まささん(神奈川県)
投稿日: 2013年3月6日
4点
【エクステリア】
エクステリアやインテリアはスタンダードのアバルト500Cと共通ですが、ホワイトとブラックの2トーンカラーで、境目に赤いストライプを入れた取材車のカラーコーディネイトは、改めてセンスの良さを感じました。ホワイトのインパネにキャメルカラーのレザーシートを組み合わせたインテリアも同じで、スポーツモデルでありながら体育会系ではなく、イタリア車らしいおしゃれでハイクォリティな雰囲気が漂っています。
【エンジン性能】
エッセエッセとはSSのイタリア語読みで、いままでも他のアバルトに設定されたパフォーマンスキットの名称として使われてきました。今回はそれに、オランダの名門ショックアブソーバーブランド、KONIのFSDショックアブソーバーと、車高を約20mmローダウンさせるスプリングを組み合わせています。
さらに1.4Lターボエンジンは、最高出力は140psから160ps、最大トルクはスポーツモード選択時で21kgmから23.5kgmにアップ。ブレーキは前後ともドリルドローターとなり、フロントには高性能パッドもおごられます。タイヤサイズが195/45ZR16から205/40ZR17になったことも特徴です。
【走行性能】
まずはノーマルモードで、2ペダル5速MTもオートを選び走り出したのですが、この状態での加速感は、2000rpmあたりで力がググッと盛り上がり、ブオーンという心地いいサウンドを響かせてくれるものの、レスポンスはおだやかで、変速はゆっくりこなし、早めに上のギアにアップしていくなど、意外におとなしいという印象でした。
そこでインパネ中央にあるスポーツモードスイッチを押すと、ターボの反応が鋭くなり、その後の力の盛り上がりや回転の伸びも先ほどとは別物のように勢いづいてきます。ギアチェンジも電光石火で完了してくれるのですが、この鋭い反応を味わうと、やはりマニュアルモードで走りたくなってきます。
そこでシフトパネルのA/Mボタンを押し、パドルを指で弾いて加速すると、変速がさらにレスポンシブになり、マフラーからは頭上越しにボンッ、ボンっという爆発音が聞こえてくるほど。絶対的な加速力なら、この上を行くクルマはいくつもありますが、感覚的な加速感は数あるオープンカーの中でもっとも刺激的な1台ではないかと思いました。
【乗り心地】
乗り心地は、スタンダードのアバルト500Cよりむしろ上です。FSDショックアブソーバーが路面に合わせて絶妙な減衰力を発揮しているのでしょう、ゴツゴツ感が減っていて、高速道路でのピッチングも抑えられており、1時間程度のドライブではまったく疲れを感じませんでした。コーナーでのロールも減っているのですが、しなやかに動く足のおかげで路面への接地性もアップしているので、ロードホールディングやトラクションも向上していました。
特になし
エッセエッセKONIキットを組み込んだアバルト500Cは、ただエンジンをパワーアップして足を固めただけではなく、ファインチューンという言葉が似合うほど、トータルバランスの高いスポーツモデルでした。ボディやエンジンは小さめですが、そこに込められたスポーツマインドの濃さや深さを考えると、合計400万円近い価格が納得できてしまうのですから不思議なものです。
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