レヴォーグ▲“ワゴン車”という言葉からは、レジャーやアウトドアといったイメージが想起される。ところで“ワゴン車”の定義って何?

ワゴン車の特徴や人気車種ランキングを紹介!

なんとなく“楽しそう!”な響きの「ワゴン車」という車用語。でも「ワゴン車」ってそもそもどんな車のことだっけ?

この記事では「ワゴン車」の種類や特徴、選び方などについて詳しく解説しつつ、ステーションワゴン、トールワゴン、軽ワゴン、ワンボックスワゴン、ミニバンの各タイプから人気のモデルを紹介する。

シャトル ▲ワゴン車にはステーションワゴン、ミニバンなど、たくさんのタイプがある。写真はホンダ シャトル

目次

 

ワゴン車とはどんな車?

最初に言っておくと、「ワゴン車」という言葉に明確な定義はない。車のタイプを表すため、人々が便宜的に使ってきた呼称だ。

もともとは馬車の時代に、荷物を運ぶための荷台が付いた馬車を「ワゴン」と呼んでいたことに由来。鉄道の駅から近くの街まで人と荷物を運ぶ「ステーションワゴン」が代表例だ。その後、自動車の時代になり、人だけでなく荷物もたくさん運べる乗用車のことを「ワゴン車」と呼ぶようになった。

つまり対象範囲がめっちゃ広いってこと! 現在ではステーションワゴン、トールワゴン、軽ワゴン、ワンボックスワゴン、ミニバンの5カテゴリーを総称して「ワゴン車」と呼ぶことが多い(SUVを含むこともある)。

「ワゴン」の対義となるのは、「ハッチバック」や「セダン」など人が移動することを主眼とする車のカテゴリーだ。また、ボディ形状はステーションワゴンやワンボックスワゴンと同じ「バン」も、商用車であるため「ワゴン車」には含まれない。

ミニ ▲人が移動できるだけでは、ワゴンと呼ばれない。遊びのギアなどを積載できることが条件だ
 

ワゴン車のタイプ・種類別の違いや特徴

ワゴン車には主に5つのボディタイプがある。各タイプについて解説していこう。

ステーションワゴン

セダンなどをベースとして、荷室部分をストレッチした形状とした車のこと。ただし最近ではスバル「レヴォーグ」のように、ステーションワゴン専用に開発されたモデルもある。

荷室が広く、荷室床面が低いため、長尺物などの荷物を積載しやすいこと、重心が低いために運動性能に優れているのが特徴だ。マリンスポーツやウインタースポーツ、キャンプの愛好家にはもってこい!

レヴォーグ ▲車高、車内高はセダンなとと同様低めとし、荷室を長くしたのがステーションワゴンのスタイル。写真はスバル レヴォーグ

トールワゴン

箱型のボディ形状をもつ、背の高い2ボックス車のこと。頭上空間が高いために見晴らしが良く、運転しやすい。背の高い荷物を積みやすいのも特徴だ。プライベートユースはもちろん、お花屋さんなどビジネスユースにもちょうど良い。

トールワゴン ▲トールワゴンは“ツーボックス”とほぼ同タイプと思って良いだろう。写真は日産 キューブ

軽ワゴン

全長と全幅は小さいけど、全高には意外に余裕がある(全高2000mm以下までOK)という軽規格の特徴を最大限に活用して、キャビンを高く設計した軽自動車のこと。全高1600~1700mmの「軽ハイトワゴン(軽トールワゴンとも)」と、全高1700~1900mmの「軽スーパーハイトワゴン」などに細分化される。軽自動車とは思えないほど居住空間が広く、シートアレンジも多彩な軽ワゴンは目下、大人気のカテゴリーだ。

タント ▲軽ワゴンのパッケージは小さな子供を乗せるのにもピッタリ。写真はダイハツ タント

ワンボックスワゴン

前席下にエンジンを搭載するキャブオーバー型ワンボックス車のうち、乗用車登録(5 or 3ナンバー)となるモデルを指す。ハイエースワゴン、キャラバンワゴンなどが代表例。荷室部分までシートを設置することにより、乗車定員を最大10名まで設定することができる。大量の荷物を運べるのが長所で、アウトドアから引っ越しまで何でも来いのカテゴリーだ。

ワンボックスワゴン ▲商用ワンボックスを乗用化したものがワンボックスワゴン。最近ではプライベートで使用する人も増えた。トヨタ ハイエース

ミニバン

パワーユニットをフロント部分に搭載しながら、箱型の広いキャビン空間を確保した車のこと。アメリカでフルサイズのバンに対して、小型だったことから命名されたが、日本では5ナンバー車だけでなく3ナンバー車もこのカテゴリーに入る。3列シートを備えたモデルが多いが、座席をたためば荷物もたくさん積める。

