かぜきり、さん(群馬県)
投稿日: 2017年2月21日
5点
なによりまずボディバランスの良さ。標準車からの一部形状変更はあるものの、後付け部品による補強無しに以前乗っていた社外足回り、ボディ補強で固めた90年代スポーツ車より高い剛性を感じる。加えて操舵装置もクイックレシオ化されており、ノーマルグレードのコンパクトカーとは比較にならない機敏さを持っている。
エンジンも専用に設計された1.6Lの物と自分のはMTのため、6速の内5速までがクロスレシオ化されている。これによって2.0L並の瞬発力があると感じる。数値でこそホンダ タイプR勢のVTECエンジンに出力で負けてしまうが、低~中速回転時のトルクを重視した設計のおかげか登り坂や高速の合流といった実用域でしっかりと力を発揮してくれる。
内外装は初代の競技のためのベースのような割り切った感じは無く、質感も同クラス車両では劣ると感じない。ステアリングオーディオスイッチや、クルーズコントロール等の利便性のあるものはしっかりと搭載され、光り物等の走行のための役に立たない物は基本的に省かれているため、見た目で媚びいったような感じが無くそこも個人的に気に入ってる。
多くの人が挙げている通り、フットレスト周囲のスペースが狭い。自分は足のサイズは男性の標準だと思っているが、靴を履こうものならクラッチペダルとの踏みかえの際にコンソールのカバーかペダル自体に引っ掛かる。社外の対策品が出ているものの、完全には解決できない。
また、先代より続く電動スロットルの感触もワイヤースロットル車を乗り継いできた自分には中々しっくりとこない。ペダルストロークが短いのと、踏み込み量に対してリニアに反応してくれないのが原因かと思われる。後付けのスロットルコントローラーで調整はできるものの、こちらも完全には解決しなかった。
1.6Lエンジンを搭載するための苦肉の策か、エアクリーナーボックスがエンジンカバーと一体になっている。そのためエンジンルームの大半を覆う形となり、プラグ交換がカバーを外さないと行えない等、点検整備性に影響してしまっている。
ダンパー等は欧州仕様の物で標準車よりも固められているものの、やはりハードな旋回や動きをさせようとするとロールの沈み込みが大きいと感じる。長らくガチガチに固められた車に乗っていたというのもあるが、スバルがSTI特別仕様で行っているようなタワーバー等のパフォーマンスバーの追加があればと感じた。ただこれは元から乗り心地が硬めであるため、販売するうえでこれ以上の悪化は避けたいとの判断だろうか。
コンパクトカーですら快適性や実用性、上質さがやたら求められるようになってしまった今日、走りに重きを置きつつも最低限それらを確保しているのは流石の一言だ。
スポーツ指向のMT車は少なくなってきており、BRZや86は廉価仕様ですら300万付近。そう考えるとスイフトスポーツはコストパフォーマンスが素晴らしい。
各メーカー刺激的に仕上げたホットハッチを輩出してきているし、性能の諸元値がほぼ同等のホンダ フィットRSは燃費等で大きくリードしてしまっている。それでも走行面での工夫で言えばスイフトの方が秀でていると言えるし、そこは最終的にユーザーの嗜好一つだろう。
(日産のノートニスモSは後付け装備のお化けなので比較するにはランク違いになるかと思う)
現在4代目スイフトが発売され、スポーツの開発車画像等も散見する。自動車関係各誌はターボを搭載と予測しているし、標準車が1t切るボディであるため大勢の関心がそちらに向いてしまっていると思う。だが、初代からブレずに進化してきたNAスイフトスポーツは十分この先も戦っていける仕上がりになっていると感じる。
このクチコミは参考になりましたか?
参考になった人:36
あなたのクルマクチコミを投稿しませんか?
新プラットフォームを採用
新型シャーシの採用など、見た目以上の進化を遂げた
ヨーロピアンテイストあふれる骨太コンパクト
世界戦略を狙ったコンパクトカー
新車時価格はメーカー発表当時の車両本体価格です。また基本情報など、その他の項目についてもメーカー発表時の情報に基いています。