今がおいしい!?和製スーパーカーの本家

日産GT-Rがよく「国産初のスーパーカー」といわれますが、ちょっと待ってください。何か忘れちゃいませんか? 日産GT-Rの登場からさかのぼること17年、1990年の9月にホンダが世に送り出したNSXを。

スーパーカーの定義は人それぞれだと思いますが、性能や価格、その作りを鑑みれば、NSXだってれっきとしたスーパーカーだと思うのです。いや、むしろNSXこそ日本が誇るスーパーカーと言えるのではないでしょうか。

初期型のエンジンは3LのV6を搭載。1997年からは、MT車のみ3.2Lに排気量がアップしています。最高出力は自主規制があったため、どちらも280psとなっていますが、そのポテンシャルはそこいらのスポーツカーとは別格です。
  • ホンダ NSX 外観(フロント)|おいしい中古車
  • ホンダ NSX 外観(リア)|おいしい中古車
↑超音速のジェット機をイメージしたというNSXのエクステリア。高曲率大型ラウンドガラスを採用したことで、前方視界はもとより、後方視界も良好だ(左右)
なにせボディはオールアルミ製のモノコックボディで、ミッドシップレイアウトを採用。サスペンションは4輪ともダブルウィッシュボーンです。ホイールだって鍛造のアルミを採用しています。登場時、すでにトラクションコントロールやABSを装備していたのも見逃せないポイントです。

ミッションは、5MTのほかに、実は4AT(こちらは265馬力)もありました。5MTは1997年以降6MTとなり、さらに戦闘力をアップしています。戦闘力といえば、やはり忘れてならないのは「NSX-R」の存在。今ではホンダのレーシングブランドともいえるRシリーズは、このNSX-Rから始まっているのです。

最安値はなんと199万円!

NSX-Rは、グラム単位で徹底的な軽量化を施し、標準仕様より120kgもの軽量化を果たしたモデルで、より走行性能を突き詰めた一台です。クランクシャフトやピストン、コンロッドの精度向上や、ファイナルギアのローレシオ化、専用ショックアブソーバーの採用、アライメントの見直し、ボディ剛性の向上など徹底的にリファインされています。
  • ホンダ NSX インパネ|おいしい中古車
  • ホンダ NSX 外観(MC後)|おいしい中古車
  • ホンダ NSX-R 外観|おいしい中古車
↑ブラックを基調としたNSXのインパネ回り(左) 2001年の11月にはフェイスリフトが施され、外観を一新(中) NSXのレーシングモデル的存在のNSX-R(右)
しかし、まだ相場が高いのがネックです。安いものでも500万円以上します。そこでオススメしたいのがベーシックモデル。ベーシックといっても、その実力は一線級です。それが何と200万円を切ってきたのです!生産中止が決まって一時は相場が大幅に上がった時期もありましたが、それも落ち着き、今ではギリギリ100万円台のNSXも登場しているんです。

正直200万円前後の物件は、10万kmオーバーの車がほとんどです。しかし、年式を考えればそれも当たり前。むしろほとんど走っていないほうが不安になってしまいます。しかもオールアルミボディですからね。

一般の車に比べればボディのヤレも少ないはずです。デビュー当時学生だった筆者は、NSXを見て「すげぇ」とは思ったものの、1000万円近い価格にド肝を抜かれ、以降はずっと高嶺の花。それが今なら…。これだから中古車選びはたまりません。

Text/金子剛士