ミニバン ▲ミニバンはワンボックスの進化版とも言えるだろう。写真はトヨタ ヴォクシー
 

ワゴン車の選び方・ポイント

ワゴン車を選ぶときに注目したいポイントは以下のとおり。

乗車人数

4~10名まで、ワゴン車の乗車定員は多様。家族構成や利用シーンを想定して、ちょうど良い乗車定員、車内空間をもつ車種を選ぼう。多人数乗車する機会が多い人ならミニバンもしくはワンボックスワゴンが選択肢となるが、車内空間が広ければ良い、というものでもない。

車内空間の広さ、乗車定員と車の運動性能は往々にしてトレードオフの関係になるからだ。例えば長距離移動する機会の多い人、ドライビングを楽しみたい人はステーションワゴンや、全高低めのミニバン、軽ワゴンがぴったり。

フリード車内 ▲コンパクトなボディサイズに3列シートを実現している車もある

荷室の広さ

もともと人と荷物を運ぶことが目的のワゴン車だけに、荷室にはこだわりたいところ。よく積む物のサイズ、量を確認し、荷物が上手く収まるサイズのカーゴスペースを備えたモデルを選ぼう。

単に広さや容量だけでなく、荷室の形状や床面のフラット具合、固定フックの数、荷物を積んだときでも後方視界が確保されるか? といった使い勝手の良さもチェックしておきたいポイントだ。こちらも乗車人数同様、運動性能とのバランスを見極めることが大切。

ミニ荷室 ▲優れたワゴンは荷室空間がスクエアで荷物を積みやすい!

燃費の良さ

最近のワゴン車は燃費性能を重視している車種が多い。走行距離が多めの人は燃費性能にもこだわって選んでみよう。ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、ハイブリッド車とパワーユニットの種類が豊富なのもワゴン車の良いところだ。

ハイブリッド ▲どのカテゴリーにおいても、今ではハイブリッド車が多く設定されるようになってきた。コストとのバランスが大事!
 

ワゴン車人気ランキング20選【カーセンサー中古車データ2023】

ここまでは、ワゴン車の特徴や選び方について解説してきた。

以下からは、カーセンサーのデータに基づいて選出された人気モデルランキングを、各タイプごとに紹介! 現在新車でも買える最新モデルから、中古でお買い得に買えるモデルまで、バリエーション豊かなラインナップの中から気になる1台を見つけてほしい。

 

【ワゴン車人気車種ランキング|ステーションワゴンTOP5】

まずは、ワゴン本来の魅力が詰まったステーションワゴンから、人気の5モデルを紹介する。

 

第1位|スバル レヴォーグ(初代)

■生産期間:2014年6月~2020年9月
■中古車平均価格:150万円
■中古車流通台数:970台

 スバル レヴォーグ(初代) ▲流れるようなルーフラインと、精悍な顔つきは今も魅力的

セダンからの派生ではなく、ステーションワゴン専用モデルとしてイチから開発された。北米市場をメインとしたことでボディサイズが大きくなりすぎたレガシィツーリングワゴンに代わる、新たな時代のステーションワゴンとして設計されたが、荷室容量はむしろレヴォーグの方が大きい。

搭載されるパワーユニットは1.6Lと2.0Lの水平対向4気筒直噴ガソリンターボエンジン。駆動方式は4WDのみで、1.6 L車は「アクティブトルクスプリットAWD」、2.0 L車にはセンターデフをもつ「VTD-AWD」と異なるシステムが採用されていた。

ほとんどのグレードに運転支援システム「EyeSight Ver.3」を搭載(2015年4月以降は全車)するなど安全性能にこだわっているのはもちろん、スポーティな運動性能もスバル車らしいところだ。

 スバル レヴォーグ(初代) ▲「アイサイト」に代表される安全装備は、モデル後期ほど充実している

生産期間が約6年間と比較的長かったために、中古車市場にも豊富な台数が存在。2017年7月までに生産された前期型のボリュームがやや多めとなっている。

全体の約8割が1.6L車だ。価格の一例を挙げると、2015年式・走行距離4.8万kmの「1.6 GT アイサイト Sスタイル」で総額117万円となっている。2020年10月に2代目へとモデルチェンジしたが、中古車市場での人気はまだまだ健在!

