ワンボックスカーとは? ミニバンとの違いやオススメ&人気ランキング13選を紹介!
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / ホンダ / スズキ / 三菱 / ダイハツ / ミニバン / ワンボックスカー / 1BOX / キャラバン / ハイエースバン / デリカD:5 / フリード / NV350キャラバンワゴン / セレナ / ハイエース / ヴォクシー / アトレーワゴン / アルファード / NV350キャラバン / ハイゼットカーゴ / エブリイ / エブリイワゴン / 田端邦彦
2023/05/23
▲キャブオーバー型の駆動系レイアウトを採用する車は世界的に少なくなりつつある。ワンボックスカーを買うなら今かも!プライベートでも使えるワンボックスカー
アウトドアブームに乗って大人気のワンボックスカー。人が大勢ゆったり乗れて、荷物もたくさん載せられるのだから、仕事でもプライベートでも大活躍!
そこでこの記事では、ワンボックスカーの特徴やミニバンとの違い、メリット&デメリットを明らかにしつつ、カテゴリー別に代表的なオススメ車種を紹介していく。
目次
- ワンボックスカーってどんな車?
- ワンボックスカーとミニバンの違いは?
- ワンボックスカーのメリット&デメリット
- 【タイプ別! ワンボックスカーオススメ8選】
- 普通車×バン①|トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型)
- 普通車×バン②|日産 キャラバン/NV350キャラバン(5代目・現行型)
- 普通車×ワゴン①|トヨタ ハイエース(5代目・現行型)
- 普通車×ワゴン②|日産 NV350キャラバンワゴン(5代目)
- 軽自動車×バン①|ダイハツ ハイゼットカーゴ(3代目・現行型)
- 軽自動車×バン②|スズキ エブリイ(6代目・現行型)
- 軽自動車×ワゴン①|ダイハツ アトレーワゴン(5代目)
- 軽自動車×ワゴン②|スズキ エブリイワゴン(6代目・現行型)
- 【番外編:ミニバン人気ランキングTOP5】
- 第1位|トヨタ アルファード(3代目・現行型)
- 第2位|日産 セレナ(5代目)
- 第3位|ホンダ フリード(2代目・現行型)
- 第4位|三菱 デリカD:5(初代・現行型)
- 第5位|トヨタ ヴォクシー(3代目)
- 【Q&A】ワンボックスカーについてよくある質問
ワンボックスカーってどんな車?
ワンボックスカーとはその名(1BOX)のとおり、箱型形状をした車のことだ。「○ボックス」という呼び方は車を“箱の数”でカテゴライズする手法で、ワンボックスの他にボンネット+キャビンで構成されるツーボックス、セダンのようにボンネット+キャビン+独立したトランクルームで構成されるスリーボックスもある。
▲箱のような形だからワンボックス(1BOX)。似たような形のミニバンとは、実は明確な違いがある……
▲例えばセダンは、ボンネット・キャビン・トランクの3つに分けることができるため、スリーボックス(3BOX)ということになる。写真はレクサス LSただし、現代では車の形状が多様化したことで、明確に分けにくい車種が多くなってきた。ワンモーションフォルムのミニバン、流麗なスタイルのステーションワゴン、ハッチバック車などは“何ボックス”と表現しにくい車種の代表例だ。
ワンボックスカーとミニバンの違いは?
