マツダ CX-5 (松本英雄)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: マツダの試乗レポート
タグ: SUV / クロスオーバーSUV / FF / 4WD
2013/12/13
発売から2年近く経ち、ヨーロッパで鍛え抜かれたマツダの技術陣は見た目よりも中身のあるマイナーチェンジを実施してきた。サスペンションの変更や2.5Lガソリンエンジン車の投入である。今回試乗した2.5S L Packageはディーゼルモデルが販売台数の8割を占める中、ガソリン車の魅力を引き出すために投入されたモデルだ
新しいダンパーの恩恵に対し、2.5LガソリンエンジンとATの統合制御が課題
少しの部品変更で大きな効果
2年前にCX-5を試乗したのは箱根であった。高さがあるSUVにしてハンドリングはスポーティ。これはイイと思った。しかしその後じっくり市街地で試乗した際にリアのハッチのバイブレーションが気になった。
ゆっくりとうねった道では見事に抑えられる振動も、細かな凸凹になるとジャブのようにリアの大きな開口部にはこたえるのだ。
走りのマツダに、若干だが“いなし”のマツダを投入したばかりであったことを鑑みれば仕方がないといえる。
2年経過し、サスペンションの変更をしたことで何が決定的に変わったのかを先にお伝えしたい。その弱点のリアダンパーを小さな入力に対してもちゃんと動かし、出来るだけ早く振幅を軽減するようなセッティングに変えた。
新しいダンパーによる恩恵は大きい。これが実に効果的であり、リアハッチの剛性を高めるよりもコスト的にも結果として有利である。
以前あったバイブレーションは一掃され、走りの質感を向上させている。コーナリングでは、リアの沈み込みとフロントのスタビライザー変更で向上した接地感により、マツダイズムをスポイルしないセッティングとなっていて好感が持てる。少しの部品で走りの質は確実に変わった。
トルクフルなエンジンとATの統合制御がカギ
これを機に投入した2.5Lガソリンエンジンはディーゼルの得意とする低速域からの太いトルクに対抗すべく、電子スロットルのプログラミングを意図的に変更してトルクをモリモリと感じるようにしてある。
少し踏んだだけでもググッと力強く車を引っ張る。これが良いかどうかはセッティングをしたエンジニアが一番分かっていることだが、かえって乗りにくくしているようにも感じる。滑らかさはよりはギクシャク感があった。
排気量を大きくする利点は、滑らかでトルクフルな走りを実現できる点であろう。それを念頭に置いたATとの統合制御がよりいっそう求められる。8割がディーゼルモデル購入者というCX-5、ガソリン車の走りについても、さらなる磨き上げに期待したい。
SPECIFICATIONS
グレード | 25S | 25S L Package | |
駆動方式 | 4WD | FF | |
トランスミッション | 6AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4540×1840×1705 | ||
ホイールベース(mm) | 2700 | ||
車両重量(kg) | 1540 | 1550 | 1480 |
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHC+ターボ | ||
総排気量(cc) | 2488 | ||
最高出力[kW(ps)rpm] | 135(184)/5700 | 138(188)/5700 | |
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 245(25.0)/4000 | 250(25.5)/3250 | |
JC08モード燃費(km/L) | 14.6 | 15.2 | |
ガソリン種類/容量(L) | レギュラー/58 | レギュラー/56 | |
車両本体価格(万円) | 253.05 | 281.40 | 260.40 |
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