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第2位|ホンダ シャトル(初代)

■生産期間:2015年5月~2022年11月
■中古車平均価格:130万円
■中古車流通台数:780台

 ホンダ シャトル(初代) ▲ワンモーションでミニバンに近いフォルムだが、3列シートの設定はなし

現在は残念ながらステーションワゴン市場から撤退してしまっているホンダだが、ちょっと前まで名車と言っていいモデルがあった。それがシャトルだ。

フィットをベースに開発されたステーションワゴン「フィットシャトル」の後継車種として登場したが、フィットとイメージの差別化を図るために、この名称となった。

5ナンバーサイズのコンパクトボディでありながら、5名乗車時で570L、2名乗車時で1141L、最大荷室長1840mmという広大なラゲージスペースをもち合わせているのがシャトル最大の魅力だ。

パワーユニットでは1.5Lガソリンエンジン、1.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドが用意されていた。

 ホンダ シャトル(初代) ▲パーキングブレーキはフットリリース式を採用

約7年半とモデルライフが長めだったために、中古車市場での流通量は決して少なくない。年式では2015年から2019年の前中期モデルがボリューム多めとなっている。

走行距離5万km未満の物件に絞っても、総額150万円から狙えると価格帯はリーズナブル。実用的なステーションワゴンを求めている人にピッタリの車だ。

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第3位|ミニ ミニクラブマン(2代目・現行型)

■生産期間:2015年11月~生産中
■中古車平均価格:230万円
■中古車流通台数:630台

 ミニ ミニクラブマン(2代目) ▲荷役性はもちろん、スタイリッシュな外観もクラブマンの魅力

ステーションワゴンではなく、あくまで「クラブマン」! 3代目ミニをベースに独自の思想で作られた、積載性重視のモデルがクラブマンだ。

スタイリッシュな外観ながら、5名乗車時で360L、2名乗車時で1250Lという十分な荷室容量をもち、リアドアには観音扉を採用して大きな開口部が確保されている。もちろん、ミニならではのゴーカートフィーリングはそのままだ。

 ミニ ミニクラブマン(2代目) ▲真円をモチーフとしたインテリアはハッチバックなどと共通だが、クラブマンではミニ史上初の電動パーキングブレーキを採用

ファンから熱狂的な支持を受けていたクラブマンだが、残念ながら2023年をもって生産終了することが発表された。来年以降、クラブマンを手に入れられるのは中古車のみとなる。

とはいえ、中古車市場には600台を超える2代目クラブマンが流通しているのでしばらくは安心。価格帯も総額80万円台から狙える状況となっており、現行モデルであることを考えるとリーズナブルだ。

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第4位|トヨタ カローラツーリング(初代・現行型)

■生産期間:2019年9月~生産中
■中古車平均価格:210万円
■中古車流通台数:880台

 トヨタ カローラツーリング(初代) ▲グローバルに展開するカローラだが、ツーリングの設計は国内専用。だから使い勝手がイイ!

2018年のフルモデルチェンジでスタイリッシュな外観となり、中身も先進的になった12代目カローラのステーションワゴン版がカローラツーリングだ。従来型までワゴンは「カローラフィールダー」の名称だったが、そちらも併売する関係で新たな車名が与えられた。

外観は従来までのイメージを覆す斬新なものだが、ステーションワゴンとしての実用性は継承されている。パワーユニットでは1.8L自然吸気ガソリンエンジン、同排気量エンジン+モーターのハイブリッド、さらにスポーティなモデルとして1.2Lガソリンターボエンジン(6速MTのみ)も用意された。

2022年10月のマイナーチェンジではガソリンエンジンを1.5L自然吸気へと変更するとともに、1.2Lガソリンターボを廃止。ハイブリッド車のシステムも刷新されている。

 トヨタ カローラツーリング(初代) ▲オーディオがディスプレイ化され、先進的なイメージのインパネとなった

デビューから約4年、中古車市場には約880台が流通し、その7割近くがハイブリッド車となっている。全流通量の過半数がデビュー直後の2020年式だ。

新車では廃盤となったグレードも選べるのが中古車の良いところ。限られた台数ではあるが、1.2Lガソリンターボ車も見つけられる。ちなみに、1.2Lガソリンターボ車の価格は総額200万円~となっている。

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第5位|メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(4代目)

■生産期間:2014年10月~2021年6月
■中古車平均価格:220万円
■中古車流通台数:880台

 メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(4代目) ▲2018年7月のMCでは前後バンパーのデザインが変更された