ワンボックスカーとミニバンは混同されがちだが、成り立ちを考えると違いが分かる。
ミニバンはRV大国のアメリカで生まれたカテゴリーで、大家族ファミリー向けの乗車定員、扱いやすいボディサイズを備えた車のこと。10人以上乗車できるフルサイズ・バンに対してコンパクトであったことから“ミニバン”と名付けられた。
フルサイズ・バンが貨物車をベースにしていたのに対して、ミニバンの多くは乗用車をベースとしていたのも特徴だ。ダッジ キャラバン、クライスラー タウン&カントリーなどがその先駆者とされ、乗り心地が良く、ボンネットがあるため運転感覚は乗用車に近い。また、内装の仕立てなども豪華だったことから大人気になったのだ。
▲1980年代後半にアメリカで登場した“ミニバン”は、子供の送迎などに大活躍。一躍、人気のカテゴリーとなった。写真はクライスラーのタウン&カントリー
対してワンボックスカーは貨物用のキャブオーバー車(エンジンを前席の下に搭載する駆動系レイアウトを採用する車のこと)、あるいはそれをベースに乗用ワゴン化されたモデルを指すことが多い。
ミニバンのエンジンルームがキャビンから独立しているのに対して、ワンボックスカーはキャビンとエンジンルームが一体(例外的にセミボンネットという短いボンネットを備え、キャビン前方にエンジンを搭載する車種もある)。キャビン形状も箱型で、乗車定員数や積載容量を最重視した作りになっているのが特徴だ。
ワンボックスカーのメリット&デメリット
特徴的なボディ形状をもつワンボックスカーだけに、メリットもあればデメリットもある。買って後悔しないためにも、長所と短所をきちんと把握しておこう! 自分のカーライフを考慮したうえで、ワンボックスカーでなくミニバンを選ぶ……という判断も、もちろんOKだ。
ワンボックスカーのメリットは何といっても、荷物をたくさん積めること。前述の理由でキャビンが広いから、乗用車はもちろんミニバンとも比較にならないほど多くの荷物を積める。多くの車種では荷物固定用のフックが備わっているなど、使い勝手も抜群だ。
▲背の高い荷物も、長い荷物も楽々積めちゃう積載能力の高さはワンボックスカー最大の強み
ワンボックスカーは積載性に優れているだけでなく、人が乗るにも余裕たっぷり。例えばハイエースワゴンなどは10人乗り仕様となっており、どの席も十分な広さを備えている
軽ワンボックスカーの場合は規格の都合で一般的な軽自動車と同じ4名定員だが、それでも後席の頭上空間には一般的なハイトワゴン以上の余裕がある。
▲頭上空間が広く、足元も広々。ワンボックスは軽自動車や小型車など、ボディサイズに制限のあるカテゴリーで有利なパッケージだ
以前に比べると最近のワンボックスカーは装備内容が充実している。バン(貨物車登録)であっても、パワーウインドウやエアコンなど必要最低限の装備は揃いつつある。ビジネスシーンで労働環境の快適化が期待できるのはもちろん、レジャー用途にも事足りるだろう。
車中泊仕様などにカスタムしやすいのもワンボックスカーのメリットだ。
▲ビジネスシーンはもちろん、プライベートユースでも快適に使えるモデルも増えてきている。ダイハツ ハイゼットカーゴ
積載性を重視した作りとなっているだけに、乗り心地についてはミニバンに及ばないことがほとんど。ワゴン(乗用登録)の場合にはソフトライドな乗り味となっていることもあるが、重心位置が高いために横風や轍の影響は受けやすい。
またボンネットがなく、エンジンの上に着座するため運転感覚も独特だ。慣れてしまえば問題ないが、「乗用車的な運転感覚が好み」という人はミニバンを選ぼう。
ミニバンでは燃費性能に優れたハイブリッドをラインナップする車種が増えているが、ワンボックスカーは現在でも通常のガソリン車またはディーゼル車がほとんど。車の作りも積載を前提とした頑丈なものになっていることが多く、燃費には不利に働く。
ただし、ディーゼルの場合は軽油価格がガソリンよりも安いため、トータルの燃料コストではミニバンのガソリン車より安くて済む可能性がある。さらにバンなら、税金などのランニングコスト全体が安いメリットもある。自分のカーライフを想定したうえでランニングコストをシミュレートしよう。
▲軽油の価格はレギュラーガソリンの8~9割ほど。最近では環境性能に優れたディーゼル車が増えたタイプ別! ワンボックスカーオススメ8選
ここからは、代表的なワンボックスカーを【普通車×バン】【普通車×ワゴン】【軽自動車×バン】【軽自動車×ワゴン】の4カテゴリーに分けて、それぞれ2車種ずつ紹介しよう!
また、「ワンボックスカーじゃなくて気になるのはミニバンだった……」という方は、まずは番外編である【ミニバン人気ランキング】からチェックするのもありだ!
