'75 CITROEN GS

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2014年11月7日、日本のモータージャーナリズムの巨匠、徳大寺有恒氏が他界されました。日本の自動車文化に多大な貢献をされた徳大寺さんを偲び、カーセンサーEDGEに約5年にわたり連載された「VINTAGE EDGE×徳大寺有恒」を美しい写真と巨匠の一言とともに振り返ります。今回は、「'75 CITROEN GS」、「'61 ALFA ROMEO GIULIETTA SPRINT SPECIALE」、「'75 JENSEN INTERCEPTOR」、「'75 FERRARI 365GT4 BB」です。実際に掲載された記事をPDFで公開しています。

【'75 CITROEN GS】 時代を作るには良いと思ったことを採用する技量が必要

'75 CITROEN GS

シトロエンが1970年にラインナップの中間車種として発売したモデル。空力性能に優れた大胆なデザイン、ハイドロニューマティックの乗り味、油圧ブレーキなど、DSから様々な技術を受け継ぎ、エンジンは水平対向4気筒を採用。デビュー時は1000cc、72年に1200ccを追加し、73年にはロータリーエンジンを積んだビロトールも登場する。その後、プジョーに吸収されたためビロトールは生産されなくなり、78年からは1000ccが1100ccに変更され、1986年まで発売が続けられた。



【'61 ALFA ROMEO GIULIETTA SPRINT SPECIALE】 天才の作った調度品に触れるチャンスはなかなかない

'61 ALFA ROMEO GIULIETTA SPRINT SPECIALE

スパイダー用であった短いシャシーを使い、当時はベルトーネに在籍していたフランコ・スカリオーネが手掛けたアルファロメオの傑作車。その特徴であるボディデザインは見た目だけでなく空力特性を考慮したもので、当時の最先端技術が採用され、最高速度は約200km/hという高性能さを誇った。車のジャンルとしては高速ツアラーに分類され、ボンネットには虫除け用のプラスティックスクリーンを装備。1963年以降はエンジンを1.6Lに拡大するなど進化を続け、後にジュリアへとSSの名前を継承している



【'75 JENSEN INTERCEPTOR】 技術と伝統を重んじる英国には驚くばかりだな

'75 JENSEN INTERCEPTOR

カロッツェリア・トゥーリングが車体をデザインし、エンジンはクライスラー製V8エンジン、車体パネルはヴィニャーレが製作したという異色のGTマシン。製造は1966年から1976年までで、72年以降は7218ccのハイパワーモデルを発売。派生モデルとして4輪駆動のFFや高性能モデルSP、コンバーチブルなどがあり、累計で約6500台が生産された。高級GTマシンに位置づけられる車で、日本ではコーンズが約1000万円で発売。当時の物価を考えるといかに高級だったかが窺い知れる。



【'75 FERRARI 365GT4 BB】 上品でありながら小悪魔的、女性のようなクルマだね

'75 FERRARI 365GT4 BB

1973年から81年にかけて製造されたV12エンジン搭載のGTモデル。BBは「ベルリネッタ・ボクサー(Berlinetta Boxer )」を表し、本来は2ドアクーペ、水平対向エンジンを表すが、実際は前任のデイトナ用を改良したV12エンジンを積んでいる。スーパーカー全盛期の車らしく、数々の逸話が残っているが、有名なのが最高速度。公称302㎞/hとされているが、これはライバルであるカウンタックLP400の300km/hに対抗したものと言われている。最終的に387台が製造された。