欧州の定番ステーションワゴンといえば、Cクラスワゴンの名前を挙げる人が多いだろう。4代目となるモデルでは外観をブラッシュアップしながら、ボディ鋼板の約50%にアルミを使用して軽量化するなど、走りの性能に磨きがかかった。

メルセデス・ベンツの屋台骨となるCクラスのワゴン版だけに、コスパに優れているのが美点。インテリアの高級感などはDセグメントの常識を大きく打ち破るものとなっている。

パワーユニットも前期モデル(2014年10月~2018年6月)で1.6L&2.0L直噴ガソリンターボ、後期モデル(2018年7月~2021年6月)では1.5L直噴ガソリンターボのマイルドハイブリッド仕様、2.0Lディーゼルターボと選択肢が豊富だ。

 メルセデス・ベンツ Cクラスワゴン(4代目) ▲Sクラスと同じデザインのステアリングを採用するなど、内装も贅沢

現行モデルは5代目となったが、コンベンショナルな4代目の外観を好む人は少なくないだろう。新車時価格は442万~962万円だった4代目 Cクラスワゴンだが、現在の中古車平均価格は220万円と驚くほどリーズナブル。

走行距離5万km未満の物件に絞っても、前期型の1.6Lガソリン車なら総額130万円台から狙える。

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【ワゴン車人気車種ランキング|トールワゴンTOP3】

商用車から派生したツーボックスが起源のトールワゴン。人気の3モデルを紹介。

 

第1位|トヨタ ルーミー(初代・現行型)

■生産期間:2016年11月~生産中
■中古車平均価格:140万円
■中古車流通台数:2800台

 トヨタ ルーミー(初代) ▲外観は2020年9月、トヨタの全車種併売化と同時に大きくイメージチェンジ

コンセプトは「1LDカー」。リビングのLとダイニング……ならぬドライビングのDをかけ合わせたものだ。ダイハツ トール、トヨタ タンク、スバル ジャスティはいずれも兄弟車。

そのコンセプトどおり、5ナンバーサイズとは思えない広大な車内空間と、余裕の走りが魅力となっている。搭載されるエンジンは1.0L自然吸気ガソリンと、同排気量ターボの2種類。ベーシックな外観の他、フロントスポイラーなどを装備する「カスタム」仕様を設定するあたりは、軽ワゴンと同様の手法だ。

 トヨタ ルーミー(初代) ▲車内が広いのはもちろん、両側スライドドアで乗降性も良い

現行モデルだが、デビューからすでに7年経過していることもあって中古車市場には大量のルーミーが流通。年式もデビューから最近のものまで比較的満遍なく分布していて、選びやすい状況だ。

価格帯もリーズナブル。一例を挙げると、2017年式・走行距離2.9万kmの「1.0 X」で総額73.8万円となっている。

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第2位|日産 キューブ(3代目)

■生産期間:2008年11月~2020年3月
■中古車平均価格:40万円
■中古車流通台数:1100台

 日産 キューブ(3代目) ▲これぞ2ボックス、というキュービックな外観

日産のデザインは、この頃のキュート&ちょい悪路線が好きだった、という人も少なくないのでは? トールワゴン第2位は、一世を風靡したキューブの3代目モデル。真四角なシルエットを残しながら、細部を有機的な曲面で構成した個性的デザインとなった。

ベンチシートにコラムシフト、障子をモチーフにしたサンシェードなど車内もユニークな仕掛けでいっぱい。見て可愛らしく、乗って楽しいのがキューブの良さだろう。

 日産 キューブ(3代目) ▲車内はバスタブに包まれているようなデザイン

そんなキューブも2020年3月で廃版となり、現在では中古車でしか手に入らない。しかしながら中古車市場での流通量は豊富だ。

価格帯は総額10万~150万円、中古車平均価格は40万円前後とリーズナブルだ。初めての車にもピッタリ!

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第3位|スズキ ソリオ(3代目)

■生産期間:2015年8月~2020年11月
■中古車平均価格:110万円
■中古車流通台数:1100台

 スズキ ソリオ(3代目) ▲ベーシックな外観の他に、シャープで精悍な顔つきの「バンディット」も用意された

コンパクトで取り回しが良く、視界良好なボディ、両側スライドドア、JC08モード22.0~32.0km/Lの良好な燃費……と、トールワゴンに求められる要素をギュッと詰め込んだ車がソリオだ。

3代目モデルでは従来型からホイールベースを30mm延長し、室内長、室内高ともに拡大。そのうえで約100kgもの軽量化を実現した。搭載されるエンジンは1.2Lガソリンのマイルドハブリッド仕様。2016年11月には1.2Lガソリンエンジン+モーターのパラレル式ハイブリッド仕様が追加された。