【普通車×バン①】トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型)
■生産期間:2004年8月~
■新車時価格帯:170.6万~529.5万円
■中古車価格帯:70万~1040万円
▲ビジネスユーザーから絶大な信用を得ているハイエース。車中泊仕様などプライベートでも人気国産ワンボックスカーといえばコレ、という存在がハイエースだ。通算5代目となる現行型は2004年のデビュー。登場から20年近く経っているが、新車も中古車も人気は一向に衰えていない。
ハイエースにはバンとワゴンがあり、前者の方が仕様数は豊富だ。例えばコンパクトな4ナンバーの標準幅・標準ルーフが選べるのはバンのみ。4ナンバー車は取り回しに優れているだけでなく、税金などコスト面でも有利。また、ガソリンエンジンに加えてディーゼルエンジンが選べるのも大きなメリットとなっている。
プライベートで使うなら、内外装が豪華な仕様となる「スーパーGL」グレードが狙い目だろう。後席シートがスライド&リクライニング機構付きとなるなど、快適度が他のグレードとは段違いだ。
▲ゲート式のインパネシフト採用ですっきりとデザインされたインテリア長いモデルライフを誇る車種だけあり、中古車市場での流通量も約4000台と非常に多い。中古車平均価格は約290万円と高めとなっているのは、新車コンプリート車両が多いためだ。全流通量の約2割が2023年式となっている。
ディーゼル車ならエンジンが2.5Lの2KD-FTV型から2.8Lの1GD-FTV型へと置き換わった2017年11月以降のモデルがオススメ。2018年式で、「DX」グレードなら総額170万円から、「スーパーGL」グレードなら総額200万円から狙える。積載を前提としたタフな作りゆえ、走行距離が進んでいてもキチンと整備されてきた物件なら問題ない。
▼検索条件
トヨタ ハイエースバン(5代目・現行型) × 全国【普通車×バン②】日産 キャラバン/NV350キャラバン(5代目・現行型)
■生産期間:2012年6月~
■新車時価格帯:189.4万~493.8万円
■中古車価格帯:80万~560万円
▲ハイエースバンのライバルとして、ビジネスユーザーを支えているキャラバン。94ものタイプがラインナップされるのが特徴隊列を組んで品物を運ぶ商人たちのことを、かつてキャラバンと呼んだ。商用車のことを指す「バン」の語源にもなった言葉を車名にしたのが日産 キャラバンだ。現行型5代目はデビューから約10年間、「NV350キャラバン」と呼ばれていたが、2021年10月のマイナーチェンジで元の名称に戻った。
バンのバリエーションは非常に豊富で、標準幅 or ワイド(全幅)、ロング or スーパーロング(全長)、標準ルーフ or ハイルーフ(全高)、乗車定員、2WD or 4WDの違いにより、なんと94もの仕様がある。
車内空間はワンボックスカーならではの広大さで、4ナンバー車の荷室長はクラストップの3050mm。ロングのサーフボードなどを趣味にする人にとって多いに役立つだろう。
エンジンは2L直4ガソリン(ロングボディ)と、2.5L直4ガソリン(スーパーロングボディ)、2.4L直4ディーゼルターボの3種類。貨物車といえばディーゼルのイメージだが、キャラバンについてはガソリン車の人気が比較的高いようで、中古車市場においても流通量全体のおよそ6割がガソリン車だ。
▲バンながら先進的なイメージに仕上げられたインテリア。オーテック仕様の豪華な内装も設定された車名が「キャラバン」に戻ってからまだ約1年半ということもあり、中古車市場流通量は約100台。キャンピング仕様に架装した物件など、新車コンプリート車両が多い点はハイエース同様だ。走行距離1万km台で総額約200万円の物件など、良好なコンディションの物件が多く揃っているのはメリットと言えるだろう。
2021年9月以前の「NV350キャラバン」も基本設計は「キャラバン」と大きく変わらない。そちらの中古車流通量は1000台以上と豊富だ。
