今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
2021/06/06
自然吸気V8も選べるGSはバランスの取れた名セダン
2020年8月、コロナ禍にあってレクサス GSがひっそりとその歴史に幕を閉じた。
そもそもレクサス GSはアメリカを主戦場とし、日本ではトヨタ アリストの名で販売されていたFRのミドルサイズセダンだ。1993年に初代が、1997年に2代目がアメリカで登場している。
2005年に日本国内でもレクサスブランドの展開がスタート。時を合わせて3代目にフルモデルチェンジしたレクサス GSの国内販売が始まった。
国内展開当初のグレード構成は、4.3L V8エンジンを搭載する「GS430」と、3.5L V6エンジンの「GS350」の2種類だった。駆動方式は後輪駆動(FR)をメインに、GS350にはAWDの設定もあった。
2006年には、レクサスブランド車としては初となるハイブリッド仕様「GS450h」を追加。これは、GS350に搭載される3.5L V6エンジンに、FR車専用に開発されたモーターをトランスミッションケース内に組み込み、システム合計出力で345psを発生するもの。
実はこの年の十勝24時間レースに、開発の一環としてハイブリッドカーとして初めてこのレクサス GS450hが参戦しており、見事に完走を果たしている。今でこそ、モータースポーツの世界でもハイブリッドカーは珍しくないが、その可能性を切り開く先駆けだったのだ。
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初代トヨタ アリスト × 全国▼検索条件
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初代レクサス GS × 全国2012年には4代目(日本では2代目)へとフルモデルチェンジ。フロントマスクにはレクサスの象徴であるスピンドルグリルを採用した。グレード構成は、3.5L V6+ハイブリッドの「GS450h」、3.5L V6エンジンの「GS350」、2.5L V6の「GS250」をラインナップ。後に2.5L V6+ハイブリッドの「GS300h」、2L直4ターボの「GS300(旧GS200t)」も追加された。駆動方式は先代と同様に後輪駆動(FR)をメインに、GS350にはAWDも設定された。
2015年11月に実施されたマイナーチェンジではヘッドランプやスピンドルグリル、フロントバンパー、リアコンビネーションランプなどの意匠が変更されている。また、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を全車に標準装備とし安全性能を強化した。
さらにこの年、スポーツモデルの「IS F」に続くレクサス4ドアのFモデルとして、「GS F」がデビュー。5L V8自然吸気エンジンは、最高出力477ps/最大トルク530N・mを発揮。 サーキット走行を見据え、ボディ剛性やシャシー性能を高めたスポーツバージョンだ。
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レクサス GS F × 全国レクサス GSは、フラッグシップのLSとISの間に位置し、メルセデス・ベンツ Eクラス、BMW 5シリーズ、アウディ A6などを仮想ライバルとするモデルだ。しかし、近年はSUV人気の高まりをうけ、レクサスもLX、RXに続きNXさらにはUXといったコンパクトSUVモデルを投入。セダンは販売不振に陥っている。そして追い打ちをかけたのが、それまで日本では販売されていなかったFFのミドルサイズセダン「ES」の国内販売が2018年に開始されたことだった。
カムリなどとプラットフォームを共用するESは、前輪駆動車ならではの広い室内や上質な乗り味もあって、GSの販売台数を上回る。ESは実質的にレクサスブランドのセダンでナンバー2の位置におかれ、GSの生産中止が決まったというわけだ。
中古車市場では、GSの流通台数は全国で約500台(2021年5月末時点)と選択肢は豊富。350や300の流通が多く、高年式の450hは少ないようだ。相場は国内初代モデルであれば、100万円以下の予算でも多くみつかる。人気なのはやはりスピンドルグリルになった国内2代目モデルのようで、初期型は車両本体価格150万円前後だが、高年式モデルは古さを全く感じない顔つきということもあって500万円前後で流通している。
また、GS Fの流通台数は全国で31台(2021年5月末時点)と多くはない。初期型は550万円前後、後期型は800万円前後という相場となっている。
車としての評価は高く、モデルバリエーションも豊富なレクサス GS。300万円くらいの予算があれば、人気の高い国内2代目モデル後期型などの認定中古車も射程圏内だ。選択肢が豊富な今のうちに好条件のいい物件を手に入れて、FRセダンならではのハンドリングをじっくりと味わっておくのもいいかもしれない。
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レクサス ES × 全国【関連リンク】
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