 スズキ ソリオ(3代目) ▲デュアルカメラ方式の先進的な安全装備をデビュー当時から採用

2020年11月に4代目へとバトンタッチしたソリオだが、中古車市場では3代目の人気も健在。全流通量のうち、8割以上がハイブリッド車となっている。

価格の一例を挙げると、2015年式・走行距離4.4万kmの「1.2 バンディット ハイブリッド MV(マイルドハイブリッド)」で総額84.2万円。年式や新車時価格を考えるとやや高めの水準だが、これも人気の高さゆえと言えるだろう。

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【ワゴン車人気車種ランキング|軽ワゴンTOP5】

軽自動車のメインストリームは今やワゴン車。多彩な車種から新旧5モデルを厳選。

 

第1位|ホンダ N-BOX(2代目)

■生産期間:2017年9月~2023年9月
■中古車平均価格:140万円
■中古車流通台数:1万1300台

 ホンダ N-BOX(2代目) ▲3代目が登場したばかりの今、中古車では2代目が旬!

2011年に初代がデビューして以来、軽ワゴン界トップの人気を獲得し続けてきたN-BOX。2代目は「ドコが変わったの?」と初代と見比べてしまうほどキープコンセプトな外観で登場したが、中身はしっかり進化していた。

N-BOX特有の低床構造を堅持したうえで、高張力鋼板の適応拡大、新たな接合技術を導入することなどの工夫で、従来型比80kg減の軽量化と高剛性化を両立。全車にLEDヘッドライトを採用するなど装備も豪華になっている。

 ホンダ N-BOX(2代目) ▲ホンダセンシングに代表される安全装備も充実している

1万1000台以上が流通している中古車市場を見ても、人気のほどが分かるというものだろう。デビュー直後の年式はもちろん、今年になってから初度登録された物件も多い。つまり低価格なものから、新車に近い物件までより取り見取りということだ。

ターボ車の比率は全体の2割前後で、NAエンジン搭載車が圧倒的に多い。NAエンジン車でデビュー年に近い年式なら、走行距離5万km未満の物件でも総額80万円程度から狙える状況だ。

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第2位|ホンダ N-BOX(初代)

■生産期間:2011年12月~2017年8月
■中古車平均価格:70万円
■中古車流通台数:6100台

 ホンダ N-BOX(初代) ▲フェンダーラインがくっきりしている初代。写真はカスタム

初代N-BOXは、軽スーパートールワゴンといえばホンダ! という伝説を築いたモデルだ。生産期間中、2014年を除くすべての年で軽四輪車部門の新車販売台数でトップを記録した。

設計では燃料タンクを車体後部ではなく、床下全体に薄く配置するセンタータンクレイアウトを軽自動車で初採用し、低床化を実現。さらにエンジンルームをできるだけ短く設計することで、限られた軽規格の中でキャビン空間を最大限に確保した。

N-BOX+やN-BOX SLASHといった派生車種を追加したことも、販売台数を伸ばした要素のひとつだ。

 ホンダ N-BOX(初代) ▲ホンダの軽としては初めてCVTが採用された

生産終了からすでに6年経過しているが、中古車市場での人気は健在。6000台以上の物件が流通している。

中古車価格帯も2代目N-BOXのおよそ半額で手が届きやすい。例えば2015年式・走行距離4.6万kmの「G SSパッケージ」で総額59.9万円。モデル後期の比較的新しい物件も充実している。

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第3位|ダイハツ タント(2代目)

■生産期間:2007年12月~2013年9月
■中古車平均価格:30万円
■中古車流通台数:3500台

 ダイハツ タント(2代目) ▲柔和で可愛らしい表情の2代目タント

軽スーパートールワゴンを大人気にした立役者といえば、このモデル。タントの2代目だ。

全高1750mmの背高ボディを生かした広大な車内空間、90度近くまで大きく開くドアは、初代から継承した特長。だが、2代目で印象的だったのは何といっても「ミラクルオープンドア」の存在だ。助手席側をセンターピラーレスとし、さらにスライドドアと組み合わせることで大開口部を実現したのだった。

ベーシックな通常外観の他に、いかついルックスの「カスタム」も設定。「カスタム」にはターボエンジンを搭載する「カスタム RS」も用意された。

 ダイハツ タント(2代目) ▲シフトレバーにはガングリップタイプのインパネシフトを採用

生産終了からすでに10年以上が経過。それでも中古車市場には十分な数の物件が流通している。価格帯も走行距離5万km未満の物件で総額35万円~とリーズナブル。

ただし、モデル後期(2011~2013年)の年式は比較的少なく、走行距離も7万km以上の物件が多くなってきた。程度の良い2代目タントを手に入れるなら今がラストチャンスかも。