▼検索条件
日産 キャラバン(5代目・現行型) × 全国▼検索条件
日産 NV350キャラバン(5代目) × 全国【普通車×ワゴン①】トヨタ ハイエース(5代目・現行型)
■生産期間:2004年8月~
■新車時価格帯:226.8万~540.2万円
■中古車価格帯:160万~900万円
▲ハイエースのワゴンは全車ワイド、ミドルルーフの迫力あるルックス基本設計はバン・ワゴン共通だが、バンとはかなり異なる豪華な仕様、装備内容となるハイエースのワゴン。ボディは3ナンバーワイドのみとなる。
グレード体系はロング・標準ルーフの「GL」「DX」とスーパーロング・ハイルーフの「グランドキャビン」の3種類。エンジンは全車2.7L直4ガソリンだ。バンで過半数を占めるディーゼルエンジンを設定せず、あえてガソリン車のみとしている点からも、バンとワゴンを別扱いとしていることが分かる。
乗車定員はいずれの仕様も10人乗りとなっており、家族はもちろん、趣味の仲間たちと相乗りして出かけるのにも便利。一般的なミニバンにはとても真似のできない芸当だ。
装備内容もバンに比べると格段に上等で、全車にフロントエアコン、リアヒーター&クーラー、先進安全装備の「Toyota Safty Sense」を標準装備。上位グレードである「GL」「グランドキャビン」は特に豪華で、オートエアコンやドアイージークローザーが備わっている。オプションのパワースライドドアなどが装着されている車両なら、ミニバン同様の快適さだろう。
▲ワゴンの全幅は1880mm。ラージクラスのSUVに近いサイズだ中古車市場での流通量は約1100台。グレードでは「GL」が圧倒的に多く、次いで「DX」、「グランドキャビン」は少数派となっている。
人気車だけに中古車相場はやや高めで、中古車平均価格は390万円前後。コンディションの良いハイエースワゴンをリーズナブルに手に入れたいなら、年式が古くても、走行距離少なめの物件を狙ってみるのがオススメだ。例えば2008年式、走行距離7万km未満の「GL」なら総額170万円台前半から狙える。
▼検索条件
トヨタ ハイエース(5代目・現行型) × 全国【普通車×ワゴン②】日産 NV350キャラバンワゴン(5代目)
■生産期間:2012年6月~
■新車時価格帯:243.6万~376.9万円
■中古車価格帯:110万~540万円
▲基本設計はバンと全く同じだが、ワゴンはガソリン車のみとなっていたハイエースのライバルであるキャラバンにも、乗用登録のワゴンが設定されている。全車、3ナンバーサイズとなるが、全幅については1700mm以内(マイクロバスを除く)の標準幅となっており、ハイエースワゴンよりも取り回しやすいのが特長だ。
グレード体系は「GX」「EX」「DX」の3種類。ロングボディ、標準ルーフの他に、「GX」にはスーパーロングボディ、ハイルーフの設定もある。ハイエースでいうところの「グランドキャビン」に相当する仕様と言えよう。
搭載されるエンジンは信頼性の高い2.5L直4ガソリン。バンではスーパーロングにしか設定されない贅沢なエンジンだ。最高出力108kW、最大トルク213N・mというスペックはプライベートユースでも不満を感じないはず。装備も衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報などの先進安全装備、リアヒーター&クーラーなどの快適装備が充実しており、「GX」グレードにはオートエアコン、助手席側パワースライドドアも付く。
「NV350キャラバン」のワゴンもバン同様、2021年10月に車名が「キャラバン」へと変わっているが、現在のところ中古車市場に「キャラバン」のワゴン車はほぼ流通していない。そのため、ここでは2012年6月~2021年9月まで生産された「NV350キャラバン」の中古車を紹介しておこう。
