の3.3Lエンジンにモーターを組み合わせています。これはコンセプトにあるように、単に燃費の追求だけにとどまらないという意思の表れでしょう。

このユニット構成は、V8エンジンに匹敵する動力性能を持ちながら、燃費はコンパクトカーに迫る低燃費を実現しています。燃費は17.8km/L(10・15モード燃費)。1900kgを超えるボディで4WDということを考えると、この数値は驚異的です。まさにエコとパワーを両立したといえるでしょう。

そしてもうひとつの重要ポイントが、“走る楽しさ”の追求です。これはVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)と呼ばれる車両姿勢を安定させるシステムが関係しており、エンジンパワー、ステアリング、そしてブレーキをバランス良く統合制御。運動性能をロスなく引き出すシステムです。

搭載されるミッションはCVTで、燃費向上に寄与。スペースユーティリティに関しては、バッテリーを3つに分割して配置するなど、ハイブリッド化の影響はほとんどありません。さらに、分割したことで冷却効果も高められています。
  • トヨタ ハリアーハイブリッド インパネ|おいしい中古車
  • トヨタ ハリアーハイブリッド インテリア|おいしい中古車
  • トヨタ ハリアーハイブリッド バッテリー配置|おいしい中古車
インテリアは、コンソール、シフトパネル、ドアトリムなどが専用となる(左・中) バッテリーは3分割でリアシートの下に配置。シートアレンジを妨げない(右)

相場の下端が100万円近くにまで下がってきた!

さて、そんなハリアーハイブリッドですが、大人気車であるために、相場はずっと高値で推移していました。しかし、ようやく100万円近くで買えるようになってきました。

最安値の中古車は、102.9万円のLパッケージで、走行距離10.3万kmで修復歴はありません。走行距離をあまり気にしない人にとってはかなり狙い目だと思います。

一方、走行距離にこだわると、150万円程度まで考える必要があります。修復歴なし+走行5万kmで149.9万円です。どう選ぶかは優先順位次第だと思いますが、新車価格で400万円を超える車がこの価格となれば、いよいよハリアーハイブリッドも“買い”のタイミングになったと言えるのではないでしょうか。
Text/金子剛士