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第4位|スズキ ワゴンR(4代目)

■生産期間:2008年9月~2012年8月
■中古車平均価格:30万円
■中古車流通台数:2500台

 スズキ ワゴンR(4代目) ▲リアドアが拡大され、後部座席への乗り降りがしやすくなった

フロントまわりのすっきりした造形が今見ると新鮮に感じられる。ダイハツ ムーヴとともに軽トールワゴンの一時代を築いたワゴンRの4代目だ。

外観はいかにも箱型だった従来型から進化してスタイリッシュに。クオーターウインドウを廃止してリアドアを拡大し、乗降性を向上させるなど地道な進化を遂げている。

登場したのは15年前だが、インパネシフトを採用して前席足元空間を確保し、後席にも最大160mmのスライド機構を設けるなど、居住性の良さはなかなかのものだ。

 スズキ ワゴンR(4代目) ▲車内長は従来型から105mmも拡大された

生産終了から10年以上経った現在でも、中古車市場には豊富な台数が流通している。もちろん、価格はリーズナブル。

全体の半数近くがカスタム顔の「スティングレー」だ。走行距離5万km未満の物件でも、総額30万円程度から狙える。

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第5位|ダイハツ タント(3代目)

■生産期間:2013年10月~2019年6月
■中古車平均価格:80万円
■中古車流通台数:5600台

 ダイハツ タント(3代目) ▲ターボエンジンは「カスタム RS」にのみ設定

従来型のファニーなルックスから、迫力重視のマスクへ。それでもなお、シルエットに可愛いさを残したデザインワークが3代目タントの巧みさだ。

2代目の大発明「ミラクルオープンドア」を継承しながら、3代目では運転席側後部ドアもスライド化。さらに助手席のスライド量を10cm延長したことで、A型ベビーカーを折りたたまずに載せられるスペースを作り出した。

全グレードに先進安全装備である「スマートアシスト」を設定し、2015年5月には「スマートアシストⅡ」へ、2016年11月には「スマートアシストⅢ」へと進化させていったのも3代目のトピックだ。

 ダイハツ タント(3代目) ▲大型ソファ風のシートで座り心地もよし!

中古車としてはまさに今、脂が乗っているところで、リーズナブルな価格帯になってきた。最もボリュームの多い年式は2016年式、走行距離では5万~7万kmとなっている。

例えば2018年式・走行距離2.1万kmの「X リミテッド SAⅢ」だと総額89.9万円。子育て世帯にはちょうど良い選択肢になってくれるだろう。

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【ワゴン車人気車種ランキング|ワンボックスワゴンTOP2】

キャブオーバー型で荷物を満載できるのが美点のワンボックスワゴンを2モデル紹介しよう。

 

第1位|トヨタ ハイエース(5代目・現行型)

■生産期間:2004年8月~生産中
■中古車平均価格:420万円
■中古車流通台数:1100台

 トヨタ ハイエース(5代目) ▲バンと共通の基本設計だが、衝突安全対策で前後バンパーが若干長い

不動の人気を誇るワンボックスワゴンといえば、ハイエースをおいて他にない。シンプルで使い勝手抜群の車内空間は、ワゴンでも健在だ。

バンには標準ボディ、標準ルーフの設定があるが、ワゴンは全車ワイドボディ、ミドルルーフもしくはハイルーフのみ。また、ディーゼルエンジンの設定もなく、2.7L ガソリンエンジンのみとなっている。ロング・ミドルルーフ仕様に加えて、スーパーロング・ハイルーフ仕様となる「グランドキャビン」もある。トランミッションは2015年1月までのモデルが4速AT、それ以降が6速ATだ。

 トヨタ ハイエース(5代目) ▲インテリアの基本的な造形はバンと同じ。インパネシフトを採用する(写真はハイエースバン)

バン同様、中古車市場は非常に活況で約1100台が流通しているが、その約半数は2023年式。そのため中古車平均価格も新車時価格に近い水準となっている。

価格の一例を挙げると、2012年式・走行距離3.7万kmの「2.7 GL」で総額223.4万円。初度登録から10年経過している物件で新車時との価格差が40万円弱しかないのは驚きだが、それだけ人気が高いことの証しだろう。

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第2位|日産 NV350キャラバンワゴン(初代)