▲NV350デビュー時のインテリア。上位グレードにはプッシュ式スターターも採用された中古車市場での流通量は約40台と少なめだが、平均価格210万円前後とリーズナブルなのがキャラバンの良いところ。全流通量のうち約半数が最上級グレードである「GX」だ。2015年あたりの年式なら走行距離5万km以下の物件でも、総額200万円から狙える。
キャンパーなどへの架装を前提に中古車を購入するなら、「GX」スーパーロング・ハイルーフが適任。こちらは総額220万円~となっている。
▼検索条件
日産 NV350キャラバンワゴン(5代目)× 全国【軽自動車×バン①】ダイハツ ハイゼットカーゴ(3代目・現行型)
■生産期間:2021年12月~
■新車時価格帯:104.5万~160.6万円
■中古車価格帯:90万~240万円
▲より直線的なイメージになった外観が新型ハイゼットカーゴの特徴だ「ハイゼット」はダイハツ初の軽四輪車として名付けられた、栄誉ある車名。カーゴの登場は1961年と非常に古く、現行軽自動車の中で最も長い歴史をもつ車名となっている。
先代とそっくりの外観なので見分けが付きにくいが、現行型は2021年12月にフルモデルチェンジしたばかりのブランニューモデルだ。先代同様のスクエアなフォルム、開口部の広いスライドドア&リアハッチによって優れた乗降性と広大な車室空間が実現されている。
リアシートに荷室床と面一になるダイブダウン方式を採用したことで、荷役性もさらにレベルアップした。従来、貨物車といえばリアサスにリーフスプリングを採用するのが一般的だったが、ハイゼットカーゴは前後コイルサスで、後席の乗り心地も悪くない。先進安全装備である「スマートアシスト」も最新型が標準装備されており、安全性能も万全だ。
▲商用モデルとして装備内容はごくシンプル。だが、内装は使い勝手の良さが追求されたデビューから1年半経った現在、中古車市場には約590台が流通。その多くが走行距離500km未満、初度登録から1年前後の物件となっている。走行距離数kmの物件でも、総額90万円から狙える状況だ。新車に近いコンディションのハイゼットカーゴを少しでもリーズナブルに手に入れたいなら、今が好機かもしれない。
▼検索条件
ダイハツ ハイゼットカーゴ(3代目・現行型) × 全国【軽自動車×バン②】スズキ エブリイ(6代目・現行型)
■生産期間:2015年2月~
■新車時価格帯:92.3万~154万円
■中古車価格帯:30万~460万円
▲働く車として機能性を突き詰めたエブリイ。広い荷室は車中泊にも使える!ハイゼットと並ぶ、軽バン界の2大スターといえばエブリイだ。現行型6代目は2015年2月に登場した。ボクシーな外観は先代同様だが、フロントタイヤを前方に移動したことによってキャビンスペースが拡大。前席のスライド量が長くなり、様々な体型の人に適応するシートポジションとなった。
エブリイ最大の魅力といえば、やはりカーゴスペース。助手席側シートを前倒ししたときの最大荷室長は2640mmもあり、ロングボードなどの長尺物も余裕で積み込める。
また、トランスミッションに5速MT車、4速AT車に加え、MT感覚で運転できるオートギアシフト(AGS)車が用意されているのも特徴のひとつ。現行モデルはNAエンジン車のみのラインナップになっているが、デビューから2022年4月までは「JOINターボ」というターボ車も設定されていた。力強い走りを求める方は、中古車で探してみるのも手だろう。
▲インテリアは柔らかな曲線デザイン。グローブボックス上のトレイは小物を置いておくのに便利デビューから8年以上経過したことで、中古車市場での流通量も約2600台と豊富。ターボ車の割合は12~13%で、ほとんどはNAエンジン車だ。軽乗用ワゴンのような先進安全装備は「JOIN」などの上級グレード、もしくは2022年4月以降のモデルに装備されている。
価格の一例を挙げると、2017年式・走行距離5万km前後の物件で総額50万円前後~。先進安全装備が付いた2022年以降の物件では総額90万円~となっている。
