「可愛い」と「使いやすい」を両立した
フレンドリーなコンパクトワゴン

日産 キューブ|人気車購入ガイド

コンセプト
「使える箱」を目指したマーチベースのワゴン車

 マーチをベースとしたハイトワゴンとして登場したキューブも、現行モデルで2世代目。ミニバンの縮小コピー的だった先代から一転して、独自のスタイルをもつ個性的なコンパクトカーへと変貌している。
 コンセプトは「マジカルボックス」。外観からは想像できないほどの広い室内空間を実現し、収納スペースなど使い勝手の良い機能を充実。「想像力次第で自由に使える不思議な箱」という意味が込められている。
 シート配列は2列で、乗車定員は5名。ホイールベースを延長してサードシートを備えた、7人乗りの派生モデル「キューブキュービック」もラインナップされている。
 ターゲットユーザーはポスト団塊ジュニアで、年齢的には30代のヤングファミリィを中心としていた。それでも、ほのぼのとしたデザインが若い女性やシニア世代にも受け、幅広い年齢層からの支持を集めている。

メカニズム
エンジンは1.4Lと1.5L 4WDモデルの設定も

 マーチのプラットフォームを共用したため、フロアパネルやサスペンションなどはマーチと共通となる。ただし車重増加に対応し、エンジン排気量は1.4Lのみ設定されていた。2005(H17)年5月のマイナーチェンジで1.5Lが追加されているが、これは1.4Lエンジンの排気量を拡大したものではなく、ティーダにも搭載されている新開発ユニットである。
 トランスミッションはATのみ。2005(H17)年のマイナーチェンジ前までは1.4Lに6速手動変速モード付きCVTの設定もあったが、以降は電子制御の4速ATに統一。代わりに1.5LがCVTとの組み合わせとなったが、手動変速は簡略された。
 駆動方式はFFに加え、後輪を電気モーターで駆動するe-4WDも用意される。前輪のスリップを検知すると後輪のモーターに通電する仕組みで、作動するのは発進から20km/hまで。電気式なのでレスポンスに優れ、トルクコントロールも緻密だ。

エクステリア&インテリア
国内専用だから実現した左右非対称のリアビュー

 フロントマスクは数回のマイナーチェンジを境に若干の変更があるが、基本はマメ芝犬をイメージしたおとなしく愛嬌たっぷりのデザイン。
 全体のフォルムはひたすら四角く、キャビンが頭でっかちになりそうなスタイルだが、大きなフェンダーフレアを設けることでバランスを取っている。
 リア回りの非対称デザインは、国内専用モデルならでは。後方視界に影響が出にくい右Cピラーを太くして剛性を出し、左Cピラーを細くして視界を確保。左ハンドルの設定を想定したら、バックドアやボディの作り分けが必要となるため、実現できなかったはずだ。
 インパネは外観同様、水平と垂直のラインを曲線でつないだデザイン。フロントシートはベンチ式で、フルリクライニングしてフラットにすることも可能だ。リアシートは6:4 分割タイプで、ダブルフォールディング格納によってラゲージスペースを拡大することができる。

インプレッション
乗り手を選ばないイージーな取り回し

 エクステリアの落ち着いたイメージから比べると、乗り心地は若干硬めな印象を受ける。ただしこれはハンドリングを楽しむためのものではなく、重心の高さからくるロールの大きさを抑えるのが主目的である。
 エンジン&トランスミッションは、いずれも低速トルクを生かして走るセッティング。1.4Lでも不足は感じないが、1.5Lのほうが燃費や走りやすさの面で優れている。低回転をキープして走る分には、静粛性も高い。
 最小回転半径は4.4mと、ほぼKカー並み。ボディがスクエアでボンネットの見切りも良いため、駐車場や狭い路地での取り回しは抜群だ。

バイヤーズガイド
狙い目グレード
低価格で探すなら1.4L 予算があれば1.5Lを

 前述のとおり、1.5Lモデルが燃費やパワーの面で優れているため、予算が許せばこちらを狙いたい。2005(H17)年式ならば、グレードの種類が比較的豊富にあるため探しやすいと言える。

購入時のチェックポイント
目立ったトラブルはなし電動装備の動作は要確認

 特有のトラブルなどはないが、ごく希にパワーウインドウや自動格納式ドアミラーなどの電動装備に不具合が見られる。そのため、購入時には実際に作動させて確認しておきたい。

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日産 キューブ フロントスタイル|人気車購入ガイド
↑「カドをまるめたシカク」をテーマに、見切りの良さと四角いスタイルを両立。直立したボディサイドと広大なルーフで、室内の広さを印象づける

日産 キューブ リアスタイル|人気車購入ガイド
↑左右非対称デザインのリアビューは、キューブ最大の特徴。左後方視界の確保と右側Cピラー内側のユーティリティを最大限考慮して設計されている

日産 キューブ インテリア|人気車購入ガイド
↑モダンな家具をイメージしたシートやオーディオなど、自分の部屋にいるような感覚を取り入れつつ、外観同様のキュービックデザインも両立する

日産 キューブ 安全装備|人気車購入ガイド
↑運転席&助手席エアバッグやアクティブヘッドレストは全車標準で採用。サイドエアバッグ、カーテンエアバッグは全車オプションの設定となる

日産 キューブ 走り|人気車購入ガイド
↑振動や騒音がよく抑えられているほか、小回りが利き見切りも良いため、市街地での走行はかなり快適と言える