■生産期間:2012年6月~生産中
■中古車平均価格:220万円
■中古車流通台数:30台

 日産NV350キャラバンワゴン(初代) ▲標準ルーフ・ロングボディ仕様の他にハイルーフ・スーパーロングボディ仕様もある

ハイエースにとって永遠のライバルとなるキャラバン。かつてはキャブオーバー型ミドルクラス・ワンボックスにも数多くの車種が存在していたが、現在、新車として販売されているのはハイエースとキャラバンのみだ。

キャラバンとして5代目にあたるモデルは2012年12月、新たに「NV350キャラバン」という名前を与えられてデビュー。ハイエースよりも長い10尺物(約3030mm・ロングボディ)を積載できる荷室を備え、パワフルな2.5Lガソリンエンジンを搭載した。

しかしながら、2021年10月にはフロントマスクを変更、ATを7速化するなどの変更とともに、車名が「キャラバン」へと戻された。ワゴンに先進安全装備が採用されたのも、このタイミングだ。

 日産NV350キャラバンワゴン(初代) ▲インテリアのデザインや質感も乗用車的だ

NV350キャラバンの人気はバンが圧倒的で、中古車市場にもワゴンは少ない。しかしハイエースより装備内容が豪華で、平均的価格がリーズナブルな点は魅力だ。

例えば、2015年式・走行距離4.7万kmの「2.5 GX(オートスライドドア付き)」で総額192.8万円。実用性重視のワンボックスワゴンが欲しい人には良い選択肢となるだろう。

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【ワゴン車人気車種ランキング|ミニバンTOP5】

新旧問わず人気のカテゴリーであるミニバンから、特に人気の5モデルを紹介する。

 

第1位|トヨタ アルファード(3代目)

■生産期間:2015年1月~2023年5月
■中古車平均価格:470万円
■中古車流通台数:2550台

 トヨタ アルファード(3代目) ▲標準仕様の他に、いわゆるエアロ仕様となる「S」系グレードも用意

3代目開発時のキーワードはそのものずばり「大空間高級サルーン」。ミニバンとしてではなく、高級車の一形態として企画された。アルファードがここまでヒットしたのは、空間効率的に有利なFFのプラットフォームを用いて、ラグジュアリーな雰囲気に仕上げてあるからだ。

3代目では2.5Lガソリンエンジン、同排気量エンジン+モーターのハイブリッド、3.5L V6ガソリンエンジンとバリエーション豊かなパワーユニットを用意するとともに、最大1160mmのスライド量を誇る助手席スーパーロングスライドシートを設定するなど、快適性も大幅に向上させた。

 トヨタ アルファード(3代目) ▲木目調パネルやシルバー加飾が多用された豪華な内装だ

2023年6月には4代目へと移行したが、中古車市場では3代目が今まさに活況。豊富な台数が流通している。

ボリュームが多い年式は2020~2021年式となっているが、比較的満遍なく分布している状況だ。走行距離も1万~3万kmの物件が特に多く、今なら程度の良い3代目アルファードを手に入れやすい。

中古車平均価格は高めの水準にあるが、2017年式・走行距離4.8万kmの「2.5 X」で総額232.4万円のように比較的リーズナブルな物件も見つかる。

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第2位|日産 セレナ(5代目)

■生産期間:2016年8月~2022年11月
■中古車平均価格:220万円
■中古車流通台数:5600台

 日産 セレナ(5代目) ▲標準仕様の他にエアロ仕様の「ハイウェイスター」や「ライダー」も人気

新車では2022年12月に登場した6代目が人気となっているが、「プロパイロット」や「e-POWER」といった先進装備を備えたミニバンが欲しいなら、5代目で十分かもしれない。中古車市場に5000台以上流通しているのも5代目の強みだろう。

5代目セレナは2016年8月に登場。当初は2Lガソリンエンジン・マイルドハイブリッド(S-HYBRID)仕様のみの設定だったが、2018年3月の変更でe-POWER車が追加された。これは1.2Lガソリンエンジンを発電用のみに用い、駆動はすべてモーターが担うシステムだ。

日産自慢の高度運転支援機能である「プロパイロット」はデビュー時から設定。6代目の一部グレードに採用されているハンズフリーでこそないが、実用上は全く問題なく、ロングドライブの大きな助けとなってくれるはず。

 日産 セレナ(5代目) ▲Aピラーをスリム化することで良好な前方視界を実現した

前述のように中古車市場の流通量は多く、平均価格も200万円台前半とリーズナブルだ。全体の4割近くがe-POWER車となっている。

価格の一例を挙げると、2016年式・走行距離3.6万kmの「2.0 X」で総額129.4万円。e-POWER車でも走行距離5万km未満の物件で総額180万円台前半から狙える。

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第3位|トヨタ ヴォクシー(3代目)

■生産期間:2014年1月~2021年11月
■中古車平均価格:220万円
■中古車流通台数:4000台

 トヨタ ヴォクシー(3代目) ▲実質的には5ナンバーサイズでも、見た目の迫力は満点!