▼検索条件
スズキ エブリイ(6代目・現行型) × 全国【軽自動車×ワゴン①】ダイハツ アトレーワゴン(5代目)
■生産期間:2005年5月~2021年12月
■新車時価格帯:133.4万~182.1万円
■中古車価格帯:10万~220万円
▲カスタム顔が標準仕様だったアトレーワゴン。写真はフロントマスクが変更された後期型のものハイゼットカーゴのプライベートユース版と言えるアトレーだが、2021年12月に登場した現行型は軽貨物車登録。そのため、ここでは軽乗用車登録だった5代目を紹介する。ベースとなっているのは従来型のハイゼットカーゴだ。
5代目アトレーワゴンは全車直3ガソリンターボエンジン搭載、全車エアロパーツ装着のカスタム仕様という、かなりトンガッた軽ワゴン車。しかし、中身は実直そのもので、ハイゼット譲りのスクエアなボディ形状による広大な車内空間、インパネシフト&足踏み式パーキングブレーキ採用による前席足元空間の広さ、低床化&タイヤハウスの小型化などによってもたらされた優れた積載性が魅力となっていた。
もともとは丸目4灯の愛嬌ある顔立ちだったが、2017年11月のマイナーチェンジでフロントグリルとヘッドライトが連なる迫力あるマスクに変更。同時に「スマートアシストⅢ」、アイドリングストップ機能が全車に標準装備されている。
▲インテリアの基本デザインは従来型ハイゼットに準じたものだが、化粧パネルにより豪華な印象となっていた16年半という長いモデルライフとなった5代目。中古車市場には約640台が流通しており、2005年のデビュー直後から2021年の生産終了まで幅広く分布している。
走行距離は5万kmを超えている物件の割合が多いが、中には走行距離4万km台で総額50万円以下の物件も。フロントマスクが変わった2017年11月以降のモデルでは、総額80万円台から狙える状況となっている。
▼検索条件
ダイハツ アトレーワゴン(5代目) × 全国【軽自動車×ワゴン②】スズキ エブリイワゴン(6代目・現行型)
■生産期間:2015年2月~
■新車時価格帯:142.6万~192.9万円
■中古車価格帯:60万~420万円
▲フロントグリルがクロームメッキ仕様となるなど、外観もバンよりゴージャス!バンよりフロントマスクがちょっと豪華なだけ……じゃない! エブリイの軽乗用モデル、エブリイワゴンはプライベートユースに的を絞った軽ワゴンだ。
エブリイのスクエアなボディ形状、低くて荷物を積み降ろししやすいフロアはそのままに、フロントシートをベンチシート化。室内長2040mm、前後シート間距離1080mmという広大な車内空間を実現している。180mmもスライドするリアシートは普通車ミニバンも顔負けの快適さだ。
エンジンは全車、直3ガソリンターボエンジン搭載でパワフル。グレードによってはパワースライドドアや電動オートステップといった豪華装備も採用されている。ボンネットをもつ軽スーパーハイトワゴンに真っ向から勝負を挑む、バン派生のキャブオーバー車なのだ。
▲普段使いでも違和感ない、ナチュラルな印象の車内中古車市場での流通量は1000台強とやや少なめだが、年式の新しい物件が多く、新車に近いコンディションのものを選びやすい状況にある。
デビュー直後の年式なら総額60万円程度から、先進安全装備である「スズキセーフティサポート」の機能が進化した2019年6月以降・走行距離5万km前後の「PZターボ」なら、総額120万円程度から狙える。ちなみに「PZターボ」の新車価格は162万円。十分にお買い得と言えるだろう。
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スズキ エブリイワゴン(6代目・現行型)× 全国番外編:ミニバン人気ランキングTOP5
ワンボックスカーについて紹介してきたが、中には「よ~く考えたけど、やっぱりワンボックスカーよりミニバンの方が良いかも! 」と思った人もいるのでは?
