▲フィットよりもひとまわり小さいAセグメントモデルとして開発されるフィットJr(仮称)。生産はアジアで集中して行われ、世界各地へ輸出される見通しだ ▲フィットよりもひとまわり小さいAセグメントモデルとして開発されるフィットJr(仮称)。生産はアジアで集中して行われ、世界各地へ輸出される見通しだ

フィットJrにはホンダの小排気量エンジンのノウハウが活用される

フィットやCR-V、これから世界各地で発売されるヴェゼルに続き、ホンダが新たなグローバルカーの開発に乗り出す。その車はセダンでもなければSUVでもなく、コンパクトカーだという。

すでにフィットが存在しているのに、さらに2BOXハッチバックを作る必要があるのか。そんな疑問を抱く方もいるだろう。そこで、既存モデルとの関係を検証しながら新たに投入されるという車の真相に迫ってみた。

エンジン排気量が1.3~1.5Lで全長が約4mのフィットはBセグメントに属す。国産車でいえば、トヨタ ヴィッツやマツダ デミオ、海外ブランドの車で挙げるならばフォルクスワーゲン ポロやプジョー 208がライバルに当たる。フィットがあれば十分ではないかとの声も聞こえてきそうだが、ヨーロッパ市場に目を向けると、さらに小さいAセグメントなるクラスが存在する。狭い道路が多い欧州の街中では欠かせない存在だ。日本市場に「黒船」のごときインパクトを与えたフォルクスワーゲン UP!やルノー トゥインゴなどがAセグメントといえる。

ホンダが新型車の投入をもくろんでいるのは、まさにこのAセグメントで、フィットJr(仮称)と呼ぶにふさわしい1台になりそうだ。搭載エンジンは1L 直3程度の小排気量ユニットが用いられるだろう。開発に際し、長年にわたって培ってきた軽自動車づくりのノウハウが活用されることは想像に難くない。

▲トヨタが欧州市場に送り込んだAセグメントハッチバック、アイゴ。PSAグループとの共同開発で、プジョー 108、シトロエン C1という兄弟車がある。チェコの合弁工場で生産されておりヨーロッパ一帯で売られている ▲トヨタが欧州市場に送り込んだAセグメントハッチバック、アイゴ。PSAグループとの共同開発で、プジョー 108、シトロエン C1という兄弟車がある。チェコの合弁工場で生産されておりヨーロッパ一帯で売られている

フィットJrがAセグメントに属することは前述したとおりだが、驚きなのは同車がヨーロッパだけでなく、日本や北米、さらには新興国でも販売されるらしいことだ。アメリカ大陸で全長3.5m級の車が通用するかどうか疑問ではあるが、メキシコなど一部の仕向け地に限って投入されるのかもしれない。新興国ではそのサイズ感から人気を博すことは間違いない。そして、ここ日本では軽自動車とフィットに挟まれ、トヨタ パッソの好敵手として健闘するのでは。この他、アフリカ大陸でも売り出される模様だ。

このように世界各国で販売されるフィットJrだが、生産は新興国で集中的に行われるようだ。まだ具体的な生産拠点は決まっていないようだが、タイが生産国のひとつに含まれる可能性は高い。投入時期は2019年頃の予定なので、今後も引き続きリサーチに時間が費やされ、各国の需要や法規などをにらみながら(加えて、日本の軽自動車規格も!?)具体的な商品内容が決められていく。

※2014年11月25日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2019年
■全長×全幅×全高:3500×1650×1475(mm)
■搭載エンジン:1L 直3

text&photo/マガジンX編集部