5ナンバーのコンパクトなサイズを保っていた最後のヴォクシーが3代目。ノアの兄弟車だが、ヴォクシーはマッシブなイメージとなっているのが特徴だ。

外観ではヘッドライトを上下2段に分け、兄弟車のノアとは異なる独自性を演出。ワイドボディとなる「ZS」系グレードはスカートと大開口部を設けた、より精悍な表情となる。

パワーユニットは2Lガソリンエンジンと、1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドを用意。3代目では低床化をより推し進め、全高を抑えながら頭上空間に余裕ある車内が実現された。

 トヨタ ヴォクシー(3代目) ▲ダッシュボードを低く設計することで、運転席からの見晴らしも良い

デビュー当初は5ナンバー標準ボディと3ナンバーワイドボディをラインナップしていたが、2020年4月のトヨタ全チャンネル全車種併売化に伴って「ZS」グレードのみに。中古車市場でも全流通量のうち、過半数が「ZS」系グレードとなっている。

例えば、2019年式・走行距離4.9 万kmの「2.0 ZS 煌Ⅱ」といった魅力的な物件でも、総額210万円。中古車なら5ナンバー時代の3代目ヴォクシーも手に入る。

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第4位|ホンダ フリード(2代目・現行型)

■生産期間:2016年9月~生産中
■中古車平均価格:200万円
■中古車流通台数:3100台

 ホンダ フリード(2代目) ▲2019年10月のMCでフロントマスクのデザインが洗練された

三角と四角を組み合わせたキャビンが使いやすい! フリードは5ナンバーサイズのコンパクトな3列シート車。2代目では車内の快適性がさらに向上した。

全長を従来型比+50mmに抑えながら、1~3列目のヒップポイント間距離を90mm拡大。7人乗り仕様の他に6人乗り仕様も設定され、後者では2列目キャプテンシートはロングスライドが実現された。

パワーユニットは1.5L ガソリンエンジンと同排気量エンジン+モーターのハイブリッド。ハイブリッド車は単に燃費が良いだけでなく、7速デュアルクラッチミッションが組み合わされたスポーティな仕様となっている。

 ホンダ フリード(2代目) ▲ウォールナット風の木目調パネルがオシャレ!

2代目はデビューから7年経過した現在もレッキとした現行モデル。中古車市場には3000台以上の豊富な物件が流通している。

全体の約4割がハイブリッド車だ。例えば2016年式・走行距離4.5万kmの「1.5 ハイブリッド G」で総額133.7万円。先進的なハイブリッド車がこの価格で手に入るならリーズナブル!

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第5位|トヨタ シエンタ(2代目)

■生産期間:2015年7月~2022年7月
■中古車平均価格:150万円
■中古車流通台数:3000台

 トヨタ シエンタ(2代目) ▲2018年9月のMCでは外観のデザイン変更とともに新たに2列シート車が設定された

コンパクトな3列シート車なら、フリードと並んでシエンタが数少ない候補となる。2代目は初代のファニーな顔つきから一転し、「トレッキングシューズ」をイメージしたクールな外観となった。

車内空間では、後方の座席ほど着座位置が高くなるシアターレイアウトを採用。コンパクトな車内サイズながら、どの席からの見晴らしも良く、開放感あふれる空間が実現されている。

パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンと、同排気量エンジン+モーターのハイブリッド。後者のシステムはアクアに搭載されているものと基本的に共通の「THS-Ⅱ」だ。

 トヨタ シエンタ(2代目) ▲3列シート車には6人乗り仕様と7人乗り仕様を設定

中古車市場ではガソリン車が全体の約7割となっている。年式ではデビュー直後から2019年あたりまでの物件が多い。

価格帯はガソリン車が総額70万円~、ハイブリッド車が総額80万円~。2022年8月に3代目へとフルモデルチェンジしたことで、だいぶ手に入れやすくなった。

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文/田端邦彦 写真/スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、ミニ、メルセデス・ベンツ、篠原晃一

※記事内の情報は2023年11月15日時点のものです。
 

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。

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