そんな人のために、カーセンサーで人気のミニバンTOP5を紹介しよう。
【第1位】トヨタ アルファード(3代目・現行型)
■生産期間:2015年1月~
■新車時価格帯:319.8万~1607.2万円
■中古車価格帯:190万~2020万円
▲アルファードは元々、2代目エスティマをベースに開発された車だった。高級感とゆとりある車内空間によってベース車以上のヒット作となった国産ミニバン界のフラッグシップとして長年君臨してきたアルファード。初代はフロントにエンジンを横置きする乗用車派生のミニバンとして企画され、大成功を収めた。
2015年1月登場の現行型は3代目。バンパーにまで及ぶ大型フロントグリルの採用などで外観はさらに力強くなった。ミニバンでなく高級セダンをターゲットに開発したとされる快適性や高級感、乗り心地についても、競合他車を大きく引き離すほどハイレベルだ。
特に7人乗り仕様に採用されるオットマン付きのキャプテンシートは至極の心地よさ。サードシートに至っても十分なスペースと上質な座り心地が提供されている。
搭載されるパワーユニットは2.5L直4ガソリンおよび、同排気量エンジン+モーターのハイブリッド、3.5L V6ガソリンの3種。ハイブリッド車は全車フルタイム4WDとなる。
▲最上級グレードでなくても、この豪華さ! 上位グレードではオットマンも電動式となる人気車種&ロングライフなモデルだけあり、中古車市場には約3200台もの3代目アルファードが流通。2015年のデビュー時から現在まで満遍なく分布しているが、最もボリュームが多いのは2020年式だ。程度が良く、新車に比べてオトク感の高い物件が充実しているのは嬉しいところ。
2.5Lガソリン車なら、総額200万円前後から狙える。アルファードらしい静粛性が得られるハイブリッド車は全流通量の約10分の1と少なめだが、走行距離3万km程度の物件が総額310万円前後から狙える。
▼検索条件
トヨタ アルファード(3代目・現行型) × 全国【第2位】日産 セレナ(5代目)
■生産期間:2016年8月~2022年11月
■新車時価格帯:231.7万~419.2万円
■中古車価格帯:90万~420万円
▲5代目セレナには「e-POWER」や「プロパイロット」など先進的な装備が数多く採用された初代はキャブオーバー型だったセレナだが、2代目以降はエンジンがフロントに移動し、晴れてミニバンに。それ以降も進化を続け、2022年12月には6代目へとフルモデルチェンジしたが、まだ中古車市場にはわずかな台数しか出回っていない。ここでは従来型である5代目を紹介しよう。
2016年8月に登場した5代目は同一車線自動運転技術「プロパイロット」の採用がトピックとなった。ミニバンでは世界初の技術だ。室内長は先代より180mmも拡大、全席ニースペースが拡大されるなど5ナンバー・3列シートミニバンとしての使い勝手も熟成されている。
エンジンは2L直4ガソリンで、「X」以上の上級グレードには発電用モーターを駆動アシストに使い、燃費を良くする「S-HYBRID」が採用された。さらに、2018年3月にはモーターのみで駆動する「e-POWER」車が追加されている。
▲ハンズフリーで開閉できるスライドドア、ガラス部分だけ開閉できるリアハッチなど使い勝手を良くする工夫はさすがだ中古車市場流通量は約5300台と非常に多く、特に「e-POWER」車が追加された2018年式が充実している。デビュー直後のガソリン車なら、走行距離5万km未満の物件でも総額120万円台から狙える。
「e-POWER」車に絞ると、総額190万円台からのスタート。5代目セレナ全体の中古車平均価格は約240万円とリーズナブルだ。
▼検索条件
日産 セレナ(5代目)× 全国【第3位】ホンダ フリード(2代目・現行型)
■生産期間:2016年9月~
■新車時価格帯:188万~333.3万円
■中古車価格帯:90万~340万円
▲2代目では3列シート仕様を「フリード」、2列シート仕様を「フリード+」として別車種扱いにこのボディサイズに3列シートが収まっているとは信じられない! コンパクトで運転しやすいミニバン、フリードは2016年9月に2代目へと移行。6年以上にわたって好調な販売を続けている。
2列目キャプテンシートの6人乗り仕様と、2列目ベンチシートの7人乗り仕様をラインナップ。キャプテンシートは360mmのロングスライドを実現しており、サードシートへの乗り降りがしやすい仕様となっている。
パワーユニットは1.5L直4ガソリンエンジンと、同エンジン+モーターのハイブリッドという2種類。後者は燃費が良いだけでなくトルクフル。さらに、トランスミッションも専用の7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)となるなど、ホンダらしいスポーティさも忘れていない。
▲どの席から見晴らしの良い車内空間はフリードの大きな特長だ現行モデルだが、中古車平均価格は204万円とかなりお買い得。流通量も約3300台と大変充実している。流通量全体におけるハイブリッド車の割合は約4割だ。
ガソリン車なら走行距離3万km未満の物件でも総額110万円程度から狙える。ハイブリッド車は走行距離5万km前後で総額140万円~。デビューから6年半経過しているが、最も流通量が多い年式は2022年式となっている。コンディションの良い物件を見つけやすい状況と言えるだろう。
▼検索条件
ホンダ フリード(2代目・現行型) × 全国【第4位】三菱 デリカD:5(初代・現行型)
■生産期間:2007年1月~
■新車時価格帯:221.3万~460.1万円
■中古車価格帯:40万~670万円
▲悪路走破性に優れたミニバン……というキャラクターは世界的にも極希!乗用車から派生したのがミニバン……と書いたが、デリカD:5はSUVとプラットフォームを共有する希有な存在だ。ベースとなったのはアウトランダーで2007年1月に登場した。
2019年2月の変更でフルモデルチェンジしたかのようなスタイルに生まれ変わったが、基本設計は共通。リブボーンフレームという補強が施されたモノコック構造のボディと、フロントに横置き搭載されるエンジン、アクティブトルクスプリット型4WD(2WDモデルもあり)を特徴としている。
当初は2.4L直4ガソリンエンジンのみの設定だったが、2009年12月に2WDモデル専用エンジンとして2.0L直4ガソリンを追加。さらに、2012年12月には2.2L直4ディーゼルターボを追加し、ミニバンSUVとしての魅力を大きく高めた。
フロントマスクが変わってからの後期型ではディーゼルのみの設定となり、エンジンの大部分を改良。先進的な予防安全技術「e-Assist」も新たに採用された。
▲フロントにエンジンを搭載するが、ドライビングポジションはややアップライト。それがデリカらしさでもある13年以上のモデルライフを誇るだけあり、中古車市場にも豊富に流通している。全流通量約2300台のうち、後期型が約4割。最もボリュームが多いのは2022年式だ。
2010年前後の年式なら、走行距離3万km程度の物件でも総額110万円から狙える。ただ、後期型の中古車相場は高めで、一例を挙げると2019年式、走行距離9万kmの物件でも当時の新車価格とほとんど変わらない総額320万円となっている。
▼検索条件
三菱 デリカD:5(初代・現行型) × 全国【第5位】トヨタ ヴォクシー(3代目)
■生産期間:2014年1月~2021年11月
■新車時価格帯:218万~344.3万円
■中古車価格帯:80万~380万円
▲兄弟車のノアは万人受けするデザインなのに対して、ヴォクシーはインパクトのある顔つきだ3代目ヴォクシーはトヨタがチャンネル別車種展開を行っていた頃に生まれたモデルで、ノアの兄弟車となる3列シートミニバン。上下2段構成のにらみを利かせたマスクが特徴だ。
5ナンバーサイズを基本とするが、エアロパーツを備えた「ZS」グレードだけは3ナンバーとなる。パワーユニットは2L直4ガソリンエンジンと1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドが用意された。
2020年4月には全車種併売化に伴ってエンブレムがネッツ店専用のものからトヨタ共通のデザインに変更。同時にグレードも「ZS」系のみに整理され、3ナンバー専用車種となった。
▲2代目より全高は低くなったが、車内高が60mmも拡大されたことで頭上空間に余裕がもたらされた2021年11月に4代目へとフルモデルチェンジしたが、中古車市場では3代目が人気。約4670台もの物件が流通している。2014年デビュー直後の年式なら走行距離5万km未満で総額120万円から狙える状況。
最もボリュームの多い2018年式では、走行距離4万km前後の「ZS」グレードで、総額240万円前後となっている。
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トヨタ ヴォクシー (3代目)× 全国【Q&A】ワンボックスカーについてよくある質問
A. 乗用車登録(3または5・7ナンバー)のワンボックスカーはもちろん、貨物車登録(1または4ナンバー)のバンも、個人で購入できる。運転についてもここで紹介したワンボックスカーなら普通自動車免許で乗れる(ただし、乗車定員10人以上のハイエースコミューターなどは不可)。
なお、乗用車の継続車検は2回目以降2年ごとなのに対して、商用車は毎年車検。ちょっと面倒だが、自動車税や重量税などのランニングコストは安くなる。
A.貨物車派生のワンボックスカーはかつて乗用車に対して先進安全装備の面で見劣りしていたが、現行車種においてはほぼ同等。例えばハイエースの場合、2017年11月以降のモデルであれば全車に衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が標準装備されている。安全装備を重視する人は年式に注意しよう!
※記事内の情報は2023年5月15日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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